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校長勇者  作者: 一条由吏
10/12

第9話 男アーティス

お読み頂きましてありがとうございます。


あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

「ストーカーかよ。」


「ストーカーですね。」


 ツェンランさまから紹介された教育係の魔術師とは、アーティスだった。


「お、おまえ、王様は、どうしたんだ!」


「信頼できる者に任せてきた。これで、セナに付きっ切りで貼り付ける。必ず、ツェンランさまに手を出される前に口説き落としてみせる!」


 熱い眼差しを向けてくるアーティスに思わず、目を逸らせてしまう。


「えっ・・・。なぜ目を逸らす?ま・・まさか・・・。」


「そのまさかだ。」


 そうなのだ。『不老不死』で自分の理想とするセックスとは、縁遠い生活になると思っていたのだが、思いのほか簡単にチャンスが巡ってきたこともあり、即座に受け入れてしまったのだ。


 だが、こんなに簡単にバラれてしまうとは・・・。


「ツェンランさま!」


 思わず恥かしくなって叫んでしまった。


「それでも、男アーティス、必ず口説き落とすからな!」


 アーティスは、それだけ言うと恥かしくなったのか、部屋から出て行ってしまった。


「はぁー。」


 思わず溜息がこぼれる。


「あやつは、解かってないのかの?お主がそういう人間だということを。」


「はぁ。一応説明はしたのですが・・・。そういう人間が居るということが解からないらしくて・・・。」


「お主は、どうなんだ?あやつが女役をすると言えばできるのかの?」


「普通に考えればキスさえもできないと言うところですが。セナの記憶があるので・・・。」


 セナの時は、結婚をしていなかったため、肉体関係は無かった。そのためか、死ぬ前に一度でもいいから、抱かれたかったという悔いが残っているのだ。


「お主を手放す気はないからの。」


「そう言って頂けるのは、嬉しいですけど、なぜ私なのですか?王の伴侶になりたいと言う者は、たくさんいるでしょうに。」


「いやいや、皆ビビって、俺を抱けと言っても抱ける奴が居らんのじゃ。」


 そういえば、この王は、真性の女役だった。この大陸一の巨大な力を持つ美貌の王は、両性具有体だ。しかも、女役として抱かれなくては、男の方も役立たずらしい。昨夜の王の姿態を思い浮かべ納得する。


「それでも、こんな紛い物よりも本物の男性がよいでしょう?」


「何を言うか。同じ時を生涯共にできる伴侶だぞ。これ以上の良縁は無いわ。」


「しかし・・・。」


「しかしもかかしも無い。もしかして、子供ができないことを苦慮しておるのか?ならば、方法は無いこともない。」


 私は、王のその言葉に真っ青になる。確かに私が王の男を受け入れれば、可能性がゼロではない。


「違う違う。そうじゃないのだ。お主に効き目があるかわからんが、ある国で隷属の首輪を改良していたら、性転換する魔法具ができたというのじゃ。」


 欲しい。私に取って夢のような道具じゃないか。


「ほう。やはり欲しいようだな。しかし、それは、その国の宗教が独占しておる。あると言う情報以外は一切漏れてこんのじゃ。そこで、数百年前から我が国でも研究させておるのじゃが、一向に見通しは立っておらんのじゃ。すまんの。」


 一瞬、自分で取りに行こうかと思った。今ある力があれば、力ずくでも奪い取ることができるだろう。とそこまで考えて、ハッと思った。


 そんなことは、ツェンランさまなら簡単なのだろう。だが力ずくで奪うということは、多くの人間を戦渦に巻き込んでしまうじゃないか。この弱きモノに優しい王にできるはずが無かったのだろう。


 自分の欲望のために多くのモノを不幸にする。私は教師なのだ。生徒に手本を見せるべき存在であるはずだ。その私が欲望に狂ってしまったら・・・。


・・・・・・・


「ツェンランさまって、ゲイなんですね。」


 失敗したな。生徒の目の前にあんな話をするんじゃなかった。しかも、自分の都合のいいように誤解してやがる。まあ、本当のことは、言えないから訂正できないのだけど。


 遠山が目をキラキラさせながら聞いてくる。とりあえず、笑ってごまかしておく。いくらなんでも王に直接聞くことは無いだろう。


「ということは、なにか道具を使ったのですね。」


「ノーコメントで。」


「そう言わずに教えてください。」


「ノーコメントだ。」


・・・・・・・


 その夜、ツェンランさまの寝室に向かう。


「お呼びと御伺いしましたが・・・。」


「ああ、城は喧しくなってきたから、諸国を巡ろうと思う。付いて来い。」


「・・・はい。」


「どうした。何かあるのか?」


「いえ、皆付いてくると言うだろうなと。」


「そうだな。なら、今からこっそり出るか。」


 ツェンランさまは、面白い悪戯を思いついたかのように言う。


「城のことなら気にするな。宰相には、既に伝えてある。」


いつも評価して頂きましてありがとうございます。

BLタグは入れませんが、GLタグはどうしようか悩んでいます。

プロローグを呼んだ読者を惑わすにはいいかもとか(笑)


また、変な設定を増やす予定ですのでご期待ください。

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