ep.4『リッスントゥザミュージック』
夜魔: 「俺、ボウに会ったことあるっけ?」
夜魔は少し考え込むように言った。
末吉: 「たぶん、夜魔さんが居合わせたことはないんじゃないですかね?ボウさん、何度かうちに来たことあるけど、一目見れば覚えますから。」
末吉は少し笑いながら答える。しっかりと覚えている様子だが、夜魔の記憶に残っていないようだ。
夜魔: 「あぁ、そうか…。」
夜魔は少し肩をすくめて納得した様子で、どこか悔しげな表情を浮かべた。
その後、夜魔は目を輝かせ、突然声を大きくして言った。
夜魔: 「よし!乗った!じゃあ1割でいいから!犯人を見つけられるよう、何か協力できることがあれば手伝うよ!なぁ、末吉!」
夜魔は満面の笑みを浮かべ、末吉に向かって声をかけた。
末吉: 「ま、まぁ、俺らで良ければ手伝うよ、、」
末吉は少し呆れながらそう言った。
夜魔: 「あとは進展があれば、協力していこうぜ!」
夜魔は気軽に話すが、目の奥には本気の意志が見え隠れしている。
そして、少し静かになった後、末吉が思い出したように口を開いた。
末吉: 「あ、そうだ!ジャンク・バスターズのギターだった人が月に一度、うちに来てるんだよ。名前は…まぁ、俺もよく知らないけど。」
その言葉に、2人は一瞬で反応した。
礼堂(心の中で): 「え、月に一度?それって…かなり定期的に来てるんだろうか?」
冬月(心の中で): 「まさか、ジャンク・バスターズのギターが…!」
主人公たちは、手応えを掴んだと感じると同時に、夜魔もその情報に気づき、顔つきが変わった。
夜魔(心の声): 「これはこれは、面白くなりそうだな…。
1割!ゲットだぜ!」
主人公たちは再び顔を見合わせ、どこか興奮した様子で次の一歩を踏み出すことを決意した。
ーーー2週間後の日中。
営業車で外回り中の礼堂は、リモートワーク中の冬月から着信が入ったため、車を近くのコンビニに停車し電話にでた。
礼堂: 「おう、どうした?」
冬月: 「また確認ミスで上司に怒られた…」
冬月の声からは、なんとも言えない疲れたような空気が漂っている。
礼堂: 「お前、ほんとそのミス好きだな。」
礼堂は少し呆れたような声で言い、つい笑みをこぼす。
冬月: 「まぁ、どうしても慣れないんだよな。確認が甘いんだろうな。」
しばらく世間話をした後、冬月がぽつりと呟く。
冬月: 「昔は尖ったロックばっか聞いてたけど、最近はJPOPばっかり聞いてんだよね。年齢かな?」
冬月の声にはどこか切なさがこもっていた。
礼堂: 「いや、どんなジャンルだろうが、いつの時代だって良いものは良いんだよ。」
礼堂はその言葉に力を込めて答える。
冬月: 「まぁ、そんなもんか。」
冬月は納得した様子で、少し落ち着いた声で返事をした。
そのとき、礼堂の携帯に着信が入る。画面を見ると、末吉からの電話だった。
礼堂: 「ちょっと待って、末吉さんからだ。」
礼堂は即座に電話を切り、末吉に電話をかけ直す。
礼堂: 「もしもし、末吉さん?」
末吉: 「あ、礼堂くんか。ちょっと情報が入ったから、連絡しておこうと思って。」
礼堂: 「お、どうしたんですか?」
末吉: 「昨晩、ジャンク・バスターズのギターの人がうちの店に来たんだ。」
その言葉に、礼堂は目を輝かせた。
礼堂: 「ホントですか?」
末吉: 「ああ、そんで来週の金曜日にまた来るんだってさ。名前は野田さんっていうんだ。」
礼堂: 「野田さんですか…」
末吉: 「もし話を聞きたいなら、金曜日にまた店に来てくれよ。」
礼堂: 「本当ですか?ありがとうございます、末吉さん。助かります。」
末吉: 「いや、気にしないでくれ。来るならまた連絡してくれ。」
電話を切ると、礼堂はすぐに冬月に連絡を入れた。
冬月: 「ったく急に切るなよ!そんで末吉さんなんだって?」
礼堂: 「ジャンク・バスターズのギターが来週金曜日に『夜魔』に来るらしい。」
冬月: 「まじかよ!」
礼堂: 「そうそう。末吉さんから聞いたんだ。来週の金曜日に来るってよ。」
冬月: 「めっちゃいいタイミングじゃん。」
礼堂: 「だろ?話を聞いてみるのもありだな。」
冬月: 「よし、行こうぜ、金曜日。」
冬月の声には、興奮と期待が少し混じっていた。