【01話】美和、カニと混浴して、ネコと同衾する。【前編】
「ねぇ、美和! うちに泊まって行きなよ!」
低身長たぬき顔女子中学生のわたし、北野咲良は、山口県の秘境、海沿いのド田舎に座します神花山の山頂で、同級生にして親友のスレンダー美人かつ、めっちゃかわいい、わたしの川岡美和を誘った。
「何言ってんのよ? いきなり泊まったらご迷惑でしょ?
あと、どさくさになんか変なこと考えてなかった?」
ジト目でにらみつつ、遠慮する美和にニッコリ笑って、
「大丈夫!」
わたしは、すっとスマホを取り出した。
「ただいま〜ようこそ! 美和ちゃん!!
我が愛しの義娘よ〜♪
三人分の食材買って来ちゃったから!
もう美和ちゃん泊まって行かないと、うち食材余って困っちゃうから!!
それにもう、美和ちゃんのお母さんの承諾も得てるから!!」
自宅に戻って待つことしばし、急いで仕事から帰ってきた、わたしのお母さんは、美和のことを自分の義娘と言ってはばならないお人だった。
「手回しが良すぎるし、囲い込みが激しい!!
……咲良のお母さんがそこまで言ってくださるなら、お言葉に甘えて……
でも、一人分余分になっても、食材は余らないと思いますよ?」
美和は、わたしを見ながら言った。
「確かに!」
お母さんも、わたしを見ながら言った。
だから、わたしはこう言ってやった!!
「それは確かにそう!!
でも、食材のことを抜きにしてウチに泊まってくれるって事は、それだけわたしと一緒にいたいって事だよね♪」
ぽんっと、腹鼓を打ちつつ言って、わたしは美和にピトっと、くっついた!
「ぐぬぬ……」
美和はぐうの音も出ないようだ。
「何言ってんのよ咲良!
美和ちゃんは、私と一緒がいいから泊まってくれるのよ?」
言いながらお母さんは、美和をわたしから奪うと抱きしめた。
「きゃっ!」
突然のハグに、美和がかわいい声を上げる……ぐぬぬ……
「お……、おのれ……
もはや、お母さんといえども容赦はできぬ!!」
「といやっ!」と叫びながら、二人の間に飛び込んだ!
「離れろ!
美和はわたしの嫁だ!!」
「何言ってんのよ!?」
「そうよ?何言ってんの?
美和ちゃんは、私の義理の娘よ!!」
「何言ってんですか!?」
「それは確かにそう!!」
「ああ、利害一致しちゃったよ!この母娘!!」
ぎゃあきゃあ、わははと賑やかに過ごすわたし達を、ネコのコロさんは2階の階段から冷めた目で見ていました。
ごめんねコロさん、騒がしいから怖くて2階から降りられないよね?
わちゃわちゃも、ひと段落したころ。
「そうだ!美和!! ゲームやらない?
スーファミあるよ! スーファミ!!」
わが家はスーファミが現役だ!!
お母さんと一緒にできるから!
「何言ってんの咲良!
今日私たちが行って来たところは何処?」
「水中特攻隊、回天の展示のあった阿多田交流館と、古墳のある神花山?」
「そう、どちらも歴史的に見て貴重な場所よ?
このまま記憶の奥底にしまうには勿体無いわ!」
「んじゃ、どうするの?」
「復習よ!!」
勉強大好き美和先生は、ナップザックからノートとペンとスマホを取り出しました。
「復讐?
わかった!
特攻兵達の仇を討つんだね!!」
「……、確かにそれもいいわね!
でも、誰に? どうやって?
正しく仇を討つには、何があったか正確に知らないと!
それぞれネットでわかる範囲で、調べてみましょう!」
美和先生は、わたしのボケにツッコまずに、流れるようにお勉強に誘導しました。
わたしはときどき、美和先生ってふざけて言ってるけどさ……
美和って、ホントに先生に向いてるんじゃない?
二人で、自分の故郷と戦争の歴史を調べて、ノートにまとめたりしてたら……
「くくく、計画通り」
言いながら、ノートを使って、人を殺してそうなお顔のお母さんが、わたしの部屋に入って来た。
「何の計画?」
「もちろん! 遊んでばっかの娘に、勉強をさす計画よ?」
「はかられた~!!
勉強させられてしまったわ〜」
「計られなくても、勉強はしなさいよ?」
「それから、晩ご飯できたわよ~」
「やったぜ!!」
「すみません、ありがとうございます」
晩御飯はごちそうでした♪
暑い日が続くので、さっぱりいただけて、お野菜もたくさん採れる冷麺と、タンパク質補給と疲労回復のために、豚の冷しゃぶ。
暖かいものも取らないとね? ってことで大根とお豆腐のお味噌汁の組み合わせです♪
「いただきます!」
三人で唱和した。
お母さんと二人で食べる晩御飯も美味しいけど、美和も一緒に三人で食べる晩御飯は格別だ!!
「……でも、美和の家族の人には申し訳ないね、いまきっと美和が居なくて寂しく食べてるはずだから……」
こっちが一人増えれば、あっちが一人減る、簡単な理屈だが、この時まで頭の中から抜け落ちてしまっていた。
「あ、美和ちゃんのお母さんなら、お父さんとデートに行くらしいから、大丈夫よ〜」
「私たちが大人の心配なんて、まだまだ早いわよ!」
ですね!いらん心配でした!!
「でも、私の家族のこと心配してくれて、ありがとう……」
そっぽを向きながら、美和が照れつつ言ってくれた。
ツンデレ美和、控えめに言って女神。
「ひゅーひゅーお熱いね〜、もう、二人でお風呂入っちゃう?」
お母さんが囃し立てる。 いいぞ!もっとやれ!!
「もう! でも、みんながそこまで言うなら、ねぇ?」
わたしが、とても自然な感じで、美和を二人いっしょのお風呂に誘ってみると……
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
後編は、翌日早朝【06:06】ごろ投稿します。
果たして、咲良は美和と一緒に、お風呂に入れるのか!?
この短編は、完結済み作品『瀬戸の花嫁連続誘拐事件!』の後日譚になります。
咲良と美和のことが気に入ってくださった方は、ぜひ本編もよろしくお願いします。




