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ダンジョンに潜り始めてから数か月。初めての長期休みになったので実家に帰ることにした。
学校では特に休みについては規制があるわけでもないので長期休みになれば自宅が遠い生徒は自然に実家に戻る申請をしているかダンジョンに長期に潜ることにしている生徒が多い。
学校近くのダンジョンでは最近問題を起こす学生がいるらしく学生事態に厳しい目を向けられていることもあるり学生単体で潜らずにダンジョンで仲良くなった人たちと臨時のパーティーを組んで行っている人の方が多い。私見たいにソロで潜っている人は短時間で上がってきて素材がメインなので素材組として信用を勝ち取ってきている。
教会でも問題を起こしたら次からは場所を貸してくれなくなる対応をしてきているので、問題を起こした人たちとそうではない人たちとの間に溝が出来始めている。学校でもいろいろと対策をとっているらしいが功を奏していないというかミイラ取りがミイラになったようで抑止力がない状況になっている
そもそも何のために学校に来ているのかと聞きたいところだが、専門学科ではない人間はなんとなくとかステータスになるとか言って学校に通っている人間が多い。一部の人間は自分に課せられた役目を果たすために大変だから問題すら起こせない状態であるらしいが・・・
そんな風に学校に不利益を起こしている人間を長く置いておけないと言われるのは想像が付くのでそのうち退学処分とか転校とかを進められるのではないかと自宅の居間でのんびりしながら考える
自宅の近くにもダンジョンがありそこに早朝潜ってきて少し疲れたのでごろごろしているのだ。自分のホームと言っても過言ではないダンジョンなのでどこで何が取れて何が一番高く売れるかを知り尽くしている私的にはかなり気を抜きつつ潜ることが出来る場所である。ダンジョンに潜ること自体気を抜くことはしてはいけないのだが、変に緊張せずに潜れる場所なので気楽であると言っても過言ではない。のんびりしたら夏休みの宿題をしないとと思いつつ体を起こして勉強道具を持って机に向かう。自分の部屋という概念がない家なので勉強は好きなところでやっている。暑い日は涼しい場所でそうでないときは居間で勉強するのが常である。夏休みに入ってダンジョンに潜るか勉強するか夕涼みしつつ散歩に行くかという生活をしている私に家族は驚いている。
特に勉強をしているのを見て驚いているを見て中学の時は遊びほうけていたから仕方ない反応だけど。笑ってしまう
高校が別になれば幼馴染も一緒には遊んではくれないというか中学になってからはそんなに遊ぶこともなくたまに話すくらいの関係だったから仕方がないとは思う。今日もダンジョン内で合って挨拶をしたくらいで突っ込んだ話はしていないし。
元気そうで何りにとお互いに思っている。干渉されることが嫌いな私のことを知っているので本当に危なかったり問題があったりする以外は放置してくれる幼なし馴染みとの関係は私的には居心地が良い関係ではあるが、べったりくっついていないと友人ではないと言っている人たちから見れば寂しいというか淡白な関係ではあるのだろうが、当人達がそれでいいと思っているのに他人がつべこべ言う必要性はないと思うと今日幼馴染と一緒に潜っていた友人?達の事を思って少しイラッとする。
まあいいかと気持ちを切り替えて宿題と復習と苦手科目の勉強し直しをしていると玄関から声が聞こえた。知らない人の声なので郵便屋さんかな?と思って玄関のドアを開けると学園の問題児たちが立っていた
どうやって我が家にたどり着いたのかと思っていると問題児の後ろにはミイラ取りがミイラになった先生がいたので情報が漏えいした原因が分かった
「何用ですか?」と玄関のドアを少しだけ開けながら聞いてみると
「一緒にダンジョンに行こうと思って」と言ってくるため
「いやですね。そもそもあなた方とは面識もないから危険すぎて嫌ですよ。いかに慣れているダンジョンだからと言って知らない人と潜って後ろから攻撃されないとも言い切れないし。それ以前に私は素材組でソロで潜るのを信条としているので誰かとパーティーを組むとか考えられませんし。組むなら赤ん坊の時からの知り合いで私という人間を良く分かっている幼馴染たちとしか組みませんよ私は。ということで帰ってください。それと教員がお気に入りの学生にお願いされたからと言って個人情報を流して言い訳がない。職業倫理はどこに行っているのでしょうか?これについても学園に報告させてもらいますのであしからず」と言って断れたことに驚いている問題児たちと職業倫理という言葉を出されて顔を青くしている教員を放置してドアを閉める
そのまま学校に事の次第を報告するために連絡して今後このようなことがないようにお願いする。学生の情報を私利私欲のために流す職員をそのままにしておいたなら学校の地に落ちつつある評価が本当にやばいことになるだろうと考えればすくさま行動に移すだろうなと居間に移動して勉強に戻る
