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変わったこと
「仕事仲間は元気か?」
「このまえバーベキューしたときから、そんなにたってないだろ?みんなかわんないよ。 あ、ルイが、自分が教会に寄付しても平気かって」
ゆっくりと羊たちの群れに近づく。
「『寄付』は、彼の父親から、おれのほうにもらってる」
「はあ? 魔法使いが?金払ったってこと?」
レイが名付けた子羊がウィルによってきた。
「・・・金ではなく、腕のいい『鍛冶屋』を紹介してくれた。 しばらく『道具』には、困らずにすむ」
「なるほど。 あ、そういやおれたちの会社に、ときどき《白くてでかい鳥》がくるんだよ」
困った様子もなく、わらったウィルはかがんで子羊の背をなでた。
「 ルイ宛の、封ろうでとじられた手紙が、切手もはられずにときどき届くのは、その鳥のせいだなって、みんなで笑ってる」
満足そうにひとこえ鳴いた子羊は、母親のもとへもどっていった。
彼のもとに動物が寄ってくるなど、むかしはありえなかったことだ。
「 ―― 愛は、ひとをかえてゆく」
「え? ああ、『魔法使い』の父親は、想像してたより、ずっと、人間ぽくて、いい人だったって、ルイが言ってたよ」




