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魔物に包囲された塔で半年間の籠城を命じられた狩人部隊、仲間たちは少しずつ壊れていき、救援隊が来た時には俺しか残っていなかった  作者: りつりん
第一章

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5話 死肉と化した馬車

「まだ終わらない……!」


 イグナーツが歯を食いしばった。

 車輪の破損により速度はさらに落ち、馬車は限界を迎えつつある。


「イグナーツ、このままでは追いつかれる! どうする!?」


 エリザベートが叫んだ。


「積載物を捨てろ! 車体を軽くする! 全員、今すぐ捨てろ!」


 イグナーツが号令を出す。


「「「了解!」」」


 全員が即座に動き出した。荷台に積まれた積載物――予備の弾薬、回復薬、武器、食料、衣類、毛布、水筒、工具――を次々と荷台の外へ投げ捨てる。


 エリザベートは予備の槍を投げ捨て、カタリナは魔術書の束を投げ捨てた。

 ヴィオラは予備のボルトケースを投げ捨て、リュネットは予備の刃を投げ捨てる。


 セシリアは食料の袋を投げ捨て、ガロットは予備の弾薬箱を投げ捨てた。

 ヴェルナーは予備の鎧を投げ捨て、ルーカスは工具箱を投げ捨てる。


 積載物は次々と荷台から投げ捨てられ、地面に落ちて砕けた。

 夜獣たちは、それらを踏みつけ、蹴散らしながら追撃を続ける。


 馬車は少しずつ軽くなり、速度がわずかに回復した。

 だが、依然として車輪の破損により不安定であり、限界は近い。


 その時、一体の夜獣が驚異的な速度で馬車に近づいてきた。

 それは四足歩行型の血餓狼――だが、その体躯は他の獣よりも一回り大きく、筋肉の塊のような巨躯が地を這う。


 黒灰色の体毛が逆立ち、赤く爛れた瞳が憎悪に燃えている。

 牙は人の頭蓋を噛み砕くほどに鋭く、鉤爪は刃のように研ぎ澄まされていた。

 その獣は馬車と併走し、馬の脚腱を狙って飛び掛かる。


「まずい!」


 イグナーツが叫んだ。

 獣の鉤爪が馬の後脚を引き裂き、腱が断たれる。


 馬が悲鳴を上げ、血が飛び散る。一頭の馬が脚を失い、倒れ込む。

 その瞬間、荷台の奥で何かが暴れ始めた。


 魔導書である。

 荷台の奥に積まれていた古い魔導書――封印されていたはずの禁書――が、橋の崩壊と車輪の破損による衝撃で封印が解けかけていた。


 魔導書から禍々しい魔力が漏れ出し、荷台全体を覆う。

 空気が歪み、温度が急激に上昇する。


「魔導書が暴走しそう……!」


 カタリナが叫んだ。


「セシリア、お願い!」


 エリザベートが叫ぶ。


「はぁい、わかりましたわ」


 セシリアが優しく答え、杖剣を握りしめて魔導書へと駆け寄る。

 淡いミルクティーブラウンのゆるふわウェーブが揺れ、ツインお団子から毛先がふわりとほどけた。


 まんまるな目に、ほんのりピンクがかった頬。

 タレ目気味の金色の瞳がゆったりとした光を湛え、口元には柔らかな微笑が浮かぶ。


 生成色のロングコートワンピースが風に煽られ、豊満な胸が大きく揺れる。

 彼女は杖剣を魔導書に向け、魔力を込めた。


「えへへ……静かに、してねぇ……」


 セシリアの声は甘く柔らかいが、その魔力は圧倒的である。

 杖剣の先端から光の鎖が伸び、魔導書を縛り上げた。


 魔導書は激しく暴れるが、彼女の魔力によって徐々に鎮静化していく。

 その間、エリザベートとカタリナは魔法陣を展開させていた。


 エリザベートは聖銀の槍を振るい、周囲の木々に閃光を放つ。

 木々が次々と倒れ、道を塞いでいく。


 白金の髪が風に舞い、蒼い瞳が冷徹に光る。

 深紅のロングコートが揺れ、豊かな胸が呼吸と共に大きく上下した。


 カタリナは魔術刻印杖を振るい、地面に氷結魔術を放つ。

 地面が凍りつき、夜獣たちの足を滑らせる。


 淡い薔薇金の髪が風に乱れ、大きなライラック色の瞳が輝く。

 豊満な胸が激しく揺れ、ミスリル糸と黒絹を組み合わせた魔術装束が風に煽られる。


「これで時間を稼ぐ……!」


 エリザベートが叫んだ。だが、夜獣たちは諦めない。

 倒れた木々を跳び越え、凍りついた地面を駆け抜け、執拗に追撃を続ける。

 そして、次々と口から腐食液を吐き、馬車へと降り注ぐ。


「まだ来る……!」


 ヴィオラが叫ぶ。その瞬間、天候が急激に悪化した。

 空が暗くなり、雷鳴が轟く。雨が降り始め、強風が吹き荒れる。

 雷光が森を照らし、木々が激しく揺れる。雨は瞬く間に土砂降りとなり、視界が遮られた。


「雷雨だと……!」


 イグナーツが叫んだ。

 雨は冷たく、風は激しい。馬車全体が揺れ、荷台の全員が雨に打たれる。

 エリザベートの白金の髪が雨に濡れ、深紅のロングコートが重くなる。


 カタリナの淡い薔薇金の髪が雨に濡れ、魔術装束が肌に張り付く。

