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・欲望の城と欲望の罪の王子

以前、俺はバーで大量の悪魔や地獄の魔物たちに殺された。アスモデウスがそこにはおらず、色欲の城にいることを知った後のことだった。


俺は目を開けた。すべてが始まったあの寝台に横たわりながら、小さくため息をつく。


起き上がり、背中を伸ばして服についた埃を払った。


「九回目の死か……」と、俺は再びいっぱいになった列を眺めながら考えた。そこにはミノスの代役が立っていた。


「三つの区域を通り抜けた意味がなかったな。まったく、クソみたいな旅だった。でも……仕方ないか」


俺は腕を組み、ミノスとエヴァンが到着して城へ向かえるようになるのを待った。


すると、近くに閃光が走り、そこに地獄のポータルが開いた。


現れたのはミノスだった。優雅なビジネスジャケットを着こなし、眼鏡の奥にはいつもの目の下のクマが見えていた。


その後ろからエヴァンジェリンも現れた。酒を一口飲んだかと思うと、どこか適当な方向へグラスを放り投げた。


俺は二人の少女に近づいた。


「なあ? ポータルなんてあったのか? なんで教えてくれなかったんだよ? 知ってたら、かなり楽できたのに」


そう言いながら、俺は頭をかいた。


「このポータルは悪魔しか使えないの。人間は無理よ」


ミノスは髪のリボンを整えながら答えた。


「じゃあ、人間がポータルを通ったらどうなるんだ?」


俺は尋ねた。


「人間がポータルを通ると、単純に消滅するわ。それだけよ……」


「オーケー……って、そんなことはどうでもいい!」


俺は声を抑えながら叫び、彼女にさらに近づいた。


「重要なのは、アスモデウスの城に行かなきゃならないってことだ!」


「ところで、途中に危険な場所とか、通らなきゃいけない区域はあるのか?」


ミノスは考え込むように顎に手を当てた。その間、彼女の尻尾が床を軽く叩いていた。


そして、彼女が口を開こうとした、そのとき……。


「道中に危険はないわ」


エヴァンがミノスの前に立ち、彼女の言葉を遮って答えた。


「危険なのは城の衛兵だけ。そいつらは――」


「アッ!」


エヴァンが苦痛の声を上げた。ミノスの尻尾が彼女の腰を締めつけ、そのまま横へ引っ張ったのだ。


「さっきも言ったでしょう。城の衛兵はサキュバス、インキュバス、それから下級と中級の悪魔よ」


ミノスはそう言いながら、エヴァンを横に放した。彼女はそのまま床に倒れた。


俺は髪を整え、ほっと小さく息を吐いた。


「オーケー。時間を無駄にするのはやめよう。さっさと行くぞ!」


……


俺たち三人は丘の上に身を隠し、色欲の城を眺めていた。


それは、暗く荒々しい、不毛な石で造られた壮大な城だった。古びた石の上には、輝く黄金や歪んだ鏡、豪華な赤いカーテンがあしらわれていた。


ねじれた柱は、天井へと這い上がる蛇のようだった。尖ったアーチは、まるで爪や牙を思わせる形をしていた。


城の最上部には、アスモデウスの罪を象徴する紋章があった。


それは細い線や円、矢じりを組み合わせて抽象的な王冠を形作った、幾何学的な紋章だった。


周囲ではサキュバスたちが集団で巡回していた。上空からはインキュバスたちが見張り、ほかにもあちこちに悪魔の姿があった。


「うーん、ここからじゃよく見えないな。あれは……サキュバスか? それともインキュバス? 見分けがつかない」


隣にいたミノスが眼鏡を外し、俺に手渡した。


「これを使いなさい。遠くのものがよく見えるようになるわ。信じて」


俺は眼鏡を受け取り、じっくりと調べた。


「本当にこれで見えるようになるのか、ミノス? どう見ても普通の眼鏡なんだけど」


そう言って、俺は眼鏡をかけた。


「別に何も変わらな……うおおおっ! マジかよ!」


まるでズーム機能を使っているかのようだった。


城の細部まで、豪華な装飾の一つひとつがはっきりと見える。


「これはすごい! 全部よく見える……すごくよく見えるぞ!」


俺はそう言いながら、一人のサキュバスの胸を細部までじっくりと観察し、何カップなのかを分析していた。


バシッ!


「イタッ!」


ミノスが俺の後頭部を手で叩いたのだ。


「ちゃんと集中しなさい、この変態。私たちはそんなものを見に来たんじゃないのよ」


「オーケー、オーケー。じゃあ、何か作戦はあるのか?」


俺は後頭部をさすりながら言った。


「ステルスなんて必要ないわ!」


エヴァンジェリンが叫び、サキュバス激怒モードを発動させた。


「あなたたちにひどい扱いをされるのはもううんざり! 今度は私が誰かにひどいことをしてやる番よ!」


「それで、どうやるんだ?」


俺は尋ねた。


ミノスとエヴァンが俺に笑いかけた。


「……これは絶対にろくなことにならない」


……


ドゴォォォン!


