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27話「フィフス-二次職②」

「くっ、この」


ギィイイギィイイ


連日、西洋人形を動かそうと練習を重ねているが上手く動いてくれない事に苦戦している。


俺が思っている通りに動きはするが速度が追いついていない。


「はぁはぁ。何故だ?」

『こんにちわ』


俺がうなだれていると少女の声が掛かってきた。


顔を上げれば料理人の少女が立っていた。


「なんだ?」

『ここに居ると聞いて来たんですけど、お邪魔でしたか?』

「そんな事はない」

『本当に西洋人形なんですね』

「あぁ、コレか」

『その、触っても?』

「いいぞ」

『うわぁ』


西洋人形を少女が抱き上げて喜びの顔をする。


『これって木工師のダビットソンさんの作品なんですよね?』

「あぁ」

『やっぱり!今、西洋人形で一番人気なのがコレなんですよ。中々造形が凝っていて女の子に人気なんです』

「そうだったんだな」

『たしか人形使いでしたっけ?』

「あぁ。こうやって操るんだがな」


ギギっ


『きゃっ!』


パシッ


『ご、ごめんなさい!!』


俺が西洋人形の右腕を上げさせたが、急に動いたことで少女が驚いて投げられた。


それに直ぐに気づいて即謝ってくる。


「壊れていなければ別に問題ない。で、木と木が擦れる為なのか動きが遅いんだ」

『関節部分とかに油なんかでいいんじゃないんですか?』

「それだ!」


なんで思いつきもしなかったんだ。


「だが、油なんて見たことないぞ?」

『料理人なら誰しもが持っていると思いますよ。私も持ってますし』


・食用油

 食材を焦がさず火を通すための油。


「人形用じゃないな」

『あ、御免なさい。確かにこの油じゃ無理そうですね』

「でも、油みたいな代用品が見つかれば人形の関節部分に使えば行けそうだな。ヒント助かった。またな」


俺は道具屋や雑貨屋にそれらの物が無いか探しに向かう。


『名前もまだ教えてないのに・・・』


・・・


・・・・・・


・・・・・・・・・


「なぜ、無い?」

『食表油ならお売りできますが、人形用の油なんて聞いた事ありませんよ』


様々な店を訪れたが無いの一言で終わってしまう。


「別に代用品になるようなものでもいいんだが」

『そう言われてもウチに油に代わる物なんか置いてないんだよねぇ。魔道具屋に言ってみればいいかもしれないよ』

「なぜ?」

『魔道具屋もいろんな道具を扱っているからね。ギミック系で油について知っているかもしれないよ』

「なるほど、尋ねてみるとする」

『あぁ。頑張れよ』


道具屋を離れ、魔道具屋へと向かう。


ガランガランッ


『誰ですかなぁ?』


魔道具屋に入ると分厚いレンズのメガネを掛けたオーバーオール姿の女性がカウンターに座っていた。


魔道具屋はドコも同じ格好なのか?


