【02話】美和、カニと混浴して、ネコと同衾する。【後編】
【前編のあらすじ】
かわいい親友の美和が、夏休みにわたしの家に泊まりに来たよ!
晩御飯も終わって、お風呂タイム♪
「ひゅーひゅーお熱いね〜、もう、二人でお風呂入っちゃう?」
お母さんが囃し立てる。 いいぞ!もっとやれ!!
「もう! でも、みんながそこまで言うなら、ねぇ?」
わたしが、とても自然な感じで、美和を二人いっしょのお風呂に誘ってみると……
「一人で入ります♪」
涼しい顔をして、美和が即答した。
むねん……
「そういえば着替えは……?」
美和が訊ねると、
「用意してるわよ〜
サイズもぴったりのものをね!」
お母さんが即答した。
「着替えはありがたいけど、怖いよ!
どうなってんの!? 私の個人情報!!」
「こないだの旅行の時に、『美和ちゃん咲良の保護者会』で情報共有したのよ!
美和ちゃんと、咲良のスリーサイズから、身長体重、食べ物の好き嫌いまで!
ちなみにメンバーは、美和ちゃんのお母さんと、中村のおばちゃんと、私の三人ね!」
「思ったよりも拡散してないけど、結構な情報漏れてんな!!」
「その情報!詳しく!!
わたしは美和のこと、隅々まで知る必要あるから!」
言うわたしを遮るように、美和が言った。
「ちなみに咲良の情報も、共有されてるんですよね?
その情報、悔しく!!」
「本邦初公開! 咲良のスリーサイズは
B129.3 W129.3 H129.3 よ!
何の成長もっ……得られませんでしたっっ……!!」
心臓を捧げそうな感じで、お母さんは報告した。
「めっちゃ寸胴!!ドラム缶かよ!?」
「お母さん!それ、ドラえもんのスリーサイズじゃん!!」
そんなこんなをしているうちにお風呂が沸いて、美和からお風呂に入ることになった。
すると、
「ぎゃぁあああっっ!!!」
浴室から美和の叫び声が!?
おお!?これはラッキースケベのチャンス!!
わたしは、待ってましたとばかりに浴室へダッシュする!
「どうした!美和!!」
「かっ…… カニがおる……」
そう、浴室には小さな1匹のカニが紛れ込んでいた。
「ああ、なんだカニか〜
海も、川も近いからね、たまに出るんだよ、排水溝を遡って!
まぁGじゃないから大丈夫!」
「この家の大丈夫の基準がおかしい!!
あと、いつまでこっちをマジマジと見てんのよ!!
さっさとカニを、どうにかしなさい!
そして出ていって!!」
「まぁまぁ、せっかくだから」
わたしは、浴槽に肩まで浸かって怯える美和を、じっくり眺めた。
「こないだ一緒に入ったばかりでしょ! お風呂!!
それに、全裸は逆にエロくないんじゃなかったの!?」
「怯えた表情が……、いい!
全裸で怯える全裸美和……最・高♪」
「アホなこと言ってないで!
とっとと、カニをどうにかして!
さっさと出てけ!!
さっきから話が前に進まないのよ!」
「なかなか前進しないよね〜 カニだけに!!」
「やかましいっ! 張っ倒すわよっっ!!!」
結局、わたしは横目でチラチラ美和を見ながら、カニをつかまえて裏の庭に逃してやった。
そして美和の後は、みなさまお待ちかねの、わたしの入浴シーンだ!!
…………
「美和! なんでわたしの入浴シーン覗きにこないのよ!!
全面カットされたじゃないの!」
「知らんがな!」
全員つつがなくお風呂をいただいたところで……
「さぁ!美和!!
湯冷めしないうちに同衾するわよ!!」
わたしは異論は挟みません!と言わんばかりに、高らかに宣言した!!
「今夜は、コロさんと寝ます!」
美和はコロさんを抱きしめながら、にこやかに宣言した。
む、むねん……
わたしの部屋に、並んでお布団を敷いて、
電気を消した。
「おやすみ〜」
「おやすみなさい」
「何かあったら、遠慮なく呼んでね!」
「なんかあんの?」
「虫が出ます。
ムカデとかGとか、ウソじゃないよ?」
「お風呂場でカニを見たからね、
でも何かあったら、コロさんに助けてもらうわ!」
美和と一緒のお布団で、ゴロゴロしているコロさんが……
うらやましい!!
