その140 「夏の客人Ⅱ」
広いハミルトン邸の雰囲気が出せる書き方ができればいいけどな。。僕の筆力じゃきびしいかもしれない
夕方になると、庭は少し静かになった。
小さい三人は遊び疲れている。
タイラーとリリーは芝生に座り込み、マックスは寝転がっている。
ルイスはまだ元気だが、さすがに走る速度は落ちていた。
大人たちはテラスに戻っている。
紅茶のポットは二つ目になっていた。
レオンが言う。
「いい午後だった」
カイルが笑う。
「まだ終わってないけどな」
ノアが芝生を見る。
「夜まで走るぞあいつら」
エドワードは静かに紅茶を飲む。
その視線は、庭全体をゆっくりと見渡していた。
子供
ノア
カイル
レオン
そして
悠馬
エドは小さく息を吐く。
その時、エレノアが立ち上がった。
「ロッテ」
ロッテが振り向く。
「少し歩きましょう」
「いいよ」
二人は庭の端へ歩く。
屋敷の裏手。
少し静かな場所。
夏の風が通る。
ロッテが言う。
「にぎやかだね」
エレノアが笑う。
「そうね」
「あなたはこういう家、嫌い?」
ロッテは少し考える。
「嫌いじゃない」
そして少し間を置いて言う。
「意外」
エレノアが首を傾げる。
「何が?」
「ママがここにいるの」
エレノアは庭を見る。
子供たち。
テラス。
悠馬。
そして答える。
「仕事だから」
それは本当だった。
少なくとも、エレノアはそう思っている。
ロッテは何も言わない。
しばらく二人で庭を見る。
そしてロッテが言う。
「佐伯さん」
エレノアが振り向く。
「何?」
「変な人」
エレノアが少し笑う。
「そう?」
「うん」
ロッテは肩をすくめる。
「ウサギ」
エレノアは吹き出す。
「まだ言ってたの?」
「だって弱そう」
「でも仕事はできる」
エレノアは頷く。
「それは確かね」
ロッテは母を見る。
少しだけ視線を細める。
だが、それ以上は何も言わない。
まだ確信ではない。
ただ、少し気づいているだけだ。
二人はテラスに戻る。
その時。
エドワードが立ち上がった。
「レオン」
レオンが振り向く。
「何だ」
エドワードは落ち着いた声で言う。
「ロンドンの滞在はどこだ」
レオンは肩をすくめる。
「ホテルだ」
エドは静かに言う。
「ここに滞在すればいい」
少し沈黙。
レオンは笑う。
「いいのか?」
「構わない」
エドは続ける。
「部屋は余っている」
ノアが笑う。
「余りすぎてる」
カイルも頷く。
「確かに」
エドワードはロッテを見る。
「大学までまだ時間がある」
ロッテは少し驚く。
そしてエレノアを見る。
エドワードは続ける。
「エレノアも」
エレノアが眉を上げる。
「私も?」
「ロンドンのフラットは狭い」
ノアが笑う。
「それは事実」
レオンは腕を組む。
庭を見る。
屋敷。
広い芝生。
子供たち。
そして言う。
「……悪くないな」
ロッテを見る。
「どうだ?」
ロッテは庭を見る。
子供たち。
ルイス。
そして。
テラスの端にいる男。
悠馬。
ロッテは少し笑う。
「いいよ」
エレノアも頷く。
「では少しの間」
エドワードが言う。
「決まりだ」
ノアが笑う。
「夏合宿延長」
カイルが言う。
「人数増えた」
悠馬は静かに紅茶を飲んでいる。
その横でノアが言う。
「兄さん」
悠馬が振り向く。
「何でしょう」
ノアが笑う。
「観察対象増えたな」
悠馬は首を傾げる。
「?」
エドワードは静かに庭を見る。
物事は。
ゆっくり動く。
急ぐ必要はない。
『夏は長い』
ここまで読んでくださってありがとうございます!
『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。
結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。
相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。
更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので
よかったらまた覗いてください。
感想・フォロー等とても励みになります!