 豊満な胸の形がくっきりと浮かび上がり、乳首の形すら透けて見える。


 ヴィオラの深紅と墨黒の軽装甲が雨に濡れ、身体のラインが強調された。

 豊満な胸が雨に濡れ、強化革製の拘束ベルトが食い込む。


 リュネットのダークグレーと漆黒の高機動戦闘衣が雨に濡れ、身体に密着する。

 細腰からの曲線が美しく、腰回りのラインが色香を漂わせた。


 セシリアの生成色のロングコートワンピースが雨に濡れ、豊満な胸が透けて見える。

 乳房の形がくっきりと浮かび上がり、乳首の色すら透けて見えた。


 四頭の馬は雨に打たれ、泥に足を取られ、疲弊を顕わにしている。

 長時間の全力疾走により体力は限界を迎え、蹄が地面を蹴るたび血が滲む。

 一頭の馬は既に脚腱を断たれ、三本脚で走っている。


「馬が限界だ……!」


 イグナーツが叫んだ。その瞬間、先頭の馬が転倒する。

 蹄が泥に足を取られ、前脚が折れた。馬が悲鳴を上げ、地面に倒れ込む。


 次いで、二頭目、三頭目、四頭目の馬が次々と転倒する。

 体力の限界が訪れ、馬たちは地面に倒れ伏した。


 馬車は前方へと突っ込み、そして横転する。

 鉄製の車輪が砕け、車体が地面に叩きつけられた。


 荷台の全員が宙に投げ出され、周囲に吹き飛ぶ。

 エリザベートは木に叩きつけられ、背中を強打する。


 白金の髪が乱れ、深紅のロングコートが泥に汚れた。

 彼女は痛みに顔を歪め、聖銀の槍を握りしめたまま地面に倒れる。


 カタリナは地面に叩きつけられ、魔術刻印杖を手放す。

 淡い薔薇金の髪が泥に汚れ、魔術装束が裂ける。


 豊満な胸が露わになり、乳房の形がくっきりと見えた。

 彼女は痛みに顔を歪め、地面を這う。


 ヴィオラは地面に転がり、左腕をさらに痛める。

 深紅と墨黒の軽装甲が裂け、豊満な胸が露わになった。

 乳房が揺れ、乳首が雨に濡れる。


 彼女は痛みに悲鳴を上げ、地面に倒れる。

 リュネットは木に叩きつけられ、双刀を手放す。


 ダークグレーと漆黒の高機動戦闘衣が裂け、腰回りのラインが露わになる。

 彼女は痛みに顔を歪め、地面に倒れた。


 セシリアは地面に叩きつけられ、杖剣を手放す。

 生成色のロングコートワンピースが裂け、豊満な胸が露わになる。


 乳房が揺れ、乳首が雨に濡れる。彼女は痛みに顔を歪め、地面を這う。

 ガロットは地面に転がり、黒蛇の鎖剣を握りしめたまま倒れる。


 深墨色のロングコートが泥に汚れ、背中から腰にかけて複数のホルスターが揺れた。

 ヴェルナーは地面に叩きつけられ、黄金の大剣を握りしめたまま倒れる。


 白と金を基調とした布鎧が泥に汚れ、銀縁のロングマントが裂けた。

 ルーカスは地面に叩きつけられ、戦鎚を手放す。


 鉄打ちの重コートが泥に汚れ、金属のプレートアーマーが砕ける。

 ユリウスは地面に転がり、レイピアを手放す。


 黒を基調としたロングジャケットが泥に汚れ、胸元の革紐の編み込みが完全に解ける。

 イグナーツは地面に叩きつけられ、手綱を握ったまま倒れた。


 濃藍の羽織が泥に汚れ、黒革の甲冑が砕ける。

 右耳の真鍮の耳飾りが揺れ、左手の黒紐の腕輪が軋む。


 馬車は完全に破壊され、荷台は砕け、車輪は粉々になった。

 積載物は散乱し、馬たちは地面に倒れ伏したまま動かない。


 そして雷雨は激しさを増し、夜獣たちの咆哮が響く。

 倒れた馬たちには、夜獣たちが群がった。


 数十体の血餓狼と夜狼が、倒れ伏した四頭の馬へと殺到する。

 獣たちは飢えた眼光を爛々と輝かせ、涎を垂らしながら馬の首に噛みつく。


 先頭の馬は既に息絶えており、その首に血餓狼の牙が食い込んだ。

 肉が裂ける音が響き、血が噴き出す。


 獣は馬の首を掴み、力任せに引きずり倒した。

 馬の頭部が胴体から引き剥がされ、皮膚が裂け、筋肉が露わになる。


 骨が砕ける音が響き、血が地面に流れ出す。

 別の血餓狼が馬の腹部に噛みつき、内臓を引きずり出した。


 腸が地面に零れ落ち、胃袋が破裂して未消化の草が散乱する。

 その内臓を奪い合い獣たちは、互いに唸り声を上げながら貪り食う。


 血と臓物の臭いが雨に混ざり、鼻を突く。

 夜狼たちは馬の四肢に群がり、鉤爪で肉を引き裂いた。


 筋肉が剥がれ落ち、骨が露わになる。

 獣たちは骨を噛み砕き、髄液を啜った。


 骨が砕ける音が雨音に混ざり、血が地面を赤く染める。

 まだ息のあった一頭の馬が悲鳴を上げた。


 だが、その喉に夜狼の牙が突き刺さり、声は途絶える。

 血が噴き出し、馬は痙攣しながら息絶えた。


 その死肉に獣たちは群がり、肉を引きちぎり、骨を砕き、血を啜る。

 雨に濡れた地面は血と臓物で汚れ、馬の残骸が散乱した。


 獣たちは血に塗れた口元から荒い息を吐き、満足げに唸る。

 その光景を、倒れ伏したイグナーツは見ていた。

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