Episode.35 ヒナとカイ
(鬼蓮side)
俺達は蓮花のいる場所に向かう前に、他の部屋に向かった。
もしかしたら…。
「──もー!あのメガネやろーっ!!今度会ったらただじゃおかないんだからー!!覚えてなさーい!!」
「ちょ、落ち着けって…」
「はーぁ!?これが落ち着いてられないわよ!!キーィッ!!!」
夕陽「…この声は…」
ラトナ「…あー…間違いねぇ。明らかにヒナとカイだ」
ブレイズ「たぶん、右の部屋からだと思う」
鬼蓮「まぁ…騒がし過ぎてなんだかありがたいな」
とにかく、何かされたことがよく分かりやすいな。
とりあえず俺達が部屋を出て右隣の部屋に行った。
…案の定、ツンデレ娘に抱えられた瀕死に近い残念少年。それも二人とも檻に閉じ込められているらしい。
鬼蓮「まったく…いったい何をして…」
カイ「…あっ!待て!それに触れ──」
遅かった。
檻の格子に触れた途端。指先から電流のようなものが流れた。
鬼蓮「いっ…!?」
反射的に離れた。指は火傷…いや、一瞬焦げていた。
だが前回同様にすぐに回復した。
…今のは…。
ヒナ「何か知らないけど触ったら魔力奪われるのよ。それでカイがこうなったわけ。
で、とりあえず助けなさい」
ラトナ「いや無理だろ普通に!?死ねと!?」
ヒナ「えっとねぇ…うーん。マジでどうすんのよ。カイ」
カイ「…俺に聞くなって…」
人間である残念少年が瀕死に近い状態。…ほぼ霊力で生きている俺にとって、「もっかい死んでこい」みたいなことを言われているような感じだな。
…ん?
…タッタッタと軽快な音。の、直後に…
「…日向流武道『疾風蹴』!!」
バキッ!という音がして勢いよく扉が吹っ飛ぶ。その時生じた風圧のせいで塵や埃が舞い上がった。
微かに何かが…空を切るような音が聞こえた。




