表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

Re:1

ぷるるるる…



世界を彩る

音と光。



話し声

車のエンジン音

笑い声

街頭テレビ

怒鳴り声

信号機



着信音。




りりりりーん

着信です着信です

ユーガッタメール

とぅるるるるる


何だかよくわからないはやりの音楽。



様々な音を奏でる箱。

思いを電波に乗せ通信する




携帯電話。






黒い制服をまとう

今時珍しいくらい長く真っ直ぐな髪を

風に任せるように下ろした彼女。


彼女だって

彼女に想いを密かに寄せる僕だって

その世界を彩る音の発信源一つである携帯電話を所有している。



ひっそりと…

ポケットに忍ばせるようにして。




僕の携帯電話は

キノコマークの白い形。

周りの男子には女っぽいと

言われるがなかなか気に入っている。


彼女の携帯電話は

確か黒い色をしていた。


彼女らしい、なんの

飾りもない形。






休日の昼下がり。

僕は時間を持て余し、近くに通った

ファーストフード店にいた。



てきとうなものを注目し

ショウウィンドウの席に着き

ただ漠然と無機質な東京の街を見ていた。



彼女を見たのはその時だ。




高層ビルの下、交差点に入ろうとした彼女。

…が、携帯電話への着信に

足を止められているところを目撃したのだ。




休日だというのに

黒い制服を着た彼女は悠然としていた。




だから僕は無数の人混みの中から彼女を見つけられたのだ。



(…あ、渡らない……?…ああ、電話か…)



ふうん…

意外であった。



所有しているのだから勿論

使用するのであろうが

なんというか…



彼女があの箱型を耳に当てている姿など

想像できなかった。




(?……出ないのか…?…あ、怖い顔…嫌いな奴からなのかな…)



いつの間にか僕は、食事に手も着けず

彼女の行動に魅入っていた。



ただ単に

電話をするというだけの行為なのに。

読んでくださってありがとうございます。


今回の短編のテーマは

「携帯電話」と「恋心」です。


女子高生の私にとって

携帯電話は石のたからものみたいなものです。



あの頃は大切に大切に

磨きながら保管していた石達も

今ではただの石です。

あの頃はあんなに興奮したのに。


きっと携帯電話も

同じです。



今の私は

確かにこの機械を道標に生活しています。



しかしこの機械が

あの石達とおなじように

ただの機械に思う様になる頃、私が今の時代に感じている

甘く幼い恋心をどう思う様になるのだろう。



そんなことを思いながら書いた小説です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