『見ない顔だね?』

「この人形の関節をスムーズに動かす油か代用できるものを探しているんだが」

『凄い可愛い人形さんだね。誰かにプレゼントするのかい?』

「まぁ、そんな所だ。で、手足を動かすと軋む音がうるさくてな」

『ちょっと貸して貰うわよ』

「あぁ」


人形を店員に渡すと手足の関節を中心にイジリ始めた。


ギィイギィイ


『たしかに軋む音が酷いわね。ちゃんと球体部分は丁寧に磨かれているみたいだけど木だけだと無理があるね』

「これを解消したいんだが」

『生憎、木製用の油なんて無いのよね。金属用油ならあるんだけど影響がどう出るか分からないしねぇ』

「そうなのか」

『ちょっと待っておくれよ』


店員がカウンター下から分厚い本を取り出してパラパラと捲る。


『あった、木製用油の作り方』

「製法があるのか?」

『うぅん。難しいわ』

「そうなのか?」

『木製油の材料となるのが「ラフランシア」という花が必要なのよ』

「フィフス近くにある森か」

『よく知っているわね。その花から抽出された油成分が木製でも問題なく使えるそうなのよね』

「往復、8日・・・取りに行く事も踏まえて10日以上も掛かるのか」

『油を作るだけなら、他の街に居る魔道具屋なら何処でもいいわ』

「油だけ手に入れても人形にどうやって使えばいいか分からないしな」

『魔道具を扱うものなら、それくらい出来るわ』

「そうか・・・とにかくラフランシアの花が必要だという事が分かっただけでもいいか。どれ位必要なんだ?」

『5本もあればそれ位の人形なら十分だよ』

「十分という事は他の人形用にもっと必要だって事か?」

『その人形以外もあるならもっと必要だね。大きくなればその分必要な本数は増えるよ』

「なら、余分に作ってもらえばいいか」

『あぁ、頑張りなよ』

「情報感謝する」


ガランガランッ


魔道具屋を出て再びフィフスに戻ることになった。


ソニーに急遽戻る事になったメールとラフランシアの花が必要になった旨を伝える。


ラフランシアの花についてはソニー達で採取してくれるそうで、ゆっくりと来れば良いと返信があった。


持つべきものは友という言葉が似合いそうな連中だ。


『フィフスへの護衛依頼を受理いたしました。明日の朝に西門が集合場所になりますので遅刻の無いようにしてください』


ギルドでフィフスへ向かう商人達が集った商隊の護衛依頼を受ける。護衛任務内容も複数PTによる混成護衛で集合時間まで設けられていた。


翌朝、西門に向かうと準備の整った商隊と複数PTのNPCやプレイヤーが混じった護衛冒険者達が募っていた。


正直、こんな大所帯になるとNPCなのかプレイヤーなのかは判別不可能である。恐らく生産プレイヤーも商人の中に入っているのだろう。


こうして4日間にも及ぶ護衛が開始する。


・・・


・・・・・・


・・・・・・・・・


『アオイ様、護衛依頼の達成を確認いたしました。依頼達成料は22,000Gとなります』


流石に大所帯の商隊を襲うタイガーは居なかったからスムーズに事が済みあっという間に護衛依頼が完了を遂げて俺はフィフスの街へと戻ってきた。


「久しぶりだな」

「待ってましたよ」

「うっす」

「久しぶりっす!」


冒険者ギルドには既に4人が集まっていた。

防具も二次職らしく新調されている。


「既に木製用油にまで加工は済んでいますよ」

「世話になるな」

「いえいえ、私達はチームじゃないですか」

「硬い事は気にするな」

「そうっすよ!」

「後は油を入れてもらうだけか」


俺は木製用油を西洋人形に入れてもらう為に魔道具屋に依頼をする。


『毎度あり~』


あっという間に油を入れてもらい店を出る。


キキィッ


油の滑りで球体関節からの音は軽減されてスムーズに動くようになった。


・木製の西洋人形

 木で出来た西洋人形。

 服を着させる事が可能。

 人形使いで操る事が可能。

 木製用油によって手足の動きが滑らかになっている。

 50cm

 耐久値:10/10  

 ランク:クリエイト

品質:2


説明書きに一文が加えられている。



「とりあえず、人形使いとしての人形は手に入ったという事でしょうか?」

「あくまでもコレは練習用だ。上手く動かせなかったから打開策を探してて行き着いた先が」

