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光と共に  作者: 藤咲梗花
序章 その日々が、光だった。

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1話 運命の邂逅(1)

 


 あたしは、魔族まぞく王族おうぞくとして生まれ落ちた。


 優しい母さんと父さんに囲まれて、魔王まおう息子むすこ従姉弟いとこのベルゼと一緒に育つ。


 あたしには秘密ひみつがあった。母さんと父さんに決して人前で見せてはいけないと言われた、光の力。


 魔族はやみ魔力まりょくを持つ。それに相反あいはんする力を持って、あたしは生まれたんだ。


 だれにも見せはしなかった。けれど、その事が判明はんめいする。


 み子として、あたしは処分しょぶんされる事になった。王族から光の魔力を持つ者が生まれた事が、表沙汰おもてざたになる前に。


 父さんと母さんは反発した。そして、みずからを犠牲ぎせいにしてあたしをがした。


 それからは地獄じごくだった。逃げて逃げて、魔族のっ手に追われる日々を送った。









(母上――母上……!)


 よわいさいのあたしは、母さんと別れた後、つばさまとって飛び続けた。母さんが追っ手を食い止めている間に遠くへ行かなければと、必死ひっしになって――


 大気圧たいきあつに当たりながら上空をおさないあたしは飛び続ける。


 なないで……! と、無事ぶじで、また会えますようにと必死にねがいながら。


 でも、願いもむなしく、母さんと再会さいかいすることはなかった。








 数日がつ。森のしげみにかくれながらおびえて過ごす夜は、幼いあたしには恐怖きょうふでしかなかった。物音にもビクビクしながら過ごした。眠る事も、ままならない日々。


 木の実を見つけて食べるだけで、まともな食事も出来できない。


 いやしの魔法まほうで体力などを回復させながら飛び続けても、睡眠すいみんも食事もまともにられずにいたことで、小さな身体からだ限界げんかいだった。


 膨大ぼうだいだった魔力すら、無くなりつつあったんだ。



(――!!)


「やっと見つけましたよ。――貴女あなたうらみはありませんが、王命おうめいたさせていただきます」


 魔力に気付きづいた時には、すで四方しほうを囲まれていて。


 すぐに光の魔法を使おうとした。しかし、魔力がほとんど残っていなかったあたしの魔法は不発に終わる。


(母上……父上……!)


 恐怖きょうふが小さな身体からだ支配しはいした。これから死ぬのだと理解して足の力がける。すわんで立てなかった。


 やみの魔力が追っ手のつるぎまとわれて、黒い闇が具現化ぐげんかする。終わりが近付ちかづいて――


(なんでころされなきゃいけないの……?)


 そう思った。けど、恐怖で支配された身体からだは声すら出せない。


 黒い闇を纏ったつるぎを、追っ手はり上げた。


()()()()……!)


 反射的はんしゃてきに目をつむる。痛みが来るのだと身構みがまえた。


 ――けれど、痛みは走らなかった。その代わり、身体からだを持ち上げられた感覚かんかくがして。


 目をければ、視界しかいが高くなっていて。だれかの片腕かたうでが、おさないあたしの身体からだささえていた。


 視界を上げれば、青年せいねんの顔がある。黒い癖毛くせげ


 ――コレが、恩人おんじんとなる人、佐倉聖さくら きよとの出逢であいだった。



 

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