表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
FLARE GUARDIANS  作者: 睦月火蓮
PART.6
92/108

Episode.77 連れ去られた者

奴が出てきた時。目を疑った。

武器はいつかの剣ではなくて、槍を構えていた。さすがにその程度のことでは驚かない。


奴は…。

『血だらけになったヒカルジとャーナリを、引きずっていた』ことに、驚いた。


ヴァンフェーニ(俺様言ってる方)「…クソッ、これだから嫌いなんだよ…ガキは。つーかせっかく俺様が『石』あげてやったのに…あーあ、勿体ねぇの…」


完全に二人を物扱いし、俺達の方へ投げつけた。

…幸い、息はあるらしい。だが安心できない、すぐに手当てしないと…。


ヴァンフェーニ「ん?…あん時のガキかよ。チッ。あん時手加減なんてせずさっさと潰しときゃ良かったな…」


撫子「…貴方…なんてことを…!」


夜咲「…君だったのか、チーム・PJに、あの石を渡したのは…」


ヴァンフェーニ「あん?」


理事長と旭ヶ原先生。二人を見た途端、ヴァンフェーニは…


ヴァンフェーニ「…ふ、ふはははは…あっははははは…

 あっははははははははははははははははははははッ!!!!

 そうだそうだ、あっははは…アンタらだったよなぁ?あの娘の『前の表面上の両親』っての」


狂ったかのように笑い出したかと思えば、何かを言いだした。

…前の、表面上の両親?


ヴァンフェーニ「そうそう…俺様がまだ目覚める頃だったな、おかげであんの小僧の記憶はぜーんぶ俺様の中にもある。んでなんだっけなあ…?」


桃千「…それ以上…喋らないでくれるかな!」


桜花「アンタに言われる筋合いはないんや!」


先輩達がヴァンフェーニに向かって攻撃を仕掛ける。


ヴァンフェーニ「ははっ。なんだよ、聞きたくないってか?」


アイツは嘲笑いながら…先輩達を、倒していった。

次々に、傷だらけになっていく。


ブラッド『や、やめて…もうやめてよ!!』


さっきの窓じゃない…。どこからか聞こえる。


ヴァンフェーニ「…テメェは黙ってろ。そっから出られないのに偉そうな口叩いてんじゃねぇよ…」


ペンダントのようなものを出すと、そう答える。

…まさか、あの中にブラッドが…。


ヴァンフェーニ「テメェは一生…そこに閉じこもってな」


パキッ、と嫌な音がした。


ブラッド『うわぁあああああああああああッ!!!』


バトラ「ブラッド様!?…それを離しなさい!!」


ヴァンフェーニ「…あ?」


バトラはナイフを構え、あのペンダントを取ろうとした。だが…


メード「…バ、トラ…?」


ヴァンフェーニ「…ザマァねえな」


あいつは、何の躊躇もなく…槍をバトラの腕に刺した。

そして、床に押し付けた。


ヴァンフェーニ「けっ、たかが使用人のくせに…しつけがなってねえなぁ?」


ブラッド『バトラは…バトラは使用人じゃない!僕の家族なんだ!』


ヴァンフェーニ「うるせぇな…。…なんか腹立つ連中だな、クソッ」


バトラ「っ…!」


頭をずっと踏みつけ、さらに傷口を槍で抉る。

こんなの…黙ってみていられるかよ…。


夕陽「…この、…!」


ラトナ「おい夕陽!?」


暁美「兄ちゃんダメーッ!!」


ヴァンフェーニ「…フン。自分からやられにきてくれて、手間が省けるもんだ」


敵わないなんてことわかってる。だけど、ここまで非道なことをしておいて…!


ブラッド『や、…やめてよぉおおおおおおーっ!!!』






































『──伏せろ、夕陽の坊や!!』


ヴァンフェーニ「ッ!」


夕陽「っ!?」


誰かに『蹴飛ばされ』元の場所に戻された。


暁美「にっ…兄ちゃんお帰り!?」


ヴァンフェーニ「ッ…うわぁああああああああッ…!!!」


何故アイツが叫びだしたのか。すぐには理解できなかった。

その理由は…


鬼蓮「これ以上俺のご主人を悲しませんなこの裏野郎!!」


ただ、鬼蓮がヴァンフェーニに『抱きついている』ようにしか見えないからだ。


ヴァンフェーニ「このっ…放せ影がッ!」


鬼蓮「チッ!」


振り払われ、鬼蓮は猫のように跳躍し俺達の前に立つ。

ヴァンフェニーは…どこか、弱ったように見える。


ヴァンフェーニ「…『エナジードレイン』……か…」


エナジードレイン…。どこかで、聞いた覚えがある。

…確か、相手の生命力を吸い取って、自分のものにする、だったか…。


ヴァンフェーニ「…チッ、計算に誤差が生じた…。なら…」


指を鳴らすと、アイツは消えた。

月火も…連れ去って。



『悔しかったら…黄昏の城に来いよ。そこで決着をつけてやる』


その声が…酷く響いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