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第2話    半獣の村

たまに、エロ描写入ります。

「う・・・あ・・・あれ。」


気が付くと、僕は何も無い荒れた場所に居た。

周りには、男からもらった物が散らばっていた。

あれは、本当の出来事だったんだ・・・


「リリア?・・・リリアーっ!!!」


ご主人様の名前を呼ぶ。

だが、この荒野には、人はおろか、動物や植物も無い。

ただ、僕の声が、むなしく響くだけだ。


「わおぉぉおおおおおおおんっ!!!」


大きな声で呼んでみる。返事は無い。

こんな事なら、ご主人様のところに送ってもらえるように頼めばよかった。


「でも、僕生きてる!また会えるんだ。ご主人様を探そう!」


そう思うと、何だか元気が湧いてきた。よぅしっ!



しかし・・・



「・・・はっ、はっ・・・のどかわいた・・・おなか、すいた・・・。」



30分ほど歩いたが、何も見えてこない。

それに、この体はどうなっているんだろう。

僕の体から、水がどんどん出てくる。

必死に、舌を出して、体温を下げようとするが、あまり意味が無い。

このままじゃ、死んじゃう。ご主人様に会えなくなる。

折角、生き返らせてもらったのに・・・!



「ぐごぁぁぁ!がるぁぁぁ!!!」


「ひっ・・・!?」


遠くから、嫌な声が聞こえた。

これは、僕を殺した奴と同じ声・・・!?

うぁ・・・いやだ、死にたくない!!!


「ぐぅぅ・・・がぅっ!!!」「ぎゃうぎゃう!」「ごがぁぁぁ!!!」


次々と黒い魔物が現れ、僕を取り囲んだ。

やっぱりこいつだ・・・!食べられちゃうっ・・・!!!


全部で10匹ほどの群れだ。

たぶん、僕の遠吠えを聞いて集まってきたんだろう。

そして僕の匂いをたどって・・・!


「そ、そうだっ武器っ!」


懐から、万能魔銃、アンなんとかを取り出す。

かちゃかちゃと触ってみたり、かじってみた。

どうしよう、使い方が分からないよ!!!


「ぐあるるぁぁぁぁぁ!!!!」

「や、やだっ!やめてぇっ!!!」


ご主人様・・・一目でも見たかったな・・・




・・・あれ?痛くない。

もう死んじゃったのかな、僕。


恐る恐る目を開けると、横に、黒い魔物の死体が。


「いぃっ!?」


「大丈夫か?少年。」


目の前に、犬が立ってた。・・・え?犬って立てるの?

もっと上を見ると、人間の顔があった。

半分犬で、半分人間。なんだか、不思議だ。


「はぁっ!!!」


その人(?)は、手に持っているもので、魔物を次々と倒していく。

そして、7匹くらい倒したところで、残りの奴らは、諦めて逃げていった。

僕は、安心して、体から力が抜けていった。


「お、おい、大丈夫か!?」


僕は、そのまま気を失った。





目覚めると、僕は、葉っぱのベッドに横になっていた。

辺りをきょろきょろと見回す。家の中?