爆発によって城の扉が粉々に吹き飛び、何人もの衛兵が左右へと弾き飛ばされた。


「こんなことをしろって意味じゃなかったんだけど! まあ、これはこれでいいか!」


俺は叫びながら、走るミノスの背中にしがみついていた。エヴァンはいつもどおり、彼女の尻尾に乗っていた。


「侵入者よ! 殺しなさい!」


一人のサキュバスが叫んだ。


すると、何百ものサキュバスとインキュバスが槍や鞭を手に、俺たちへと襲いかかってきた。


ミノスは槍や鞭を軽やかにかわしながら、エヴァンジェリンを棍棒代わりに使って敵をなぎ倒していた。


またかよ!


俺たちは廊下の突き当たりに到着した。そこには二つの道があった。


左側からは、さらに多くの衛兵が近づいてくる音が聞こえた。


一方、右側からは、強烈なフェロモンとホルモンの気配が漂い、その匂いまで感じられた。


「STK、右へ行きなさい。そこを進めば、アスモデウスがいる玉座の間に着くわ。エヴァンと私は左側を引き受ける」


ミノスはそう言い、俺は彼女の背中から降りた。


「幸運を祈るわ、STK。あなたには必要でしょうね」


エヴァンが俺を励ました。


そして、二人の少女は左側へと走り去り、俺は一人取り残された。


「よし、STK。死ぬなよ。お前ならできる。相手はただの色欲の罪だ……」


俺は自分自身を励ました。


その区域を歩いていると、ホルモンに満ちた空気のせいで顔が赤くなり、軽い頭痛までしてきた。


さらに、近くの壁が遠くから見たときの印象とは違うことにも気づいた。


壁は黒ずんだ人間の皮膚のように見え、そこに走るひび割れは、まるで深い傷口のようだった。


俺は絵画を眺めた。


そこにはアニメのような絵柄で、雄牛(力)、王冠をかぶった男(傲慢)、そして雄羊(色欲)が描かれていた。


背筋に悪寒が走った。


まるで、そいつらが俺を見つめているかのようだった……。


俺を、見定めているかのように。


いや、待て。


これはハーレムものであって、ホラーじゃないだろ。


そして、ついに俺は玉座の間の扉へとたどり着いた。


扉を開けた瞬間、フェロモンとホルモンの波が押し寄せ、俺の五感すべてを一気に包み込んだ。


というか、俺のエクスカリバーが目覚めそうな気さえした。


だが、頑張れ、STK!


肉体は弱くても、精神は強い……はずだ。


中へ入ると、床は細かな砂で覆われていた。


壁には七つのくぼんだアーチが並び、その内部には七体の像が立っていた。青い炎を灯した松明が、それらを照らしていた。


黒い大理石の玉座に目を向けたとき、ついに俺は彼女を見つけた。


数人のサキュバスの愛妾たちに囲まれ、そこに座っていたのは……。


アスモデウス(色欲)。


【システム:


第二の悪魔を発見。


アスモデウス――色欲を司る女王にして、七つの大罪の一柱。


絆、情熱、執着の王子。


難易度:中級。】


彼女の姿勢からは、絶対的な自信が感じられた。


上流社会の洗練された雰囲気と、その奥に潜む危険なまでの色気が見事に融合していた。


彼女の髪は短く、真夜中のような黒色をしていた。そこには深紅のメッシュ、あるいは濃いクリムゾンレッドのグラデーションが入っていた。


現代的で、質感のある髪型。少し乱れているのに優雅さを失わず、整った鋭い顔立ちを美しく引き立てていた。


だが、何よりも目を引いたのは、間違いなく彼女の瞳だった……。


燃える炎のような、鮮烈な赤い瞳。


片方の瞳孔は、完璧なハートの形をしていた。


しかし、もう片方は違った。


壊れ、砕け散ったハートの形をしていたのだ。


まるで、その瞳だけが光を失ってしまったかのように。


彼女の角は短く、控えめで優雅だった。額の上から後方へと、繊細な曲線を描きながら伸びていた。


その色は黒檀のような漆黒で、先端は深紅に染まっていた。


さらに、細くしなやかな長い尻尾があり、その先端はハートの形をしていた。


服装について言えば、彼女は地獄のオートクチュールによる、洗練された眩いばかりのドレスを身にまとっていた。


それは体にぴったりと沿う黒いベルベットのイブニングドレスで、計算されたスリットと深紅のシルクの装飾が施され、青白い肌との鮮やかなコントラストを生み出していた。


そのデザインは、上流階級の豪華な舞踏会にふさわしい格式の高さと、常識に挑むような控えめな挑発性を絶妙に両立させていた。


アスモデウスは俺の存在に気づいた。


そして、ハートの形をした普通のほうの瞳で俺を見つめた。


その瞳が、ゆっくりと輝き始める……。

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