お買い物(買えるとは言っていない
なんとか12時にまにあったので更新します。
--お買い物(買えるとは言っていない)
リックと村の入り口まで戻ってきたあたりで別れ、振り返る。
左側には宿屋兼食堂、右側に雑貨屋がある。
宿屋は二階建てのアパートくらいの大きさ、雑貨屋は一軒家くらいの大きさだ。
とりあえず雑貨屋でいろいろ売って軍資金作ってその後飯でも食べようかね。
と思って雑貨屋に到着するも、ものっそい目で見られてるんだがな…なんなの、これ。
「あの、いろいろ買い取ってほしいものがあるんですが…」
「あぁん?」
おーけー、おーけー。落ち着け俺。
ヒゲでハゲのおっさんは見苦しい。とっとと終わらせて退散しよう。
「道中で仕留めた獣の素材とかいろいろ売りたいんですけども?」
もう一度。わんもあ。
「冒険者とは取引せん」
「は?」
「聞こえなかったのか?冒険者とは取引せん。とっととどこかへ行け」
「…そうですか。わかりました」
よし、よく我慢した俺。
まぁ食堂の方に顔出してみて食材的なものなら売れるだろう。そうであってくれ。
「あのー…すみません」
宿屋の扉をくぐり一階に広がる食堂を見回す。
今は昼食時の準備をしているのだろうか、席には客がおらず、カウンターにも誰もいない。
カウンターの上に呼び鈴があったので鳴らすと奥の厨房からおかみさんっていう風体の女性が出てきた。
「あら、お客さんかね。いらっしゃい。食事?泊まり?」
おかみさんは接客用の笑顔…とはいえないくらいにこやかな顔で出迎えてくれた。
「あー、えと、食事をしたいんですが、今先立つものがないのでなにか食材で使えそうなものがあったら買い取ってもらいたいんです。できますか?」
「あぁ、冒険者さんかね。雑貨屋で断られたクチなのね。いいよ、だしな」
カラカラと笑いながらカウンターから出てきて大き目のテーブルの前に立つ。
「どんなものがいいですかね。食材だとしたらある程度量があるやつがいいですか?」
「そうだねぇ。肉なら多めのもの、薬草や調味料なら少量でもいいよ」
ふむ。
背中で担いでいる鞄から出すように見せかけて玩具箱から途中で仕留めた熊の『肉だけ』を取り出す。
玩具箱の便利な機能で、たとえば熊丸々一体を格納すると、出すときには丸々一体で出すか部位ごとに出すかを選択できる。
『熊』で出すことも出来れば『熊の毛皮、熊の肉、熊の肝、熊の爪』みたいに分けて取り出すことが出来る。
まぁよくあるアイテムボックス内での自動解体みたいなものなんだけどね。
丸々一体で提出とかっていうギルドの依頼もあったから勝手に解体されると困るんだ、これが。
取り出した熊の肉をテーブルの上に乗せようとすると「ちょっとまって」とおかみさんが布をテーブルに引いた。
あぁ、汚れるしね。
「こんなのはいかがでしょう。原初の森で仕入れたばっかりの熊の肉です」
大体5kgくらいの大きさのブロックが合計5個。
赤く艶々している鮮度のいい肉を見ておかみさんが「こりゃすごいね」と感心している。
「原初の森ってあの森かい。へー。さすが冒険者さんだわ。こんなにいい肉見たの久しぶりだよ。」
「おや、そうなんですか?」
「村の場所も街道沿いにあるわけでもないし商人も雑貨や門番たちが使う武器防具しか運んでこないんだよ。生ものは持ってきてもらったとしても鮮度がよくないからね」
まぁそうりゃそうか。
「なるほど。ではこれはいくらで買い取ってくれるのでしょう?」
「そうだねー。この一塊で銀貨1枚でどう?」
「それはちょっと安すぎませんか?金貨とまでは言いませんが銀貨5枚は貰わないと」
「それはちょっと無理だわ。2枚」
「4枚が限度ですよ、おかみさん。おかみさんだっていい肉だって言ってたじゃないですか」
「いい肉だからこそ安値で食堂に出したいんだよ。がんばっても3枚だわさ」
「うう、それを言われると心苦しい。じゃあ3枚でいいですよ…その代わりこの肉でおいしい料理をご馳走してください」
おかみさんがよし!といった風にガッツポーズをしている。
やはりこういう交渉ごとは苦手だなぁ。
「それじゃ5個で銀貨15枚ね。はいよ。煮込みとかは作るのに時間がかかるから焼きでいいかい?」
「はい、それで。あと野菜なんかもあるとうれしいです」
「そっちは別料金だよ。銅貨1枚ね。用意して持っていくから好きな席に座って待ってな」
新鮮ないいお肉を手に入れたのがうれしいのかおかみさんは肉を抱えて食堂へ戻っていってしまう。
店の一番奥のテーブルに座り食事が出てくるのを待つ間にこれからの行動を考える。
とりあえずは王都に向かうのは決定。その前にどこかの大きめな街で冒険者証の再発行。路銀は出来たからなんとかなるかな。
お、調理場からいい匂いがしてきた…これは期待できそうだ。
ストックが尽きました←
出来るだけ定期的に更新頑張ります。