「あぁ、目が覚めたか。良かった。」


「・・・あ!半分犬のおじさん!」


現れたのは、魔物から僕を助けてくれた人だった。

・・・でも、まだ信用は出来ない。

くんくんと、その人の匂いをかぐ。


「なんだ。人間の癖に、犬みたいな奴だな。」


ん?あぁ、そうか。僕はいま人間なのか。


「ほら、お腹が空いているだろう?このスープを飲むといい。」

「っ!!!」


お腹が空いていた僕は、もらったスープを、舌でぴちゃぴちゃと飲んだ。


「はははっ、本当に犬みたいな奴だな!」

「・・・ふぅ、ありがとう、おじさん。おいしかったよ。」


お腹がいっぱいになったので、僕は、ベッドに顔や背中をすりすりと、擦り付けた。


「・・・気に入ったっ!」

「え?」

「俺は、お前のことが気に入った!」

「あ、ありがとう・・・」


よく分からないが、気に入られた。


「少年。お前の名前は何だ?」

「僕の名前は、レオンだよ。」

「レオンか。いい名前だ。」

「ありがとう!ご主人様からもらった、大切な名前なんだっ!」

「・・・ご主人様?」


おじさんの顔が、暗くなった。


「レオン。お前、俺の体を見て、どう思った?」

「え?ちょっと変わってるとは思うけど・・・別になんとも思わないよ?」

「・・・?そうか。」

「え?なんで?」

「いや、お前が、奴隷だったんじゃないかと思ってな。」

「奴隷?」

「あぁ、人間たちは、同じ人間や、俺みたいな半獣を捕まえて、無理矢理働かせたり、売り物にしたりするんだ。」

「へぇー」


僕は、別にご主人様に働かされたことは無いから・・・


「じゃあ、僕、奴隷じゃないや。」

「そうか。不思議なやつだなお前は。普通の人間は、俺たちの姿を見る度、石を投げつけたり、軽蔑したような目で見てくるもんなんだが。」


「そうなの?人間ってひどいね。」

「はははっ、お前も人間だろう?」

「あ、そっか。」

「ははっ。それで、レオンはどこから来たんだ?」

「どこから?・・・うぅん、分かんないや。」

「記憶が無いのか?」

「えぇとね、お花がいっぱい咲いてて、大きな森があって・・・」

「・・・まぁとにかく、しばらく、この村に留まるといい。」

「でも僕、早くご主人様に会いたいんだ!」

「どの道、今のお前では、旅は無理だろう。付いて来い。長に挨拶に行くぞ。」


まだ、会えないのか・・・


僕は、ちょっとがっかりしながら、おじさんについて行く。


「昨日助けた人間を連れてまいりました。」

「おぉ、バルク。その子が?」

「はい。見たところ、12歳くらいかと。」


このおじさん、バルクって名前なんだ・・・


「おいおい、この前の奴みたいに、暴れたりしないだろうな!」

「わかんないぜ?なんせ、人間だからな。」

「村から追い出せ!!!」


周りが、がやがやしている。


「みんな、聞いてくれ。」


バルクさんが、みんなに呼びかけた。


「たしかに、この子は人間だ、だが、俺の体を見ても、嫌な顔一つしなかった。この子は、大丈夫だ。俺が保障する!」


「どうだか・・・」「演技してるのかもしれないぜ・・・」


ぶつぶつと言う人もいるが、とりあえず、収まったようだ。


「おぬし、名前は、なんというんじゃ?」

「僕の名前は、レオンです。助けてくれてありがとうございます。」

「ほほぅ、礼儀正しい子じゃのう。本当に、わしらの姿を見てもなんとも思わないのか?」

「はい。」


そう言って、僕は四つんばいで、村長に近づいていった。


「そ、村長!」

「大丈夫じゃ。」


そして、挨拶のしるしに、村長の匂いをかいだ。


「・・・え?」「なんだあれ、本当に人間か?」


「ほっほっほ!おぬし、犬にでも育てられたか!?」


村長は、大笑いしている。


「みなの者、これで分かったじゃろう?こやつは、大丈夫じゃ。この間の人間のように、暴れたりはせんじゃろう!よって、この者が村に滞在するのを許可しよう!分かったら解散じゃ!バルク、その子を頼んだぞ!」


村長は、そのまま、家の中に入っていった。

良かった、気に入られたようだ。


「ねぇねぇ、君?」

「・・・?」


半分犬のおねえさん達に話しかけられた。


「さっき、四つんばいで歩いてたけど、本当に人間?」

「はい!今は人間です!」

「今は、って何?君、面白いわね!」


あははは、と、おねえさん達が笑う。


「ねぇねぇ、あたし家から持ってきたんだけど、これ着けてみて!」


おねえさんは、犬の耳みたいなものが付いたフードをくれた。

僕は、それをありがたく受け取り、被ってみた。


「きゃーっ!かわいいー!!!」

「ほんとほんと!」

「似合うねーっ」


おねえさんたちに抱きしめられたり、頭を撫でられる。

うぅ・・・なんだか、興奮してきた。


「ん・・・?あれ、君もしかして・・・」

「うぅぅ・・・」


は、恥ずかしい・・・。


「私達に発情してるの?」

「っ!・・・はい。」

「本当に君、人間?珍しいねー。」

「ごめんなさい・・・」

「いいのいいの。」


うぅ・・・あの男のせいだ。

やっぱり、僕の生殖能力は、高くなっているらしい。


「レオン!何をしている?おいで。」


バルクさんに呼ばれた。


「じゃ、じゃあねっ!」


おねえさん達から離れる。


「ほんと可愛い・・・」「またねーっ!」


・・・そうか、僕、美少年ってやつなのか。神様が言ってたな。

モテるっていうのも悪くないな・・・


「おぅ、レオン。その格好、似合ってるぞ。」

「ありがとう。」

「さて、今日からここが、君の家だ。俺のことを、父親だと思ってくれていいぞ!」

「うん!」


「それで、レオンは、どうしたいんだ?やっぱり、自分が住んでいたところに帰りたいか?」

「・・・うん。」


僕は、早くご主人様に会いたい。そして・・・け、結婚・・・


「なら、強くならないとダメだな。」

「なんで?」

「村の外には、魔物がたくさん居るからな。君を襲ったのは、ブラックウルフって奴だ。そういう奴等から、自分の身を守れるようにしなければならない。分かるな?」

「うん。」


「だから俺が、お前を強くしてやろう!」

「ほんとに!?」

「あぁ、これでも村を守る戦士だからな!」

「ありがとう!僕、頑張るよ!」



早く強くなって、ご主人様に会いに行くんだっ!!!



僕の、この村での生活が始まった。






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