Episode.36 全員との合流
「…久々に『これ』使ったけど、思ったより腕は鈍ってないな」
鬼蓮「………」
砂煙が収まってくると、次第に姿が見えてきた。
片足を蹴り上げた状態のドーラン独特の民族衣装に身を包んだ少女。
その少女と背を合わせた、黒い剣を左手に持って構えた少年。
ラトナ「…シャナ、リュー…?」
鬼蓮「随分と騒がしいご登場だな。格闘少女と飄々君」
ふと二人の後ろ。つまり扉の外にいる紅玉リーダーの背にはぐったりとした我が主様の姿。
夕陽「…月火!」
リュー「安心してよ。ちょっと眠ってるだけだから」
…何か違和感があるな。いや、気のせいか?
鬼蓮「…とにかく、今はこの場を離れるのが先だ」
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茜「また派手にやったねー鬼蓮ちゃん」
鬼蓮「うっせぇ。俺に死は無いんだから一々気にしてられるか」
茜「どーして蓮花ちゃんトコの式神はこうも自己犠牲にしてまで主守ろうとするのかなー?」
鬼蓮「知らん。それより他の連中手当てしな、俺は放っときゃ治る」
ベッドに寝かされてる蓮花は、俺が影に戻って眠っとけば回復力は上が…
と、思ったら腕を掴まれた。
茜「ま~ち~な~さ~い~。夕陽君達から聞いたら腕一回取れたらしいから治療させなさーい!」
鬼蓮「は!?ちょちょちょ俺は影の中引っ込んでれば自動的に全快だっての…」
茜「問答無用ー!」
鬼蓮「退散!」
一目散に影に逃げた。
…余計な御世話だっての…。