「まぁ、心配しなくても、お昼にこの部屋中に殺虫剤かけまくっといたから、出てこないと思う」
でも、いじわるせずに、親友を安心させてあげるわたし、えらい。
「なら、安心ね!」
そしてしばらくして、暗い部屋にも目が慣れたころ……
「ぎゃぁぁああっっ!!」
美和の悲鳴に、慌てて飛び起きて見ると、
「Gが天井から落ちて来た!
肩にピトッてくっついた!!」
涙目で訴えてくる美和
「お、落ち着いて、G出たの?」
涙目でコクコクうなずきながら美和が
「天井から、真っ直ぐ落ちてくるGと、目があったよ……
すごくスローモーションで……
徐々にアップになって、目の前にGドアップで……
顔に真っ直ぐ落ちて来たから、慌てて首を振って避けたら肩にビタって……」
ガクガク震えながら訴える美和。
わたしは何も言わずに、ギュッと美和を抱きしめてあげた。
「あとコロさんは……?」
震えながらも、コロさんの心配をする親友。やさしい!
「あんたの声にビビって、飛び出ていったよ?」
そして、ネコは薄情だった。
うちの親友が、驚かせちゃって、すまんコロさん……
「ところで、Gは何処行ったの?
潜まれたら、怖くて仕方がないんだけど……」
「大丈夫だよ……
やつはもう、死んでる」
わたしは、美和が飛び起きた衝撃で、部屋の隅でひっくり返ってるGを指さして言った。
「おそらく……、お昼に吹きまくった殺虫剤で、弱ったGが天井で力尽きたんだよ……
そして、美和の真上から落ちて来た……」
誰も救われない、嫌な事件、だったね……
無事に解決したところで、アピールタイム♪
「ほら美和、コロさんなんかより、わたしの方が、美和を守れるでしょ?
さぁ、同衾する?」
ガクガク震えながら美和は言った。
「変なことしちゃダメよ?」
「変なことなんて、しないよ〜」
言いつつ、わたしは心の中で付け足した。
(当然のことを、するだけだよ〜♪)
こうして、ごくごく自然な成り行きで、わたしと美和は一緒のお布団で寝たのでした!!
~翌朝~
「色々あって結局あんま寝られなかった……」
「色々あって寝不足でも大満足ですよ♪」
とても楽しい、お泊まり会になりました。
朝のルーティーンをこなして、朝ごはんを食べて、今日は朝から美和の住むあたりまで、一緒に自転車で出かけて遊ぶ予定だ!
二人で出かけるときに、お母さんが玄関まで見送りに来た。
「美和ちゃん、また泊まりに来てね!」
と言うお母さんに、
「もう虫はこりごりですよ
虫が出ないなら、ぜひ来たいんですけど……」
やんわり断ろうとする美和。
「良かったわね! 咲良!!
美和ちゃん、冬に来てくれるって!!」
「おお!確かに!!
お母さんグッジョブ!!」
「しまった!
そこは盲点だった!!」
「うふふ、今度は一緒にお鍋を囲みましょう!
こたつで丸くなってるコロさんとも、ふれあえるわよ〜」
「確かに、それは心惹かれるなぁ〜」
裏切られたはずのコロさんを、未だに慕う親友であった。
ぐぬぬ……コロさんめ!
「早く冬休み来ないかな〜」
でも、美和が来てくれるなら……と、わたしは正直な感想を口にした。
「まだ、夏休みの最中なのに!?」
と、おしゃべりしながら、わたしと美和は、庭に置いておいた自転車を押しながら門から道に出た。
「まぁ、冬にも美和ちゃんを狙う、わるい虫がうちにはいるんだけど、それは黙っときましょう♪」
と、見送るお母さんが小声で言ったのだけど、わたし達の耳には届かなかった。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この短編は、完結済み作品『瀬戸の花嫁連続誘拐事件!』の後日譚になります。
咲良と美和のことが気に入ってくださった方は、ぜひ本編もよろしくお願いします。




