第三十五話『ツノアタック』
そして、いのししは、私の方に向かってこようとしていた。
「戦闘開始だね!」
と、へびくんはにこりと言った。
「一人で戦うのかぁ」
出来るのかしら・・・。
と思っていると、いのししが向かってきた。
「はい、避けて避けてー!」
へびくんが交通整理のお兄さんのような感じで、言った。
猪は、確かに、走るのは速いんだけど、まっすぐしか進まない。
確かに、距離があれば、結構簡単に避けられる。
「やぁっ!!」
と私はジャンプして避ける。
すると、避けられたことを認識した猪が方向転換してまた向かってくる。
「やぁっ!!」と私はまた避ける。
この繰り返し・・・記憶にある。
「うーん、私これと同じ体験をしたことがあるわ・・・」
と、この状況と同じだった、あることを思い出した。
「え?なに?」とへびくんが聞く。
「体育のドッチボール!!」と私が言う。
「あー!!確かに!」とへびくんは笑う。
「最後まで一人残っちゃったことがあるのよね・・・」
「あー、女の子一人だけ残っちゃったら、思いっきり当てることもできないし・・・」
「そう、生き地獄・・・」と私は笑った。
「あぁ。それは大変だったね」とへびくんは笑った。
そんなことを言っている間にも何回か、猪の攻撃を避けた。
流石に見かねたへびくんが言った。
「ヤギっち・・・避けるが上手なのは分かったんだけど、そろそろ反撃しないと!反撃!」
とへびくんは言った。
「だって、避けるのは出来るけどなかなか横から攻撃できないんだもん!!」
と家庭教師である、へび先生に抗議する!
いきなり問題の難易度が上がりすぎです!!
私にはムリです!!
「いやいや、向こうレベル5だから、頭同士で大丈夫だから!やぎちゃんのツノで、ビシっとやって大丈夫だから!!」
「ええ〜先生怖すぎます〜!私、できな〜い!」
と女子高生らしく可愛く言った。
そう、可愛く言ったら許してくれるはずだ、女子高生だし。
「ヤギ!そういうのいいから速くやれ!!」
とライオンに怒られた・・・。
女子高生も甘くなかった・・・。
いまヤギだし・・・。
「わかった!わかりました!!やればいいんでしょう!やれば!!」
と私は言う。
「ほら!!イノシシ!!かかってきなさい!ドッチボールの要領でビシっとキャッチしてあげるわ!!」
「いや、キャッチしちゃダメだから!」とへびくんが笑う。
「ツノでビシッとやってね!」
「はい!先生!」
と家庭教師コントをやっていると、イノシシがまっすぐ向かってきた。
怖いけど、えーい、ままよ!!
「ぬおおぉぉぉぉぉぉお」
と私もツノを出して、イノシシに向かっていった。
「いいぞ!ヤギの『ツノアタック!』」
とライオンが言った。
え?なにそのめちゃくちゃダサい技の名前!!
と思ったところで、イノシシと衝突した。
ずばあああぁぁぁぁぁん、と私のツノに当たった、猪が吹き飛ばされていった。
そして、バタリと倒れた。
<いのししLv5を倒しました>
勝利の音声が聞こえる。私の『ツノアタック』でいのししを倒したのだった。
「え?うそ・・・」
と私が驚いた。
もちろん口を手のひらで抑えながら驚いてる気持ちだった、心のなかで。
この破壊力!
そう、私も伊達にキマイラじゃないのだった。




