第10話 新・運命の恋人 -1-
お読み頂きましてありがとうございます。
えっ。ここは・・・『知識』を使うと簡単に答えが・・・大湿原の森・・・って、さっきまで居たところじゃないか。
ツェンランさまと旅に出た先で方向音痴なツェンランさまに任せた私が悪かったのだろう。道に迷ってしまったのだ。仕方なく森の比較的開けた場所で野宿することになった。
そして、薪を拾いにきたところ、ある井戸を見つけ覗き込んだところ、井戸のふちがあっさりと壊れ井戸に落ち、今に至っている。
たしか、大湿原の森と名ばかりの湿気などどこにもないような森だったはずだ。それが、どうだここは、じめじめとした日が全く差さない。しかも、霧が掛かっている森なのだ。
『知識』を更に読み進めていくと1000年程前は、このような土地だったらしい。ということは、1000年以上前にタイムスリップしてしまったと考えるのが妥当かもしれない。
また、始めからやり直さなくては、いけないのか?
目の前が真っ暗になる。そこで、ふと思い出す。ツェンランさまなら、この時代にもいらっしゃるかもしれない。あの方を頼ってみよう。きっと、これ以上悪くはならないはずだ。
私は、ツェンランさまの波動を感じ取る。
うん?わりと近くにいらっしゃるようだ。
びゅーーーーん。
今、確かにツェンランさまの波動が横切ったのだが、目の前を横切ったのは、大きな卵を持った兵士が1人走っていったのだ。
私が見間違えただけかも知れん。とにかく、追いかけよう。
走って追跡していると、その場面に出くわしたのだ。
いきなり、上空からワイバーンが5体も現れて、その兵士に向かって襲い掛かっていたのだ。
大きな卵を抱えたまま器用に避けるが相手が多すぎる。
「そこの方、貴方、貴方です。すみませんが、卵を預かって貰えませんでしょうか?」
「えっ。私。」
「そうです。貴方です。」
その兵士は無理矢理、私に卵を押し付けると、ワイバーンに対してブツブツと何かを唱えている。
その途端に薄暗かった森が闇に包まれ、幾筋もの雷がワイバーンに向かって落ちていく。どうやら、加勢はしなくてもいいらしい。
パキッ。
その時だった。卵から音が・・・。
パキッ。パキッ。パキッ。パキッ。パキッ。パキッ。
あっという間に卵にひびが入っていく。
そうして、生まれたのは、確かに波動通り、ツェンランさまだった。この特有の髪の色といい。間違いない。
「ママ。ママ。ママ。ママーーー。」
卵から生まれたツェンランさまは、そこらの赤ん坊と同じように泣き出したのだ。
「しまった!貴方は、女性だったのか。」
その言葉を聞いて安心する。まだ、男性に見えるらしい。この世界に来て、随分と変わってしまったのだが・・・・。
その兵士から話を聞くと、魔性の子が羽化する条件に10人の人族の女性たちが卵を温める必要があり、魔性の国から人族の国へ行き9人の女性たちに卵を温めてもらい、最後に産みの親である人族の女性に暖めてもらおうと魔性の国に移動途中だったらしい。
「きゃっ。」
赤ん坊のツェンランさまがにじり寄って来ると胸に顔を押し付けてくる。本能的にそこから栄養補給ができると解かっているらしい。
「すみませんが、その子にミルクをあげて頂けませんか?」
「出ません・・・・。ん・・・。」
ツェンランさまに胸を弄られているとイキナリ、胸がはってくる。まさか、そんな、ばかな。長年、ホルモン注射をしたから、そう言った器官は、不能になっていると医者のお墨付きを貰っていたはずなのだが・・・。
ツェンランさまの頭からスピリチュアルな何かが出てきている。どうやら、ツェンランさまに都合のいいように、身体を改造されてしまったようだ。
「向こうを向いてて貰えませんか?」
「あ。失礼。」
兵士が反対方向に向いたのを確認して、胸のボタンを外していく。
ツェンランさまが胸に吸い付いてくる。
ああ、私のこの鍛えて胸が無いように見せかけていた胸が・・・。
変な設定その・・・いくつだ。
すみません。随分空いてしまいました。




