Episode.21 完全復活?
旭「蓮花ちゃんおかえりだね」
蓮花「おー…」
…ふぅ、久々の蓮花ちゃんだぜー。
つーか何が起きたのか全然覚えてないんだけど。
いやそれよりもさー…
蓮花「…あのー、ルルさーん?
なんで私をぬぐるみみたいに膝に乗せて抱きしめてるんですー?」
ルル「可愛いから」(キリッ)
夕陽「…何故そこでキメ顔なんだ。早くおろしてやれ」
ルル「えー…しょうがないな」
…まったくこの人は。
しかし何だろうかこのデジャヴ感は…
(…先輩、いい加減下ろしてください)
(えーヤダ)
…なんだ今の。…ん?
誰か来たみたいだな。
「ちーっす!元気にしてたか!」
「…」
…誰だよ。いやていうか…
蓮花「…近いんスげど」
「おー、君が噂の転入生かー。彼に色々聞いたからだいたいの事情は知ってるぞー
あ、言っておくけどこっちの彼じゃないから」
…何が言いたいのか全然わからん。
あと肩バシバシ叩かないでくれ。
蓮花「…そろそろ人の肩叩くの止めてくれません?シャナ・ベルメリオさん」
「あ、やっぱり知ってたか?」
シャナ・ベルメリオ。
一年前から別の地へ修行に出ていた為、唯一被害を受けなかったフレアガーディアンズ隊員。
彼女は一言…格闘少女。としか言い様がない。
シャナ「で、蓮花ちゃん」
蓮花「何ですか」
シャナ「彼、何か用があるみたいだぞ?」
彼。というのは…
ヒカルのことである。…何か足りない気がする。
…まてよ、嫌な予感が…。
ラトナ「…ああ、こないだの女々しい奴か」
ブレイズ「…不思議と否定出来ない」
ラトナ「うるせえ」
蓮花「…あっ!?
い、今のヒカルにそんなこと言ったら…!!」
ラトナ「え?」
ヒカル「…あ?」
ラトナ「うおっ!?」
シャナ「!」
突然。
ヒカルはラトナの胸ぐらを掴み掛かる。
ヒカル「…誰が女々しい奴だ?」
蓮花「オーマイガーッ!」
なんか足りないと思ったら案の定眼鏡がない!!
誰だよヒカルの眼鏡取ったのは!
蓮花「ヒ、ヒカルストップストーップ!!」
ヒカル「!」
ぱっとすぐにラトナから手を離す。
蓮花「よーしよしよし…」
ヒカルの髪がグッシャグシャになるぐらいに頭をひたすら撫でる。
ヒカル「…犬か俺は」
蓮花「で、落ち着いたか」
ヒカル「…」
よし、一応落ち着いたな。
夕陽「…月火、どういうことだ」
蓮花「…いや、ねぇ…その、眼鏡が…」
夕陽「…?」
昔からヒカルは全体的に女々しい。
…が、ある出来事が切っ掛けで眼鏡が外れるとどうも性格が荒々しくなる。
まあそれでも私の言葉には反応してくれるようだからまだ良いが。
ヒカル「…蓮花、蓮花」
蓮花「ん?」
…気のせいだろうか。ヒカルの顔が青ざめて見えるのは。
旭「気のせいじゃないよ蓮花ちゃん」
蓮花「そうなのか…」
パッと私の目の前に一枚の写真を見せる。
…こ、この写真は…。
蓮花「…」(白目)
夕陽「?どうし…うわっ!?」
…ハッ。
こ、これはマズイな…
蓮花「…あー、え、えっと…きゅ、急用を思い出したー…」
夕陽「え?あ、お…」
咄嗟にヒカルの腕を掴んで部屋を出て行った。
…なんか、いつもより重い気がするがそれどころじゃない。
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(ヒカルside)
…蓮花。俺置いてってるぞ。
俺じゃない別の少年連れてって…
ルル「ユウヒ連れてどこ行くんだろー」
あいつユウヒっていうのか。
…さてと、俺もさっさと…
「おい待て」
ヒカル「…?」
振り返ろうとしたが、その前に目の前が急に…
ヒカル「…!?」
あ、あわわわわ…ぼ、僕はまた…!
ヒカル「あわわわわ…」
ラトナ「?」
シャナ「君のだろ、その眼鏡。
いや悪い悪い。急にぶつかってしまって」
ヒカル「えっ…あの…その…
──ご、ごめんなさぁああああいッ!!!」
僕は一目散にそこから逃げ出した。
シャナ「…?
不思議な少年だったな」
ラトナ「…そうか…?」