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礼堂と冬月の不完全な作戦〜愛は勘違い編〜  作者: A gyousya
殺されたロックミュージシャン ボウについて
32/59

ep.32『Stand By Me』

ーーーーーーーーーー。

紗和がボウとの交際までを語り終えた。


紗和:「それからバンドは少しずつファンを集めていきました。そして私とボウの仲も順調に進んで、出会ってから2年後に結婚しました。

その翌年くらいからバンドは人気が出て、

たくさんのライブやイベントが続く中で、ボウは忙しくても一生懸命頑張っていて、本当に輝いていました。」


一同が紗和の話を振り返りながら、

冬月:「ボウさん、なんか意外と好青年な印象ですね。」

礼堂:「確かに。もう少し…なんていうか、尖った感じかと思ってました。」


野田が感慨深そうに語り始める。

野田:「ボウは実際、優しくて情に熱い男だったよ。ステージ上では、いつもファンの求める姿でいようとしてたんじゃないかな。たぶんだけどね。」


すると夜魔が何度か頷きながら、、


夜魔:「なんか…その気持ち、分かる気がするな〜。」


礼堂 & 冬月(心の声):「なんでアンタが分かるんだよ…。」


礼堂と冬月が心の中でツッコミを入れながらも、秀治が口を開く。


秀治:「でも、ヒットし始めた頃には音楽性も変わって、完全にロックバンドって感じになってたよね。ステージでの雰囲気も。」

野田:「ああ、そうだな…」


そう呟くと、野田は少し下を向き、考え込むような表情を見せる。


富士田が会話に加わり、質問を投げかけた。

富士田:「ところで川端社長って、どのタイミングでジャンク・バスターズのファンになったんですかね?」


秀治がその問いに応じる。

秀治:「売れ始めた頃にはもう観に来てたと思うね。」


礼堂は興味深そうに秀治を見つめ、問いかける。

礼堂:「秀治さん、なんでそんなこと分かるんですか?」

秀治:「よく撮影してたからね。川端の顔も覚えてるし、熱心なファンだったからね。僕も撮った動画は何度も見返してたから、常連さんの顔はだいたい覚えてる。」


紗和:「へぇ〜。川端さんってどんな方なんですか?」


冬月がスマホを取り出し、会社のHPに載っている川端の顔写真を一同に見せる。

紗和:「う〜ん…見覚えないかも!」


一同:「ズコッ!」


その場の空気が和んだところで、今度は野田が何かを思い出したように口を開く。

野田:「待てよ…こいつ、最近どこかで見たぞ!」


その一言に、一同が一斉に驚く。

礼堂:「野田さん、本当ですか!?どこでですか!?」


野田は目を閉じ、記憶を手繰り寄せるようにしながら話し始める。



野田:「あっ、オフ会だ!確かにいたぞ、あいつ!」


再び、一同がズッコケる。

紗和:「もう、やだ〜野田っち!」


礼堂が呆れた様子で紗和に振る。

礼堂:「はぁ…紗和さん、話の続きお願いしますよ。」


礼堂に促され、紗和が続きを話そうとすると

野田が割って入り、、


野田:「紗和ちゃん話してばかりじゃ疲れちゃうだろうから、俺も手伝うよ。」

そう言いながら、今度は野田が語り始める。。。

野田:「俺達ジャンク・バスターズがさ、、、、



ーーーーーー回想ーーーーーーーーーーーーーーーー

ジャンク・バスターズ4年目(ボウ・紗和30才)


ジャンク・バスターズも結成から4年目となり、着実にファンを増やしたボウたちは、インディーズシーンでの人気をモノにし、ロックファンからも注目を集める存在となっていた。


そんなある日のこと、ジャンク・バスターズはスタジオ練習を終え、ボウと野田はいつもの居酒屋で飲んでいた。


ボウ:「いやぁ〜、俺たち、やっとスタート地点に立てたなぁ!」


野田:「だなぁ!ボウちゃん!」


ボウ:「でも、勝負はこれからだよ。」


野田:「あぁ、そうだな。それにしても、結成当初と比べたら見違えるようになったよな。」


ボウ:「まぁね。俺たち、ロックを追求しつつ、自分たちの色を消さないようにやれてると思うよ。」


野田:「それで十分だ!でもさ、あんまり根詰めすぎるなよ。ボウ。」


ボウ:「分かってるって。ただ、ファンのみんながノッてくれたり、アツく叫んでくれる姿を想像すると、自然と曲を書きたくなるんだよな。」


野田:「ライブはやっぱ最高だよな!ハハ!ボウちゃんには次の新曲も期待してるぜ!」


ボウ:「おぉ!任せてくれ!」


野田:「そういや、ボウちゃん。紗和ちゃんとはどうなんだ?」


ボウ:「紗和?元気だよ!今はライブハウスは辞めて、また会社員やってるんだ。でも、今の会社ではうまくやれてるみたい。もっと売れて、紗和が働かなくてもいいようにしたいとは思ったけど、なんか仕事自体は嫌いじゃないみたいだね。」


野田:「紗和ちゃんらしいな。たまにはライブにも顔出してほしいよな!」


ボウ:「まぁ、初期の頃の曲が好きらしくてさ。『昔の曲やるなら行く〜!』とか言ってたよ(笑)」


野田:「そりゃやらないとダメだろ!なぁ、ボウちゃん!」


ボウ:「そうだな(笑)」


その後もボウと野田の熱い話は続き、二人はすっかり飲み明かしたのだった。

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