「ここでしたか・・・もう少し離れることになりそうですね」

「コイツを動かすのに数日は掛かるだろう。全然レベルが上がらないからな」


人形使いのレベルは2になってから上がる気配が感じられない。


「戦闘経験値を積まないと上がりづらいのでしょう」

「だよな。しかも攻撃力のないコレで戦っても5本も専有されると使い物にならないしな」

「武器持たせたらいいんじゃねぇか?」

「人形には服意外の装備は着けられないと説明されているから無理だな」

「なるほど」

「今は練習してレベル上げだな。それから本格的な戦闘人形にチェンジだ」


ヒュコヒョコヒョコ


「全然違うな」

「事前に情報を知らないとホラーですね」

「だよな」

「そうでごわすな」

「そうっすね」


西洋人形が動かないのが普通だが、俺のスキルで動かしているのを見ている4人である。


「歩かせるのが精一杯だな。もう少し訓練が必要のようだ」

「どれくらいだ?」

「理想は自由自在までだな。でなきゃ戦力として加えられないだろう」

「そうですね」

「そういうお前たちは二次職には慣れたのか?」

「そこそこは」

「基本連携は変わりませんしね。でも一次職よりも素晴らしいという事は分かりました」

「フレイムアローとかあって驚いたっすよ」

「鉄壁という防御スキルも使い勝手が良いでごわすな」


各々が新スキルが凄い事だと実感しているようだ。

俺のコレも真価が分かれば良いんだがな。


「もう暫くはソロ活動ですか?」

「物に出来てからの合流になりそうだ。暫く待っていてくれ」

「二次職になった分レベル差は開かないと思いますのでゆっくり追いついてきてください」

「待ってるぜ」

「楽しみにするでごわす」

「楽しみっすね。アオイさんの人形捌き」

「あぁ。またな」


とりあえず、人形の操作に慣れる所から始めないとな。


ヒョイヒョイヒョイ


中央広場の一角で西洋人形が俺のイメージ通りに動いてくれているか目で確認しながら球体関節の可動範囲を確かめつつ動かせる限界を見定める。


ミシッ


「これ以上はダメと・・・」


可動範囲限界に来ると木が軋む音を発してくれるから分かりやすい。


タッタッタッタッタッ


歩きのモーションから走らせる。


グラグラグラグラっ


「くっ、重心の位置が」


自分の体ならこんな苦労はしない。全て脳が勝手にバランスを取ってくれるのだから。

だが、人形が勝手にバランス補正をしてくれる訳じゃない。

俺が全てコントロールしているのだから。


人形をずっと走らせ続けてようやくレベル3に上がった。


「ふぅ」


かなりの時間を要してバランス感覚を覚えられた。


胴体繰術の役割とは人形のバランスを保つためだとようやく分かった。


手足だけ操作出来たとしても人形の自重によってバランスを直ぐに失って転んでしまうだろう。


かなり繊細な職業なんだと思う。


・・・


・・・・・・


・・・・・・・・・


あれから3日経ち人形の扱いに慣れ始めた。


タッタッタッ


タンッ


スタッ


走らせ、地面を蹴りジャンプをしベンチの上に着地をするまでの動作がスムーズに出来るようになった。


シャシャシャシャッ


サササササッ


今度は人形にシャドーボクシングの様な物をさせてみる。


イメージ通りの動きが出来ているのも確認する。


パチパチパチ


何処からともなく拍手が聞こえ、そちらを向くとダンディ顔のムキムキボディをさらけ出した腰をクネクネとくねらせた男が一人。


「ミカ」


ラブリン・ミカがそこに立っていた。


「お久しぶりねぇ。二次職の人形使いかしらぁ?」

「まぁ、そんな所だな」

「あらあら、お人形さんの服がボロボロじゃなぁい」

「仕方がないだろ」

「ダメよぉ。お人形さんの服もちゃんと見てあげなきゃ」

「そんな事より、なんでフィフスに居るんだ?」

「二次職になるために決まっているじゃなぁい」

「そうだったのか?てっきり二次職になっている物だと思っていたぞ」

「初心者支援が一段落ついたからやってきたのよぉ。それにしても随分派手な格好ねぇ」


ミカは俺の格好をみて派手だと感想を述べた。

未だに虎柄の後衛職装備である。


「次の布防具が見当たらないからな」

「いくら汚れないからといって着続けるのは良くないわぁ」

