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強化されたせいでバランスが壊れる
帰還後、ハルキの“事故バフ”は明らかに影響を出していた。
「なんか体軽いな」
「気のせいであってほしい」クレアが呟く。
試しに軽く動く。
踏み込む。
——床が割れた。
「壊すな!!」
ダルムが笑う。
「いいではないか!」
「良くない!!修理費!!」
ハルキは首をかしげる。
(力の配分、むずいな)
だが次の瞬間。
軽くジャンプ。
天井に頭をぶつける。
ドン。
「痛っ」
「学習しろ!!」
さらに問題は続く。
握手しようとしただけで——
「ぐえっ」
相手が吹き飛ぶ。
「やめろ!!」
「普通にやっただけだぞ!?」
クレアが深くため息をつく。
「……制御を覚えろ」
「どうやって」
「知らん!!」
丸投げである。
だがハルキは考える。
(強いって、こういうことか)
少しだけ、真面目に。
だが次の瞬間。
「お、あの屋台うまそう」
全部台無しである。
そして同時に——
(この力、まだ伸びるな)
物語は、次の段階へ進もうとしていた。




