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雨の郁  作者: たつき
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やまない雨(2)

この都市、東京では夜になると局所的に激しい雷雨に見舞われる。それが人為的なものなのか、はたまた偶然なのかまだ調査中である。そしてこの雷雨のなか雷に打たれれば人を襲う化け物、雨人あまうどになってしまうかもしれないのだ。雷の衝撃で脳がイカれ理性などなくなり、死ぬまで暴れまわる。しかし、雷に打たれても雨人にならなかった場合、特別な能力を持った雷人になる。


雷人狩りと対峙した討伐レート1位新井は、無事撃退することはできるのか、

「そろそろ本気出そうか。」

ー空想世界ー

「クソッ!今度はなんだ?!」

落下しているし、変なタイマーも持たされている。

「はい、そろそろ気づいたよね。俺の能力は空想世界。任意の空間を作り出し、引き込む。」

タイマーの秒数は減っていく。

残り180秒。

「そのタイマーが0になった時、地面に激突する。」

は?

「は?って感じの顔したね。でも大丈夫。そのストップのボタンを押せば、10秒君は無敵になる。」

自分のタイマーを見せつけながら、さらに続ける。

残り160秒。

「勿論。俺も持っている。俺の能力では例外を作ることはできない。」

「じゃっ。始めようか。」

アホか?こいつは自分の能力をペラペラと。

爪に電力を込める。

伸びない?

新井の拳が腹に直撃する。

「イッデェ!!」

なんだこの威力!並の人間じゃねぇ。

「雷人の能力ってのは、別に最初から使えるもんだけでねぇ。」

残り120秒。

「電力を自分の筋肉にうまく流せば、肉体強化だってできる。」

「さっきからベラベラと!喋りすぎだ!」

炎が新井に直撃する。

「確かに喋ったね。たくさん。だけど、それを覚えて帰ることはできない。」

残り90秒。

「君はここで、死ぬからね。」


「大丈夫ですか?あの人?レート1位とは言えど  相手は、かなりの手練れでしたよ。」

「お前はわからないだろうが、奴の能力を知って、

勝つイメージが出来る人間はいない。」

なんだそんなヤバい能力なのか?

「そんなことより、もう雨抜けるぞ。」


「はぁ、さっきは痛い目あったが、直してもらって任務復帰だぜぇ。」

「オラッ!」

歯が伸び、雨人の首を切断する。

「強ぇ奴らには勝てねぇが、弱いこいつら狩るのは 俺の仕事だぜぇ。」

「歯端隊員ニ12ポイントガツイカサレマシタ。」

時計を見ると6時半を回っている。

「ん?なんか変だなぁ。こりゃ?」

「そうだな、なんか変だな。」

歯端の後ろから手が伸びる。

「ん?誰だおめぇ?」

「へー。これでいろいろ連絡してんだ。

おっ、他の隊員の場所とかも見れんじゃん。」

「貰ってくねぇ〜。」

「おっおい!返せよ!俺の…腕?」 

足元に血が固まっている。後ろを見ると血と肉の塊が点々としている。

「は?え?」


残り60秒。

もう何なんだ。能力が一切効かない。

「そろそろ種明かしかな〜。」

「この空間のルールは爪が伸びなくなる。酸素の助燃性がなくなる。でした〜。」

「うるせぇ!!」

残り30秒。

互いの刃が交わる。

「意外と押しには弱いじゃねぇか!」

このまま押し切れば勝てる!

残り19秒。

カチッ。

「バカなのか?お前が決めたんだろ?!タイマーはまだ残り18秒!お前は着地の瞬間、無敵になれず死ぬ!」

世界1の勝ち誇った顔を見せる。

残り13秒。

「あっそれね。」

残り12秒。

「実は。」

残り11秒。

「嘘。」

残り0秒。

地面に叩きつけられる。

能力が解除される。

血と肉の塊が新井の足元に置かれている。

「タイマーはブラフ。ルールは相手に嘘教えてもいいからね。」

「ってもう聞こえないか。」


「雨止んできますね。」

「雨の原因が死んだか、もしくは目当てがいなくなって帰ったか、どっちかだな。」

「とにかく任務は無事終了ってことだね〜」

眠そうに鹿松が言う。

初任務からひどい目に遭ったものだ。

新井とか言う人は大丈夫だろうか。


「あらら。こんなになっちゃって、いい能力持たせてやったのに、一人の能力も奪えないとは…」

「そろそろ俺が出ないと駄目だね。」

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