表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
佐伯悠馬の結婚事情(仮)  作者: 雪森蓮


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

238/293

その161 「夏の宿題」

今日はなんか修正が多くて疲れたなぁ

午後の芝生。

大きな木の下。

子供たちが広がっている。


机や椅子はない。

芝生の上にノートと鉛筆。


マックスが言う。


「なんで外なのさ」


イーサンが言う。


「天気いいからだね」


タイラーが言う。


「宿題なのに?」


リリーが言う。


「夏だからいいじゃん」


納得したような顔。

していない顔。


それがみんなに混ざる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


ルイスはノートを開いている。

数式。グラフ。英語。


マックスが覗く。

数秒…のぞく

そして眉が寄る。


「……難しくない?」


ルイスは言う。


「普通だよ」


イーサンが覗く。


「これが普通?」


ルイスは頷く。


タイラーも見る。


…三秒。顔を上げる。


「難しいよこれ」


リリーが言う。


「私、全然わからないや」


ルイスは少し考える。


それから言う。


「読むだけだよ」


マックスが言う。


「読む量多くない?」


イーサンは笑う。


「悠馬式ってやつか」


ルイスはまた少し考える。

それから言う。


「叔父上はもっと多いよ」


皆で少しの沈黙。

マックスがぼそっと言う。


「やばいな…」


ーーーーーーーーーーーーーーーー


そのとき上からすっと大きな影。


悠馬だ。


子供たちが一斉に見る。

マックスが言う。


「先生だ!」


悠馬が止まる。


「違います」


イーサンが言う。


「叔父先生!」


悠馬は少し考える。


「違います」


ルイスが言う。


「質問があります」


悠馬が言う。


「いいですよ。どうぞ」


ノートを悠馬に渡す。


悠馬は数秒、ノートを見る。

鉛筆を持つと、

そのままノートに3行ほど書く。


マックスが覗く。


「速いなぁ」


タイラーが言う。


「何したの?」


ルイスは読む。

そして少し考える。

それからゆっくりと頷く。


「分かった」


マックスが言う。


「嘘だろー?」


ルイスはもう一度ノートを見る。

また、頷く。


「なるほど……」


それをみてイーサンがくすくすと笑う。


「やっぱり悠馬式だな」


悠馬はまじめな顔で言う。


「式ではありません」


リリーが聞く。


「叔父上?」


悠馬は答える。


「はい」


「これ、好き?」


数式を指す。

悠馬は少し考える。

それから言う。


「嫌いではありませんね」


マックスが顔をしかめて言う。


「俺嫌い!!」


タイラーも言う。


「俺も同じ!」


リリーも。


「私も同じだなぁ」


その横でルイスは言う。


「僕は嫌いじゃないかな」


イーサンがまた笑う。


「悠馬叔父系か?」


ルイスは少し考える。


「叔父上?どうかな?」


悠馬は少し首を振る。


「比べなくていいですよ」


ルイスが言う。


「でも…」


少し間を開けて言う。


「尊敬はしてるよ。とても」


悠馬は何も言わない。


マックスが言う。


「俺は楽しい方がいいなぁ」


タイラーが言う。


「俺も同じだな」


リリー。


「私もそうだなぁ」


少し空いてイーサンが言う。


「でも…」


芝生をみわたす。


ルイスと悠馬をちらっと見て言う。


「面白いかな」


マックスが聞く。


「何が?」


イーサンが言う。


「似てるよ」


ルイスが言う。


「どこが?」


イーサンが肩をすくめる。


「雰囲気、かな」


ルイスは少し考える。

それから言う。


「叔父上は叔父上だね」


悠馬は静かに言う。


「そうですね」


マックスが言う。


「それはつまり……」


ノートをぱたんと閉じる。


「休憩だな!!」


タイラーもすかさず言う。


「賛成!!」


続けてリリーも言う。


「私も大賛成!!!」


ルイスが言う。


「あと五分…かな」


それを聞いてマックスが言う。


「ルイスは面目だなぁ」


イーサンが笑う。


「伯爵候補だもんな」


そのとき、遠くから声が聞こえる。


