↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光と共に  作者: 藤咲梗花
序章 その日々が、光だった。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/27

3話 神に愛された男(1)



作者です。3話まで来て頂きありがとうございます。


2話を越えて来て頂ける読者様は限りなく少ない事を実感しているので、とても嬉しいです。


さて、3話ではようやく起承転結の転の部分が入ってきます。多少は楽しめるはずです。


それでは、今後ともよろしくお願いいたします。




 



 ここは光陽王国こうひおうこく王都おうと。おれはしろの中を歩いていた。


 横には一卵性いちらんせい双生児そうせいじの弟、レンの姿すがたもある。弟と言っても、のおれとは違い、物静かな性格せいかくな上に中性的ちゅうせいてき美人顔びじんがおなだけあって、見た目からはむねふくらみがないだけの高身長こうしんちょうの女にしか見えないけど。


 レンと2人で廊下ろうかを歩いていれば、同じ魔導騎士団まどうきしだん所属しょぞくの、桜咲柚葉おうさき ゆずはの姿が前方に見えた。


 アイボリーホワイトの色素しきそがスゴくうす髪色かみいろ。ボブカットの髪型かみがた。176(センチ)あるレンより少しひくいだけの高身長こうしんちょう。そんな見慣みなれた姿をした柚葉は、廊下からバルコニーを見ている。


 柚葉に、耳にした情報を持って話しかけた。


「しってるか? 聖がもどってくるんだとさ」


「……なんで」


 こちらに目を向けて静かにそうたずねる柚葉に答える。


きよみずから戻ることにしたんだってさ。どういう風のき回しかしらねぇけど」


「――香花こうかでも見つけたとかだったらどうする?」


 なぁ? 柚葉。そう口にして、柚葉より先の前方からあらわれる黒髪くろかみの男、通称つうしょう黒咲悠くろさき ゆう


 その口調くちょうといい、みのふくんだ表情といい、悠とはても似つかないその雰囲気ふんいきに、判断はんだんするまでもなくおれは理解する。そいつが悠ではない(・・・・・)ことを。


「おまえの言葉には興味無きょうみないわ」


 お嬢様じょうさま言葉ことばのなんとかですわ。ではない、なんとかだわ。と同じひびきでこぼす柚葉。


「つれねぇなぁ。まあ、そんなトコがこのみなんだけどよ」


 ククク、とわら悠次・・。そんなそいつにおれは言う。


「あいかわらずなわけ? はやくゆう身体からだを返せ」


「オレも悠だぜ?」


「おまえは何度もいうけど悠次ゆうじな。悠の次の人格(・・・・・・)なんだ。悠次がピッタリだろ?」


 そう言えば、……ンのか? と殺気さっきはなつ悠次。悠は多重人格たじゅうじんかくってわけ。


「また柚葉接近禁止(せっきんきんし)が出んじゃない?」


 そう言えば、チッと舌打したうちをして悠次は殺気を消す。


 あいかわらず柚葉好ゆずはすぎで苦笑にがわらいしかないわ。ちなみに、これもお嬢様じょうさま言葉ではなく、なんとかだわのほう


「てかおまえ、これからレンと任務にんむじゃないわけ?」


 おれは悠次にそうたずねる。


「オレは男に興味はねぇ」


「見た目は胸のないだけの女だろ?」


「見た目だけはな」


 嫌味いやみったらしくいう悠次に、性格せいかくも女でいけるぞ? とおれは返す。


「オレは柚葉一筋(ひとすじ)だっつの」


「どんだけ柚葉好きなわけ」


 おれはあきれた様子でそう反応した。とうの柚葉は知らぬに瞬間移動でどっかに行ってるけど。


「!! オレからげられると思うなよ!!」


 それに気づいたそいつはそう言い残して、あわてた様子で来た道を走って戻り始めた。


わかってると思うけど、悠に戻ってから行った方がいいぞ。任務にんむ


 その言葉にレンは小さくうなずいた。




◇◇◇




「! ここが王都おうと……」


 あたしは聖くんの瞬間移動で聖くんとともに王都の内部ないぶにやってきた。正確せいかくには聖くんの王都での家の敷地内しきちないに。


 そして、聖くんは首元くびもと頭巾ずきんのついた白いマントを羽織はおっている。それは、あたしを助けてくれた時にも羽織っていたマントで。そのマントがかすかな風によってれた。


 敷地内をかこさくより遠くを見上げれば、高い高い城壁じょうへきが、まちを、王都を囲んでいて。


 そしてあたしは王都の中心部ちゅうしんぶに顔を向ける。大きな城壁。その内側うちがわに高く広大なしろが見える。その光景こうけいに、自国じこくの王都を思い出す。


 なみだがまたにじみそうになって、ふるふると首をった。


「……自分の国の城でも思い出した?」


 聖くんの言葉に身長しんちょうがとても高い聖くんを見上げた。すぐに顔をらして地面じめん視線しせんを落とす。そして声を通した。


「……なんでわかったんですか……?」


「あんたとはじめて会った王都とここは多少たしょう景色けしきてるから」


 その言葉に、私と会った王都……? とその言葉をり返してつぶやいた。あたしは聖くんをり返る。そうすれば聖くんはうなづいた。


「あんたはまだ小さくて赤子あかごだったけど」


 その言葉に、本当に聖くんはあたしを知っているから助けてくれたのだと理解する。


 そうですか……と反応をしめせば、聖くんは続けた。


「思い出してつらいならやっぱり家に戻る?」


 あたしは首を振る。


「おねがいしたのは私です……だから、大丈夫だいじょうぶです」


「……無理むりしなくていいから。無理だったらすぐに言って。……わかった?」


 あたしはその言葉にうなづいて、ありがとうございます……とこぼした。


荷物にもつ、置くよ」


 その言葉に聖くんを振り返る。その後をついて行く。あたしは王都での聖くんの家の中に入った。








「行くよ」


「はい」


 聖くんの言葉に返事へんじをすれば、聖くんの家の中の景観けいかんから変化へんかする。視界しかい両開りょうびらきのドアがあらわれてうつった。


「お。聖じゃん。はやいな。もう戻ってきたのか」


 聞こえた声に、聖くんがノックしようとしていた手を止めて横を向く。通訳つうやく魔法無まほうなしで聞こえた言葉だったから、なんて言われたのかはおさないあたしには分からない。とりあえず、あたしも声がした左横ひだりよこに顔を向けた。


 見知った文字もじが目に入る。『I am boy !』の白い文字が黒いTシャツに書かれていた。その文字と、その人のかみの色が印象いんしょうに残る。


 明るい茶色、あたしはその色の名前を知らなかったけど、ラセットブラウンのその髪があたしの中で印象に残った。長さはかたより上、首元くびもとまでのショート。前髪まえがみ七三しちさんで分けていて、右が3、左が7。左には1本の太いヘアピンをつけている女の人。


 若い見た目から青年と定義ていぎされる年齢ねんれいだろうことは、幼いあたしには分からない。


 とてもの高い聖くんより30(センチ)ほどひくいことも、当時とうじのあたしには予想よそうすらできなかった。




 



ここまでお読み頂きありがとうございます。とても嬉しいです。


さて。今回はここに来て初めて視点を変えてみました。


この物語は『これは、愛と光を誓った混沌な者達の物語――』を念頭に置いているので、主人公のアメリアを中心に、混沌な者達も深く関わって来ます。そのため、ちょくちょくこれから視点も変わっていくと思います。


混沌な者達。何故そう呼ばれるのか。また、そこに含まれるのは誰なのか。それも物語が進む上で、分かっていくはずです。


それでは、今後とも、よろしくお願いいたします。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。