ほないこか。
女が美容室が終わって出てくると気に食わない顔をして出てきた。
「どーしたの?なんかご機嫌ななめだね。」
「髪型やばくない?」
髪を触りながら言ってきた。
「やばくないよ。」
少し変だがやばくないよと答えた。
「やばいでしょ。美容師の野郎に下手くそって言ったらこのスタイルしかやってなくてずっとこのスタイルでやっているんです。とか言ってきてさ。マジありえないでしょ。学校に通って金貰ってんのに言われた通りの髪型も出来ないんだよ。2年じゃ足りないんじゃない?なんか、県外から来てみたいなさ、言訳してきたけどさ、知らんしみたいな。」
鏡を見ながら言ってきた。
「まーまー、しゃーねーよ。日本のな、資格がある仕事ってゆーのは誰でも出来るよーにあるもんなんだよ。資格があれば誰でもできるんだよ。逆に言えば資格が無ければ出来ないんだけどな。資格があればまともに見えるんだよ。そんな下手くそなやつでもよ。」
険しい顔で言った。
「そーだよね。これじゃどんな髪型も出来ないし下手くそすぎる。ほんとにあの美容師使えないわ。」
髪を触りながら言った。
俺は車を走らせた。
「あぁ、使えないな。あそこで働いてる人とかもブサイクだろ。なんかよ、若いこの方が目立つ分おかしいなんて思われがちだけどよく見ればブサイクが資格持ってまともな所を会社で見せて日々生きてるんだよ。」
「そーね。あの子連れの親もブスね。」
「そーゆーこと言うな。あーゆー奴に使われている人もいるんだ。俺らは使われてない。で、話せば部下が遊んでるとか友達が結婚したとか友達がサッカー見に行ったとかマラソンしたとか人のことばっかりだ。お前の話じゃないしお前の話を聞きたいんだよ。結婚の後や。ブサイクが上司になった後の話。な?」
「そーね。あんまり働いたことないから分からないわ。」
「人ってのはな、雇えば雇うほど儲かるんだよ。社長さんが頑張ってな、どんどん使われを雇って休まない信用ある人に真面目に働かせて真面目な働き者に任せてな。そしてたら、実際に自分はなにもしないでも儲かる。そんなところで働く気はないわ。」
「人なんていればいるほど良いのね。じゃ、社長が死んだ会社の社員は奴隷の奴隷ね。」
「そーゆーこと言うな。朝から晩まで仕事してるんだ。売れ売れ。って急かされてんだよ。」
「そーね。口動かさず手を動かせって事ね。」
今日もこの街では働かしてくださいって子供や家族が知らないところで親が子供と家族のために頭下げて、営業ですと頭下げてバイトで頭下げてお金もらって頭下げて毎日頭下げる日々があるらしいってことを感じた。
「毎日毎日、職場と家を行ったり来たりして大変だよ。俺は、そんなことするつもりはないけどな。」
何かを悟ったと思ったから渋々と言った。
「そーね。行ったり来たりね。」
車を走らせて景色を眺めながら言った。
外は、街を抜けて太陽が落ちる途中で夕暮れのオレンジで海に反射していた。




