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少女と僕
暗闇に消えた少女。
僕は少女を追いかけるため雨降る暗闇を走り続けていた。水たまりを蹴るたびに新品のスニーカーに泥水が染み渡る。
じっとりと気色の悪い感触が僕の足にまとわりつく。
まるで僕を離さないかのように。
少女は思いやりがありよく笑う女の子だった。
だけど、ある日を境に少女はガラリと雰囲気が変わった笑顔1つ見せなくなった。
まるで、この世界になんの希望も抱かなくなったかのように。
その日からの少女は『冷淡』という言葉が似合っていた。
僕の目の前から消えた少女。見つかる保証も無いのに僕は走り続ける。そして君を離さない。今度こそは...