Episode.71 相談
今朝。不思議な夢を見た。
どこかで見たことのある男の子が、一生懸命私に伝えてきた。
『僕から、逃げて』『僕を、助けて』
なんだかよく分からないけれど…覚えてるのはその二つだけ。
さてさて…皆のいるルームFに行かないとな。
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(夕陽side)
俺は朝早くからある場所に向かっていた。
普段俺が足を全く運ばない場所。武道場だ。
夕陽「ラトナ、ブレイズ、リュー。話したいことがある」
この時間帯、よくラトナとブレイズが組み手等をしていて、リューがその審判役をしている。
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ラトナ「…相談?」
夕陽「ああ」
リュー「君の方が誰かに相談っていうのは珍しいね」
ブレイズ「それで、相談って?」
夕陽「自分のことなのに、自分でもよく分からないんだが…」
ラトナ「…あのさ、一つ聞いていいか。なんで正座?」
夕陽「何となくだ」
ラトナ「…武道場での正座って…」
夕陽「それで、話してもいいか」
ラトナ「お、おう」
夕陽「……。月火が来てから色々変われたと思う。礼を言っても、言葉じゃ足りないぐらいだ。
本当に恩義を感じている。…本当にここ最近、月火といれて楽しいと、もっと一緒にいたいと、思う。
…この感情は何なのか全く分からない」
リュー「…」
ブレイズ「…」
ラトナ「……ぷっ…」
夕陽「な、何かおかしい…か?」
ラトナ「いや…ようそこまで行って気付かないなって思ってよ…。あっはははははははははははっ!!」
何故ラトナがこんなにも失笑しているのか、俺には分からない。
ただ、戸惑うだけだった。
それから数分ぐらいして…
ラトナ「あー、腹痛ぇよ…」
ブレイズ「君も黒いねラトナ…」
リュー「というより、吹っ切れた…かな」
ラトナ「よし。率直に話してやろう。夕陽、そりゃ蓮花に恋してんだよお前」
夕陽「……こ、い…?」
ラトナ「おう。
…つーかよく真顔であの台詞言えたな。ポーカーフェイスにも程があるだろ。逆に凄いな」
リュー「うーん、君は気付いてなかったけれど、話してる時の夕陽の目が一瞬輝いてたよ。
0.1秒ぐらい」
ラトナ「本当に一瞬じゃねぇかよ」
夕陽「……恋…」
ブレイズ「夕陽は周りには鋭くても、自分のことには鈍いね」
夕陽「…じゃあ、その、恋ってのも説明してくれ」
ラトナ「…は?」
筆記の際は作者のスッゲーニヤニヤ回。
「いやー、夕陽いじりは楽しいね(笑)」