失態
アナベラは帰ってきたと同時に急いできたのだろう少し髪が乱れて、息が切れている
父に話しかけられた。
「アナベラ!どこに行っていたんだ!」
「フリエム家からの手紙が来ているんだぞ」
焦っている父は玄関に入りすぐに話しかけてきてアナベラは靴も履いたままだ。
「お父様!まだ靴も脱いでいません」
「もう少し落ち着いてください」
少し叱りつけるように話したアナベラは父の慌てている様子に
出ていく前に少し話をしていくのだったとと反省した。
「落ち着いてられるか。フリエム家から正式に縁談話がきて、顔合わせの場所と時間まで
来たのだぞ。」
まだ落ち着かない父にあきれていたアナベラはため息をついた。
それにその話はすでに知っていたのでアナベラは驚かない。
そんな様子のアナベラに父は疑問の様子が伺える。
「アナベラ。もしかして知った状態で出て行っていたのか」
焦っていた様子から疑いの目がアナベラに向けられた。
何から話せばよいのか迷っているアナベラに雨のように父からの言葉が降ってくる。
「お前はこのことを知っていたならまず私に話しなさい。」
「それにこんな大事な知らせが来た時にどこに行っていたのだ」
「お前を探していたんだぞ」
そんなに言わなくとも理解している。
この家にとって今回の事はとても大事なんだと。
それでも今回の手紙は気になっていたのだ。明らかに普通じゃない手紙がフリエム家から
来ており、それを無視することなどできない。
だからこの判断は間違っていなかったとアナベラ自身は思っている。
しかし、父に黙って行ったことは良くなかったなとは考えている。
「そのことは申し訳ありません。」
「しかし、お父様が私が遊びに行っていたとお考えでしたらそれは違います。」
そこまで言って考え込んだ。今回の事すべてを話してしまっていいのだろうか。
ルーカスにこのことを聞く余裕がなく、それに彼は口数が多くないようなので
聞きそびれてしまった。
でも今回ですでに縁談が決まっているのだから父には周りには絶対に言わないように
くぎを刺しておけば大丈夫だろうか。
そう考えたアナベラは今回来た手紙を見せ読ませた後に今回の話
をきれいにすべて話した。
「絶対に他の人には話してはいけませんよ」
周りをよく気にしながら聞かれないように気にしていた。
「そんなことがあったのか。」
「もちろん。お父様にお話しようと思ったのですが、まだフリエム家からの
正式のものだと確定したわけではなかったので。」
「内容もあまり信じられるものでもありませんでした。」
それを聞いた父は難しい顔をしながら考えている様子が感じられた。
「そうだな。」
しかし、すぐにまた不機嫌な顔へと変わっていった。
「それでもだ。こんな手紙が来ていたら私にちゃんと話しなさい。」
普段は少し頼りなさそうな父に少し舐めたような態度をしているアナベラも
今回は反省しているので素直に注意を受けた。
「はい。今回は私が全面的に悪いです。申し訳ありません。」
「縁談についての話でしたのでまずは自分一人で対応したいと考えてしまいました。」
「お父様にはちゃんと話していくべきでした。」
そのように反省している様子を見せるアナベラに父も言い過ぎたなと感じたのか
そこからは普段の様子に変わり、いつも通りな口調で話した。
「これからのことを話しておきたい。」
「後ででよいから私の部屋に来なさい。」
それだけを伝えて父は一度家の奥に入っていった。
まだ父は不安に感じているのだろう。それが感じられるほど
元気がなく後ろ姿にも覇気が感じられなかった。
「お父様、大丈夫かしら。」