「事実だろ。他のプレイヤー達も殆ど同じだろ?」

「最近はファッションにも力を入れ始めた裁縫師達が出始めたから普段着位は持っていたほうがいいんじゃないかしらぁ?」

「インベントリの圧迫になるだけだろ?」

「ギルドホーム内の個別ルームに複数ものを入れられるボックスがあるから普段はそこに入れておけばいいんじゃなぁい?」

「持ってねぇよ」

「入ればいいじゃなぁい?」

「その気になってない」

「そうなのね。まぁ、アナタなら引く手数多でしょうけど」

「そうなのか?」

「掲示板情報だけでも欲しいっていうギルドはいるでしょうねぇ」

「あまり実感はわかないな」

「鈍感ねぇ。自身の魅力に気づかないなんてぇ」

「軽くディスるな」

「あら、ごめんなさいねぇ」

「あ、ミカさん。ここに居たんですね」


そこに木工師のダビットソンが現れた。


「おや?」

「フィフスに来ていたのか?」

「久しぶり」

「なに?知り合いなのぉ?」

「えぇ。この西洋人形を作ったから」

「どこかで見たことある人形と思ったけどアナタだったのねぇ」

「あれから、どうなったのかな?」

「関節部分に油をさしたら滑らかな動きになって慣れてきた」

「木製用の油って何処で手に入れました?僕も関節部分の音が気になって仕方が無かったんだよね」

「ミカ達も転職クエストを?」

「これからだよ」

「なら、ちょうどいいな。転職クエストの「ラフランシア」という植物を取ってこいと言われてたよな?」

「えぇ」

「そのラフランシアの花が木製用油になる原材料だ。人数分以上で余分に取ってくれば魔道具屋で加工してくれるぜ」

「あらぁ、珍しいわねぇ」

「俺が人形使いになる為の人形を作ってくれたからな」

「ははは、軽い趣味で始めたんだけど感謝されるなんて光栄だよ」

「じゃ、早速行くわねぇ。仲間たちも待たせてしまっているわぁ」


ミカが歩き出し、ダビットソンもその後に続く。

中央広場出口には数名の冒険者達の姿が見える。


恐らくはミカ達転職クエストを受けたPTメンバーだろう。


そろそろ、次の段階に行きたい所だな。


俺の考えている人形の立ち位置は前衛ポジションの動きだ。


「うぉおおお」

「セイやぁ!」


ゴウキ達に頼んで前衛の動きを見せてもらうことにした。

相手は森のワータイガーである。


ガキィン


ロンドがシールドでワータイガーの攻撃を防ぐ。


ググッ


それに合わせて、俺の操る人形も同じ動きをさせる。


「うりゃぁあああ!」


今度は横合いからゴウキが直剣でワータイガーの脇腹から攻め入る。


直剣を振り回す所を真似て人形を動かす。


グルァアア


「糸拘束術一式」


ビィンッ


グルゥ


もちろん、俺自身もPTメンバーとして残った一本の糸だけで阻害のみを行なう。


≪人形使いのレベルが9になりました≫


「また、上がったな」

「随分早いですねぇ」

「戦闘に貢献しているからだと思うがな」


ん?


「なんだコレ」


戦闘ログを改めて眺めていたら気になる点を見つけた。


≪アオイはワータイガーの戦闘から750の経験値を手に入れました≫

≪木製の西洋人形はワータイガーの戦闘から4,500の経験値を手に入れました≫


俺の6倍の経験値を手に入れているのだが・・・


「ソレですね」


俺の気づきを伝えるとソニーが納得した顔をする。


「いやいや、明らかに可笑しいだろう」


ゴウキがツッコミを入れる。


「武器である筈の人形が経験値を得ているなんて驚きですね」

「つまり、あれか?アオイは武器から戦闘経験値を新たに総取りしているという奴か?」

「ではないかと?」

「武器でありながらプレイヤーと同じ経験値を得るなんて驚きだな・・・ただ、ジョブに対する経験値のようだから俺自身がレベルアップする訳じゃなさそうだ」

「それでアオイさん自身もレベルアップしたら驚きですね」

「驚愕っすよ」

「とりあえずレベル10になったら次の段階に入る」

「次は人間大ですか?」

「いや、子供程度の大きさにするつもりだ。多分、レベルが足りないだろうな」

「なるほど」


それから暫くPT戦で人形使いのレベルも上げてダビットソンに連絡をする。


「例の物が出来たよ。注文通り子供サイズのマネキンだけどね」


・木製マネキン(子供)

