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経験則が生かせない! 前編

お店に集まったのは私と長門さんと七瀬さんです、他は誰もいません。


お店のお仕事、第一は長門さんの指示による掃除でした。

因みにちゃんとお店の制服に着替えてますよ? 凄く着心地が良くて気持ちが良いです、服の材料はカシミアでしたっけ? それのお蔭なんでしょうか?

まぁそれはさておき、そんなお掃除も終わりました。


「では、開店時間も迫ってる、各々適度に頑張る様に」

「はい!」

「りょーかい」


そしたらお店の営業です、私と七瀬さんは元気よく応えます。

って、長門さん? 適度に頑張れて言うのは店長としてどうなんですか? とか思いましたが口には出しません。

恐らくですが笑顔でかるーく「はっはっはっ、まぁ気にするな!」と言って流されると思ったからです、なんか不安を感じたんですが気のせいですよね? そっそんなこんなでお仕事が始まります。



「ふぅ、長門さん商品の整理終わりました」

「うむ、じゃ次は七瀬にやる事を聞いてくれ」


"こんびに"と言う名のコンビニの開店時間になりました。

そしたら長門さんに早速仕事を頼まれました、それはまぁ、言った通りですね。

乱れている商品を綺麗に並べるお仕事です、食品の場合はきちんと賞味期限が近いのを前に出しています、これは"前だし"と言います。


で、それが終わったので長門さんに言ったら七瀬さんに聞けと言いました。

なので七瀬さんの所に行きました。


「と言う事なんですが次は何をすればいいですか?」

「んー、開店したばかりだからやる事がない……だからレジに立っていて」

「はい、分かりました」


レジは2つあります、片方のレジには長門さんがいるので私はもう片方のレジに向かいます。


それにしてもお客様来ませんね、三が日だからでしょうか? と思っていたら太めの男性客が現れました。


「いらっしゃいませー」

「「いらっしゃいませー」」


はい、今のは"山びこ挨拶"と言います。

まるで山びこの様に繰り返し挨拶するコンビニでの挨拶ですね。


まさか東京に来てするとは思ってませんでした。

でもあれですね、仕事してそんなにたってないからこう思うのはあれですけど……私、上手くやれそうですね。


と言うか私はコンビニでアルバイトしてましたからね、大概はこなせちゃいますよ。

言ってしまえば経験則って奴です! ふふふ、何でもどぉーんと来いって事ですよ! と思っていたら長門さんのレジの所にさっきのお客様がカゴを持って来ました。


「すいません、コンチキ1つ下さい」

「ん、了解した」


コンチキ、開店前の掃除の時に聞きました。

コンチキとはコンビニチキンの事です、言ってしまえば鳥の唐揚げですね。

形はスティック状、その上にコンソメパウダーを振ってあります、他にも色んな味があってお客様を飽きさせない、このお店の大人気商品の1つだそうです。

名前、もうちょっとなんとかならなかったんですかね?


と、思いつつも私は長門さんをサポートします。

コンチキをケースの中から取りだし専用の紙袋にいれテープで接着、それをお客様に渡します。

その間に長門さんは会計作業をします、テキパキとして素早いです、さすが店長ですね。


「合計853円だ」

「あっ、じゃこれで」


お弁当、お茶、コンチキを買ったお客様……茶色の長い財布から1000円を取りだしそれをレジテーブルの上に置きます。


「ふむ」


それを受け取った長門さん、あっあれ? なんか考えてますけど何でですか? 早くレジにお金いれて商品をレジ袋にいれないといけないのに、何してるんでしょう?


小首を傾げて長門さんを見る私、これ私がやった方が良いですかね? と思った時でした。

長門さんが、カッ! と目を見開きお客様に1000円を突き出しました。

え? え? と困惑するお客様に長門さんは勢い良くこう言いました。


「押しが弱いぞ! やり直しだ!」

「は? えっえーと」


お客様を睨み付ける長門さん、意味不明な言葉を言ってます。

なっなにいってるんですかこの人、わっ訳が分かりませんよ、おっ押しが弱い? どっどういう事ですか?


「もっとこうがっと突き出すとか無かったのか? 男だろ! そんなんじゃ女の心は揺るがないぞ!」

「あっあの長門さん?」


どっどうしよう、本当にどうしよう、もうお客様きょとんとしてるじゃないですか。


「えっえと、はっ早く会計して欲しいんですが」


こりこりと頬をかき苦笑いするお客様、そりゃそうです物を買おうとしたら訳の分からない事を言われたんです、早く立ち去りたいですよね。


「黙れメタボ! お前の今する事は私の言葉を聞く事だ! いいか? お前の様な男がいるから私の様な奥手な女が泣きを見るんだ! 必死でアピールしてるのにそう言う男は素っ気ない顔でスルーしてしまう! あぁ腹立たしい!」


なんか始まったんですけど、これどうすれば良いんですか? こんなのバイトで経験した事ないですよ?

もう困りすぎて私は顔から汗を掻いちゃってますよ、お客様に至っては「そっそんな事急に言われても」と呟いて目をおよがせてます。


まっ不味いです、これは早速七瀬さんに助けを。


「胡桃!」

「ひゃっ! ひゃい!」


うわっ! びっビックリしました、急に話し掛けられちゃいました。

って……なんで睨んでるんです? 私何かしました?


「お前も何か言ってやれ! さぁがっつんと言うんだ!」

「え、あっえと」


"がっつん"じゃなくて"がつん"ですよね? なんて突っ込みとか気にしてる場合じゃありません、もう私はパニック状態です。


だっだれかこの店長を止めてください、私には手に負えません!


で、私は思いました。

このお店は店長が変な人だと! だっ大丈夫ですかこの職場? 私上手くやっていく自信が一気に無くなっちゃいましたよ。


と嘆いても仕方ありません、仕事は始まったばかりですから、この時もっと大変な事が後々次々と起きる事なんて、私は知る由もありませんでした。

こんなコンビニねぇよ! と言う突っ込みは無しの方向でお願いします。

いやぁ……賑やかなコンビニですねぇ。


今回も読んで頂きありがとうございます、次の投稿日は5月7日になります。

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