宿の計画実行開始1
コブクロのここにしか咲かない花を聴きながら書いています。
何度も言いますが私の仕事のストレス発散の為の小説であり、いわば自分自身で行う福利厚生です。
したがって投稿は仕事のある日のみに行います。
翌朝9時頃、健太はゆっくりと目を覚ました。
隣では、ゆかりとみよりが一糸纏わぬ姿で穏やかな寝息を立てていた。
健太はしばらく二人の寝顔を優しく見つめ、心の中で思った。
(なんだかすごい光景だな……一ヶ月前の俺に言っても絶対に信じてくれないだろうな……)
二人が目を覚まさないよう静かに起き上がり、背伸びをして服を着た。
台所で朝食の支度をしながら、健太は包丁を動かしていた。
野菜を切りながら、心の中で色々と考えを巡らせていた。
(ビニールハウスの水やりは自動設定で大丈夫だな……しかし動物達の餌やりまで出来るなんて、京介の奴偉いものを作ってくれたな。
自動設定だとバグが多いからとか言ってたが、こりゃ農業の革命だぞ。
後で朝食作ったらビニールハウスの様子を観に行くか。
そういえば京介の奴いつ来るって言ってたっけ?
次はデータ取りに来るのと新技術を試したいとか言ってたな。
新庄の建設と被るとごちゃごちゃするからな……)
そう思いながらカレンダーを見た。
(そうか、8月か……熱い時期に来やがって。
まぁ盛大に歓迎してやるか。)
親友の功績を讃えながら、健太は歓迎の準備を模索しつつ、朝食を作り続けた。
味噌汁、豚肉の炒め物、鯖の味噌煮、野菜のおひたしなど、6品ほどを丁寧に仕上げた。
ある程度朝食を完成させると、ゆかりとみよりが健太の部屋から起きてきた。二人共パジャマ姿だ。
ゆかりはあくびをしながら、
「おはよう健太! いい匂いね。やっぱり朝は健太の味噌汁飲まないと始まらないわね」
みよりは逆にシャキッとした顔で、
「おはよう健太君! お腹ぺこぺこだよ〜。昨日沢山……運動! したからね」
そう言ってニヤッと笑うと、ゆかりも揶揄うように頰を赤らめながら、
「本当に健太は凄かったわよ。最後の方なんか何が何だか分からなくなってた……」
と言い、手をわざとらしく頰に当てた。
健太は苦笑いしながら、
「それだけ元気あるなら大丈夫だな〜。お皿用意して、朝食の準備手伝って」
と言うと、二人は元気よく返事した。
「はーい!」
二人は食器棚から皿を出して、出来上がった料理を盛り付け始めた。
朝の台所は、三人の笑い声と美味しそうな匂いで満ちていた。
「いただきます‼️」
三人の元気な声が居間に響き渡った。
朝食を食べ進めながら、ゆかりが健太に問いかけた。
「そういえば、今日は工務店行って宿の詳細を確認するんでしょ?
