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もしや あの
とりだして画面を見てうなずくので、今度はノアが内戦をかける。
それをみとどけてから、公衆電話の番号を表示している器械の通信をつなげた。
「ベネットだ」
もちろんスピーカーにする。
『 ほお・・・・・あなたは、もしや、・・・あの、マイク・ベネット刑事では? これは これは 』
その声を耳にしたとたん椅子を蹴倒して立ち上がった男は手にした器械にかみつかんばかりに吠えた。
「ニール・クレイ!!くそったれ!どこにいる? いいか、禁止されてるのにレイに近づきやがったな。てめえはとっととムショにもどされる!」
『はてさて、だれのなんのはなしをしておいでか?』
「てめえのはなしだ!居場所を言え!おれがムショにおくってやる!」
トントンと机をたたく音がしてふりむく。
ノアが《のばせ》というみぶりをしている。
くっそ、そうだ。おちつけ。




