初陣
村が、燃えていた。
「……そんな……」
遅かった。
帝国軍の襲撃。
逃げ遅れた人々。
泣き声。
悲鳴。
ガイウスが舌打ちする。
「クソ……」
セリスは、剣を握る。
震える手。
だが。
目は、逸らさない。
「……行く」
『推奨しません』
ノイエ・ジールが言う。
『勝率が低い』
「それでも」
一歩、踏み出す。
その時。
子供の泣き声。
振り向く。
兵士が、剣を振り上げていた。
——間に合わない。
『介入します』
瞬間。
世界が歪む。
セリスの身体が——消える。
次の瞬間。
兵士の背後に立っていた。
一閃。
血が、遅れて噴き出す。
子供は、無傷。
セリスの呼吸が乱れる。
「……今の……」
『空間短距離転移です』
「そんなこと……」
『可能です』
当然のように言う。
だが。
周囲の兵が、一斉にこちらを見る。
「敵だ!!」
囲まれる。
セリスは息を吸う。
——逃げない。
剣を構える。
その背後で。
ガイウスが笑った。
「……いい顔になってきたじゃねえか」
——初めての戦いが、始まる。
最後までお読みいただきありがとうございます!
次回は**【本日12時】**に更新予定です。
初陣を飾ったセリスたちが……!という展開になりますので、ぜひお見逃しなく。
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