ep.10『Creep』
その晩、夜魔に集合した礼堂と冬月。
冬月:「やっぱりさ、川端はジャンク・バスターズのファンってだけで、特に何かあるわけじゃないな。」
礼堂:「あぁ、、、、でも、ちょっと気になることがある。」
冬月:「気になること?なんだ?」
礼堂:「昨日尾行したとき、川端が電話で誰かに言ってたんだよ。『普通のオフ会だった』ってさ。何を求めてたのか。普通そんな言い方しないよな?」
冬月:「確かに、それはちょっと違和感あるな。」
礼堂:「そして、さらにおかしいのは、『野田さんのギターも聴けたし』って言ったことだ。ギター『も』って…普通はそれがメインだろ?だし他のファンともまともに交流してなかったぞ?」
冬月:「うーん、それ確かにおかしいな。ギターが『ついで』みたいに扱われてる感じだ。」
礼堂:「そうなんだよ。川端がジャンク・バスターズのファンなら、野田さんのギターこそ重要なポイントだろ。『も』って言い方が気になる。」
冬月:「なるほど…。何か隠してる可能性があるってことか。」
礼堂:「それもあるし、わざわざそんなことを言う理由がわからない。川端、なんか違和感があるんだよな。」
冬月:「まあ、今のところはその程度かもしれないけど、礼堂が言うように、何かあるのかもな。」
礼堂:「うん。ちょっと注意してみよう。川端の動き、今後も注視する価値はありそうだ。」
冬月:「わかった。今後の動きに注意して、また調べてみるか。」
礼堂:「そうだな。明日から少し情報を集めてみよう。何か新しい手がかりが見つかるかもしれない。」
冬月:「ああ、俺も何か掴みたい。」
二人はその日のうちに、川端についてさらに調べることを決め、夜魔の店を後にした。