フリエム家
オルティース家から少し離れた王都の中心に
オルティース家の倍はある大きな家があった。
その家はフリエム家であり塀で周りを
囲んでおり大きな門が正面についていた。
堅牢な石造りで、何世代も続いている家のようで
とても近づきづらい威圧感のある邸宅だった。
その家の中の一室で話している者がいた。
「ルーカスはまだ帰ってこないのか。」
「はい。前線で敵国の動きがあったようで
帰還することが難しいと連絡がありました。」
大きく高価な椅子に座っている男性はそれを聞き
苦悶の表情になっていた。
この男性こそフリエム家の現当主であり
ルーカスの父親であった。彼はアーロン・フリエム。
彼はなかなか自分の思っている通りに事が
進まず苛立っていた。
「オルティース家から何か連絡はあったか。」
「はい。アナベラ様とルーカス様の顔合わせは
いつになるのかと。」
男性はそれを聞かれるのを分かっていたようで
どう答えるかを悩んでいた。
しかし言い訳をしても相手にはすぐばれるだろう。
一応相手も能師の家系のためそれなりの情報は持っているだろう。
「率直にまだ帰ってきていないと答えておけ。」
「それでよろしいのですか。」
「オルティース家もご予定などあると思いますので
日にちなどお伝えした方が」
使用人が言い切る前にアーロンは言い返した。
「あいつがすぐに帰ってくると思うか」
「それに相手も能師だ。ある程度こちらのことも調べている。」
聞いた使用人は何も言い返すことはできなかった。
アーロンは彼の様子を見てすぐにわかり肯定を促した。
「お前もそう思うだろう。」
「だから、オルティース家にはそれだけ
伝えておけ。」
「了解しました。」
そう言ってか使用人は一礼をして出て行った。
フリエム家の当主は大きなため息をした。
「あの娘早くこの家に迎えなければ。」
アナベラが知らないところで話は大きく動き出しそうであった。