 木で出来た子供サイズのマネキン。

 服を着させる事が可能。

 短剣程度なら装備可能。

 人形使いで操る事が可能。

 木製用油によって手足の動きが滑らかになっている。

 120cm

 耐久値:25/25  

 ランク:クリエイト

品質:2


「武器の装備も出来るのか」

「短剣程度ならね。手の大きさが西洋人形と違うから」

「なるほど。防具は服系だけか」

「素材がね。レア素材の古木を使えば革防具とか着けられるようになると思うけど高いからね」

「古木なら俺が持っている。次の大人サイズはコレを使ってくれないか?」

「本当に!?最高の物を作っておくよ」

「それまでにはコイツもクリアしないとな」

「レア素材だから慎重に作るよ。焦らなくてもいいさ」

「頼んだ」

「任せて!」


ダビットソンと別れて街に居るであろうミカの元へ尋ねる。


「あらぁ?どうしたのかしらぁ?」

「コイツの服を買いに来た」

「もう、子供サイズに挑戦なのねぇ。あの西洋人形はどうしたのかしらぁ?」

「インベントリに入っているが?」

「アタシの知り合いにソレを欲しがっている女の子がいるんだけど、譲ってくれないかしらぁ?」

「別にいいが、耐久値を戻さないとだぞ?」

「ダビットソンに頼むわぁ。その子の服の代金はそれで構わないわよぉ」

「それなら助かるな」


ミカに西洋人形をトレードし子供マネキンの服を見繕ってもらう。


「なにか注文とかあるかしらぁ?」

「色は黒に近いほうがいいな。出来るだけ関節部分には干渉しない形で頼む」

「可動範囲の制限を出来るだけ回避したいのねぇ。それだけでいいなら明日にでも来て頂戴」

「わかった」


・・・


翌日、ミカの元を尋ねると出来ていた。


「テーマは夏の虫取り少年よ」


黒を基調とした半袖半ズボンの服が出来上がっていた。


「たしかにコレなら関節部分には干渉しないな。麦わら帽子は何処から出てきたんだ?あと虫あみと虫かごもだが」


付属で3つも付いてきた。


・麦わら帽子

 日差しや紫外線をカットする

 耐久値:10/10  

 ランク:クリエイト

品質:2


・虫あみ

 虫を捕獲する

 耐久値:10/10  

 ランク:クリエイト

品質:2


・虫かご

 虫を中に入れる事ができる。

 耐久値:10/10  

 ランク:クリエイト

品質:2


「必要な道具でしょぉ?」

「戦いには不要なアイテムだろ」

「ちょっとしたお茶目でしょぉ。要らないなら返してもらうわぁ」


麦わら帽子等はミカに返却する。


次にミモザの所へと向かう。


「短剣?何に使うのよ?」

「コレに装備する為だ」

「あぁ、人形使いだそうね・・・鋼鉄製で構わないかしら?」

「それでいい」

「2日待って頂戴。先約が一杯あるからね」

「わかった」


本格的な戦闘訓練は短剣が出来てからだな。


それまでに子供マネキンがどの程度動けるのか確認する必要があるな。


・・・


・・・・・・


無事ミモザから鋼鉄の短剣を受け取り装備させてみる。


・木製マネキン(子供)

