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FLARE GUARDIANS  作者: 睦月火蓮
PART.6
88/108

Episode.73 裏世界

(夕陽side)


「…君、大丈夫…?」


物凄く弱々しい声。

もしかしたら、俺よりもずっと幼いのかもしれない…ひどく幼い声。

だが、目を開けて驚いた。


夕陽「お前は…ヴァンフェーニ…!?」


ブラット「……うん。そうだよ…」


…だが、よく見ると違う。

あの時俺は意識が薄れていたが、アイツの顔は見えていた。鋭く光る赤い眼に、黒に銀が混じった髪。

だが俺の前にいるのは…弱々しい、今にも消えてしまいそうな赤い眼と、黒みのかかった銀の髪。

同じに見えるが…全くの別人に見える。


「あいったたたたたた…」


「…ん?なんだここ」


…どうやら他の皆もここにいるみたいだ。

?…ヴァンフェーニはどこに…?


ラトナ「…あっ」


夕陽「どうした、ラト…」


目線を追ってみると、ヴァンフェーニは今いる部屋の壁際に体育座りをして、顔を埋めていた。


ブラッド「…」


ラトナ「お、おい…?」


ブレイズ「…彼は、確かあの屋敷で…」


ブラッド「ごめんなさい」


ブレイズ「…?」


ブラッド「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」


彼は、泣きながら謝ってきた。


…外見の年齢は俺達とあまり変わらないのに…。

もしかしたら、精神年齢は――ずっと、幼いんじゃ…?

------------------------

…流石、兄姉といったところか。

リューとアーネによって、ヴァンフェーニは一応泣きやんだ。


ブラッド「…こうなったのも、全部…僕のせいなんだ…全部…」


アーネ「…どうして、そう思うのですか?」


ブラッド「……向こうの、僕が…そう、言ったんだ…。

 『黒き悪夢の本、魔道書【ナイトメア】に触れなければ良かったね』…って」


リュー「…魔道書【ナイトメア】…!?」


夕陽「何か知ってるのか、リュー」


リュー「…知ってるも何も、最悪だよ。思い出すのさえ、本当に吐き気がするぐらい。

 まさか…ここにまで絡んでるなんて、…俺も相当、だな…」


今まで…こんなリューの顔は見たことがない。

本当に嫌そうな、憎そうな…嫌悪感に満ちた顔。

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