集中して勉強していたので気が付かなかったのだが、外から窓をたたく音が聞こえて外を見ると問題児たちが帰らず何かを言いながら窓を叩いている。お帰り願ったのに帰らず居座り続けているのかと呆れながら手にした携帯で警察を呼んで対応してもらう
少したってから警察が来て問題児たちを拘束して双方から事情を聴くと言われて先ほどあったことを説明する
「同じ学校の生徒ですが、同級生でも友人でもないし夏休み遊ぼうと約束もしていません。そもそも住所すら教えていないのにどうやってか住所を調べて押しかけてきたんですよ。よく知らない相手だから帰ってくださいとお願いしたのに帰らないで窓を叩いているので怖くなって」警察に説明をする
「友人だと言っているが」とあちら側ではそう警察に説明したようだが
「学校で問題ばかり起こしている人間と友達になりたいとは私は思いませんし会話もしたことがないのにどうやって友達になれと?」そう不思議そうに聞く私の反応を見て問題児たちを連行していく事に決めたらしい。警察の連絡で働いている親が駆け付けた時には事情聴取も終わり連行されていくところだった。
「何があったの」と言われて警察に説明したことを親に説明すると心配そうな顔をして怖いわねとつぶやいて抱きしめてくれる。警察にお礼をして見送った後に居間で気を付けないといけないわねといいながら学校に連絡してくれている。連絡をするという話が出た時点で、情報漏えいについて連絡はしていると伝えた
「本当に警察から連絡来たときはどうしたのかと心配したんだから」と困った顔をしている。そんな話をしていると姉が帰ってきて母がいるのに驚いている。母が先ほどあったことを説明すると
「だから警察の車が走っていたんだ」と納得しながら荷物を卸して麦茶を飲んでいる
「同じ学校でも知らない人もいるしね。あんたのとこは特に大きなところなんでしょ?怖いわね」と心配そうに言っている
「明日の朝一緒に潜る?」と聞いてきたので了承する。母も何かあったら困るからと進めてくるし姉となら問題なく素材集めもできるからだ。姉はその場で友人と連絡を取って妹付きで明日は潜ることになったことを説明している。難色を示した人は明日は組まないことにしたらしい
「ごめんね」というと別に。と答えてくれる姉に感謝を述べた
私的にはいつも通りの時間で姉たちパーティーには少し早い時間にダンジョンに潜ることにした。
「好きなようにしていいけど、あまり離れない」と言われて了承して姉の目に入るところで活動することとした。家の近くのダンジョンは海の使用になっているから潜ることもあるし足場が水につかっていることもある場所であるから雷撃は有効な手段である。次に風が有効であるためいつものように腕に付けている数珠には雷撃用・風撃用の魔石がセットしてある。ちなみに水で体力をとられる私は回復系である水と自分の属性である月の魔石も一緒に付けているため体力がなくなって大変な目に合うことはない
姉たちの後ろを歩きながらぶらぶら貝を採ったり海藻をとったり時々襲ってくる魚を鎌鼬で撃退したりここら辺の特産物である海の宝石と言われる装飾品を作るために必要なヒトデとクラゲを網ですくって取ったりと好きなことを姉たちから付かず離れずの距離を維持しながら移動する。そろそろ朝ご飯の時間だと思って姉に帰宅したい旨を伝えようとするといい感じに魚を退治し終わった姉たちパーティ。
「お腹すいたから帰りたい」と申し出ると姉やパーティメンバーたちも同意してくれたので地上に戻って換金することになった。換金が終わると7時の鐘が鳴ったのでちょうどご飯の時間だと家に帰ることにした私たち姉妹にパーティメンバーから声がかかった
「妹さんいつもあんな感じで素材集めばかりなのか?」とそれに頷いて答えると
「普通に潜ればいいお金になるのに」と言ってくれた。まあ、私の体力のなさを知らない人間だとそういうだろうが
「無理。だってこの子一回潜ると体力なくなってすぐ寝ちゃうんだもの。それにあれ以上潜ったら顔色悪くなるだろうし」そう説明する姉を見て驚いているパーティメンバー。体力なくてすみませんね。海で泳ぐと陸に上がるの大変だし一回だけで終わっちゃうんですよ私。あとは荷物番としてのんびり過ごすのが私のいつものパターンだし
子供時代学校から帰ってきて遊びに行こうとしてたのに気づいたら寝ていたとかざらだし。そんな私と一緒に潜れるのは体力の限界を知る姉か幼馴染だけという始末なんですよ。だからいつもソロで無理せずのんびり潜っているのである
「体力ないら仕方がないよね」と納得してくれた姉の友達と別れて家についてご飯を食べた後仮眠をとる私と学校に部活に行く姉の体力の差。うらやましいけどそれほど行動しない方が私の性に合っているからこれはこれで良いのか?と思ったりした