 木で出来た子供サイズのマネキン。

 服を着させる事が可能。

 短剣程度なら装備可能。

【鋼鉄の短剣】を装備している。

 人形使いで操る事が可能。

 木製用油によって手足の動きが滑らかになっている。

 120cm

 攻撃力:70

 耐久値:25/25  

 ランク:クリエイト

品質:2


この時点で俺のガントレット以上の攻撃力を持った人形だ。


「ふっ、はっ!」


シュッ、サッ


中央広場で俺の動きに合わせ子供マネキンを動かす。


「何やってんだこんな所で?」


ゴウキ達が俺の様子を見に来たらしい。


「動きをトレースしてる所だ」

「よく、自分が動いているのを人形にも伝えられますね?」


ソニーが疑問を投げかけてくる。


「慣れてくればコレくらいは出来るようになってくる。俺自身の動きを人形に同期させているような感じだ」

「では、他人の動きをトレースするのは難しいって事ですか?」

「難易度が変わってくる。他人の動き方を目で見て人形に伝えているからな。この前のPT戦もそれが目的だったからな」

「だから、ゴウキ達の動きを西洋人形に真似させていたのですね」

「そんな事していたのかよ」

「戦力として使うんだから自由自在だけじゃなくてそういった動きが出来るように訓練も必要だろ」

「よし、なら俺の動きについてこれるかやってみてくれ」

「街中で武器を振り回すのは駄目だろ。一旦外にでるぞ」

「おうよ」


ゴウキとソニーの3人で街の外に出る。他のメンバーは休みで自由に行動しているらしい。


ガシャッ


「じゃ、始めるぜ」


ゴウキが直剣を抜き構える。


スッ


その構え方を見て、子供マネキンにも同じ構えをさせる。


「ゴウキの構えと同じですね!」

「俺の構えってこんな感じなのか?自分の事だから知らなかったぜ」

「自分の動きって案外分かりませんからね」

「いくぜ。ついてこいよ?」

「あぁ」


その動きの一つ一つを見逃さないように注目する。


「セイヤッ!はぁああ」


ゴウキが何もない所で直剣を振り子供マネキンに真似をさせる。


「凄いですね」


・・・


「ゼェハァゼェハァ、俺からだと全然わからないがどうだったんだ?」


ゴウキが動きを止めてソニーに聞く。


「見てから動かしているのでラグが発生していますが、殆ど同じ動きをしていたと思いますよ。これなら前衛が1人増えるような物ですよ」

「課題は人形に集中しすぎると俺自身が動けない時がある。人形を動かしつつ、俺自身も動かないとダメなんだよな」

「そこまでしますか?」

「人形使いというからには2人分の動きが出来てないと駄目だろ」

「目標が高いですねぇ」

「俺なら無理だぜ。人形にずっと戦闘の動きを手動で動かして自分自身も動くなんてよ」

「自己満足なだけだからな。次はタイガーと戦ってみてもいいか?」

「近場だしな」

「いいですよ」


基本はゴウキが前衛を張り、俺の操る子供マネキンに遊撃を

担当させて、後ろでは俺とソニーで援護する形を取った。


「うぉりゃぁ!」

「ふっ」


ターゲットはゴウキで固定し、タイガーの脇腹に向けて子供マネキンで攻撃させる。


「糸防御術二式!」

「おっとぉ!」


左手にある1本でゴウキのフォローをする。


「ヒール」


ダガァン


バキィ


フッ


タイガーの一撃が子供マネキンにヒットし体の一部パーツが粉々になりその部分の糸に魔力が送れなくなった。


「三連閃!」


ギャァオオン


ゴウキの攻撃でタイガーは消え去っていく。


・鋼鉄の短剣

 鋼で作られた短剣

 攻撃力:70

 耐久値:300/300

装備可能職業:剣士

 ランク:クリエイト

品質:2 


・木製マネキン(子供)【破損】

 木で出来た子供サイズのマネキン。

 服を着させる事が可能。

 短剣程度なら装備可能。

【鋼鉄の短剣】を装備している。

 人形使いで操る事が可能。

 木製用油によって手足の動きが滑らかになっている。

 120cm

 攻撃力:70

 耐久値:0/25  

 ランク:クリエイト

品質:2


「見事に破損したな」

「すまねぇ」

「気にするな。耐久値25程度じゃ耐えられないからな」

「25しか無かったんですね」

「修理してもらうさ。今日の所はありがとうな」

「あぁ」 

「では」

お疲れ様でした。

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