「何してるの?」


凛だ。

隣に紅茶を準備したエレノアも。


芝生を見る。

マックスが言う。


「勉強会だよ。みんなでね」


凛が言う。


「外で?」


イーサンが言う。


「健康的でしょ?」


凛はため息をつく。


でも、少し笑っている。

それをエレノアは静かに見る。


芝生。子供たち。悠馬。


そして言う。


「楽しそうですね」


凛が言う。


「騒がしいだけよ」


マックスが聞く。


「聞こえてるよ、ママ」


凛が言う。


「わざとよ?」


芝生に響く笑い声。


夏はまだ続いている。


芝生。子供たち。

ノート。鉛筆。


そして。

静かな五分。


ルイスは書いている。


マックスは考えている。


タイラーは唸っている。


リリーはノートを逆さにしている。


イーサンが言う。


「それ逆じゃん」


「はーい」


リリーがまじめに直す。


そのとき、遠くから声がかかる。


「お前ら何してるんだ?」


ノアが芝生を歩いてくる。


手にはグラス。


子供たちが顔を上げる。


マックスが言う。


「勉強会だよ」


ノアが止まる。


「芝生で?」


イーサンが笑って言う。


「健康的でしょ?」


ノアは笑う。


「よし!」


子供たちを見る。


「休憩だ!!」


マックスが勢いよく立ち上がる。


「やった!賛成!!」


ルイスが言う。


「もうあと三分だけ…」


ノアが言う。


「ゼロ分だよ!」


マックスも言う。


「ノア叔父最高だね!」


タイラーも笑って言う。


「最高!!」


リリーも続く。


「最高ね!」


イーサンがくすくす笑う。


「崩壊だな」


そのとき、声がかかる。


「ノア?」


凛がテラスで腕組みをしている。

ノアが振り向く。


「何さ?」


凛が言う。


「邪魔よ?」


ノアが言う。


「応援してるだけだよ!」


凛は少し沈黙し、それから言う。


「邪魔ね」


マックスが小さく言う。


「叔母さん強い」


ノアが芝生を見る。


ルイスはノートを見つめて、

まだ書いている。


ノアが言う。


「ルイスは真面目だな」


ルイスが答える。


「宿題だからね」


ノアが言う。


「夏だぞ?」


ルイスが言う。


「だからだよ?」


ノアが少し笑う。


そのとき、悠馬が静かに言う。


「ノア、終わるまで待ってください」


ノアが言う。


「兄さん、俺は味方だよ?」


悠馬。


「違います」


ノアが笑う。


凛が言う。


「ノア?」


ノアが振り向く。


凛は屋敷を指さして言う


「戻りなさい」


ノアが言う。


「えー」


凛が言う。


「戻りなさい」


ノアは肩をすくめる。


子供たちを見る。


「頑張れよ」


マックスが言う。


「裏切り物めー」


ノアがケラケラ笑う。


芝生を戻り、

テラスにいる凛の横を通る。


凛が言う。


「静かにしなさいよ」


ノアが手を上げる。


「はい」


少し静かになった芝生。

また鉛筆の音。


イーサンが言う。


「嵐だったね」


マックスが言う。


「去ったねぇ」


タイラーが言う。


「危なかった」


リリーがしょんぼり言う。


「休憩なくなった」


ルイスは言う。


「あと一分で終わり」


テラスの少し離れた席。


ロッテは本を閉じて芝生を見た。


子供たち、そして悠馬。


凛、そして

屋敷に戻るノア。


ロッテは小さく言う。


「騒がしいのね」


エレノアが聞く。


「こういうのは嫌?」


ロッテは首を振る。


「違うわ」


少し考える。

それから言う。


「面白いと思う」


芝生。笑い声。


『夏はまだ終わらない』



ここまで読んでくださってありがとうございます!


『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。

結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。

相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。


更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので

よかったらまた覗いてください。


感想・フォロー等とても励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