ep.8『Stage of the ground』
バー『夜魔』にて
夜魔:「お前ら、本気でオフ会やる気かよ?」
礼堂:「そうなんですよ!それでお願いがあって……この店をオフ会の会場に貸してもらえませんか?」
夜魔:「はぁ!?バカ言え!うちの店にそんな客詰め込んだら、メニューが回らねぇし、片付けも面倒だろ!」
冬月:「まぁまぁ、聞いてくださいよ、夜魔さん。このオフ会、大人気になること間違いなしです。ジャンク・バスターズのファンが集まって、熱狂的に盛り上がるんですよ!」
礼堂:「それに、50人くらい集まるかもしれませんよ!その分、ドリンク代もフード代も入ります!儲け話です!」
夜魔:「えっ……50人?ドリンク代も……?」
末吉:「ちょっと夜魔さん、それ本当だったらすごいことですよ。うちの名物メニューも宣伝になるし、口コミも広がりますよ!」
夜魔:「えっ……金、稼げる……?儲かる……?」
冬月:「もちろんです!ドリンクだけじゃなく、特製メニューを出してもバカ売れですよ!」
礼堂:「SNSでも拡散されてますし、店名が全国区になるかもしれません!」
夜魔:「……やるぅー!!絶対やるぅー!!」
礼堂&冬月:「えっ、即決!?」
夜魔:「儲かるなら何でもやる!50人も集まるとか最高じゃねぇか!メニュー増やしてもいいし、特製カクテルでも作ってやろうか?」
末吉:「夜魔さん、ノリノリですね(笑)」
夜魔:「おうよ!で、当日はいくら稼げるか、ちゃんと計算しておけよ!」
冬月:「さすが夜魔さん、行動が早い……。」
礼堂:「ありがとうございます!これで会場問題は解決ですね!」
夜魔:「お前らも手伝えよ。掃除も受付も、キッチリ働いてもらうからな!」
こうして、バー『夜魔』を会場にしたジャンク・バスターズオフ会の開催が正式に決定した。
オフ会の情報が拡散し、反響が広がる中、波乱の予感も漂い始めていた……。
数日後、オフ会の準備が整い始めた頃
夜魔:「おいおい、礼堂!会場の配置はこれでいいのか?テーブルがギター弾けるスペースを塞いでんじゃねぇか!」
礼堂:「いやいや、それは演奏が始まる前に動かせばいいって話で……。」
夜魔:「ダメだ!客はパフォーマンス目当てだろ!最初から見栄えが大事なんだよ!」
末吉:「夜魔さん、落ち着いて。礼堂くんも考えてますってば!」
冬月:「お前が準備担当とか言い出すからこんなことに……。まぁいいけどな、俺は飾り付け終わったし。」
礼堂:「おい冬月、手伝えよ!飾り付けだけじゃ終わらないだろ!」
冬月:「俺はシステム担当。受付用のQRコード作ったし、音響チェックもしたし、これで十分だろ?」
礼堂:「お前のその要領の良さ、ほんと腹立つわ!」
夜魔:「お前ら、どっちでもいいから手を動かせ!当日トラブル起きたら稼ぎが減るだろ!」
礼堂&冬月:「はーい……。」
オフ会当日
バー『夜魔』には熱気が漂っていた。店内には、昔ジャンク・バスターズを愛したファンたちが集まり、バンドの話題で盛り上がっている。
客1:「懐かしいよなぁ、ジャンク・バスターズ!学生時代ずっと聴いてた!」
客2:「わかる!ボウさんの歌声は唯一無二だったよなぁ!」
客3:「そういや、今日は野田さんが来るんだっけ?」
野田:「おう、俺だ!みんな、今日は楽しもうぜ!!」
野田が登場すると、会場はさらに盛り上がる。彼はギターを抱え、中央のスペースに立った。
野田:「今日は特別に、ジャンク・バスターズ時代の曲も披露するからな!」
礼堂:「(心の声)さすが野田さん、場を盛り上げるの上手いな……。」
冬月:「(心の声)でも、新曲をまた歌わないだろうな……。」
演奏が始まり、懐かしいメロディにファンたちが歓声を上げる。
オフ会中盤、野田のソロステージにて
野田:「さて、次はちょっと珍しい曲を披露するぜ!ボウが一緒に作ろうとしてたけど未完成のままだったやつだ!俺が勝手に仕上げてみたんだよな!タイトルは……『キラキラ☆パラダイス』だ!」
会場:「(微妙な空気が流れる)」
礼堂:「(心の声)え……なんだこのタイトル……。パラダイス?」
冬月:「(心の声)嫌な予感しかしない……。」
野田がギターをかき鳴らし、歌い始める。
野田:
♪キラキラ〜輝く星たちが〜
パラダイス〜僕らの未来〜
手をつなごう〜希望の旅路〜
今こそ羽ばたけ〜僕らの世界〜♪
客1:「(ひそひそ声)え、ちょっとダサくない?」
客2:「(苦笑い)いや、これ……ボウさん関係ある?」
客3:「(小声)子供向け番組の曲みたい……。」
礼堂:「(心の声)いやいやいや!これ絶対ボウの世界観じゃないだろ!」
冬月:「(心の声)なるほどな、野田さん……センスが爆発してんな……悪い意味で。」
野田:「どうだ!?ボウへのオマージュとして仕上げた俺の渾身の一曲!『キラキラ☆パラダイス』!」
会場:「(拍手がまばら)」
礼堂:「(小声で)おい冬月、フォローしろよ!」
冬月:「俺が?無理に決まってるだろ。お前がやれ。」
末吉:「おいおい、野田さん!なんて素敵な曲なんですか!心がキラキラしちゃいましたよ!」
野田:「おお!末吉くん!やっぱり分かるか!」
礼堂:「(心の声)末吉さん、盛り上げのプロだな……無理矢理すぎるけど。」
冬月:「(心の声)さすが末吉、火消しの天才。」
こうして微妙な空気を引きずりながらも、オフ会は後半戦へと進んでいくのだった。