一応私たちにも先に概要だけでも教えてもらえると、女性からの目線とかも言えるからいいと思うのだけれど」
健太は頷きながら、
「そうだな! じゃあ食べ終わった時間まで概要を説明しよう。
もし時間が来たら車の中でも話せばいい」
みよりが興味津々に聞いた。
「そもそもなんで宿やろうとしたの?」
健太は少し照れくさそうに笑い、
「それを話すと長くなるから、今日の夜にでもしよう」
みよりは笑顔で頷いた。
「うん、わかった!」
食事後、健太は自分の部屋から大きな図面を持って戻ってきた。
「居住スペースと宿のスペースは別々にした。万が一ってことがあるからな、こっちが居住スペース1階の図面ね」
そう言って、テーブルの上に図面を広げた。
三人は図面を囲むようにして身を乗り出した。
健太は指で図面をなぞりながら説明を始めた。
「玄関を背にして左側が24畳のリビング。その更に左側に二間続きの和室部屋がある。2間共リビングの左側に来る様にして、両方にドアを付ける。
玄関から右側がキッチンと食事スペースだ。こっちにはシステムキッチンとか大型冷蔵庫とか、料理に関する物は大体揃えるつもりだ。
廊下を真っ直ぐ突き当たりにT字路になっていて。左側がリビングに行く扉と和室に行く扉、右側がトイレとお風呂。T字路の正面には扉があり、この扉が宿泊スペースのフロントに渡り廊下で繋がっている。
2階への階段はリビング横、丁度リビングの扉のすぐ近くだよ」
みよりが目を輝かせて、
「わぁ、広そう! リビング24畳ってすごいね! 和室も二間あるんだ……」
ゆかりも真剣に図面を見つめながら、
「動線がしっかりしてるわね。宿泊客と居住スペースが完全に分かれてるのも安心だわ。
女性目線だと、洗面所やお化粧スペースを広めに取ると嬉しいかも」
健太は二人の意見を聞きながら頷いた。
「いい指摘だ。二人からの意見も取り入れて、もっと住みやすくしたいと思ってるよ」
ゆかり「でももう設計は出来上がってるんでしょ?」
健太「内装とかならまだ多少は融通が効くよ。今からでも女性向けにもできるし」
健太は2階の図面も広げて説明を続けた。
「2階は居住スペースしかない。
階段を上がってすぐ左側に廊下がある。廊下を進むと2手に分かれて、正面が和室と洋室に行く扉、左に行くと左右に扉があって、一番奥の右側が奥の洋室に行く扉、左側がもう一つの広い洋室の扉だ。
ここの一番奥の和室は手前の和室と襖で繋がっている。
各部屋に収納もたっぷり取る。今後子供が増えたり、急な来客があった時の為にね」
ゆかりが図面を見て頷いた。
「和室が2つあるのはいいわね。来客があった時も安心だわ。それに広い洋室も良いわね、何処をどう言う部屋にするかはまだ決めてないの?」
健太「決めてないよ、3人で話し合って決めたいと思ったんだ」
みよりも嬉しそうに、
「収納が多いのも嬉しい! 私達の荷物もたくさん置けそう!」
健太が時計を確認して、
「おっと、そろそろ時間だな。続きは車の中で話そうか。二人共準備してきな」
ゆかりは柔らかく微笑みながら、
「わかったわ。ありがとう健太、設計図まで出して丁寧に説明してくれて」
みよりも嬉しそうに目を細めて、
「すごくわかりやすかった! 新しいお家に宿ができるなんて、本当に楽しみ!」
そう言って、二人は部屋を出て準備を始めた。
三人はトラックに乗り込んだ。
健太が後部座席に乗っている二人をミラー越しに見て、
「今日は高速に乗ってちょっと遠くに行くから少し時間かかるけど、車酔いとか大丈夫?」
ゆかりは落ち着いた声で、
「私は大丈夫よ」
みよりが少し心配そうに、
「私はちょっと心配かも……ドラッグストア行って酔い止め買っていい?」
健太は笑顔で頷いた。
「いいよ。時間には十分余裕持ってるから」
そう言ってエンジンをかけ、トラックを発進させた。
途中、近くのドラッグストアに寄った。
健太の両腕にみよりとゆかりが自然に腕を組んで入店した瞬間、店内のお客さんや店員の視線が一斉に三人に向けられた。
レジにいた20代後半の女性店員は、商品をスキャンする手を止め、目を丸くして固まった。
(え……三人で……? 腕組んでる。どっちが本命? でもあのお兄さん遊び人って感じじゃないし、女性二人もそう言う感じじゃないし、どういうことぉ?)
と心の中で驚きながら、慌てて視線を逸らした。
棚の前で在庫確認をしていた40代の男性店員は、商品を落としそうになりながら、
「は? あの人、どっちが妻だ? もしかして両方か? 嫌々そんな羨ましい事この世にあるわけないだろ!」と口を半開きにしたまま、ぼんやりと三人を見つめていた。
化粧品コーナーにいたパートのおばさんは、隣の同僚に小声で囁いた。
「あらまぁ……若いのに大変ねぇ。あの男性、両方面倒見てるの? 最近の若い子は進んでるわね〜!」
若いカップル客の女性は彼氏の袖を引っ張り、
「ねぇ見て! 三人で腕組んでるよ……どういう関係かな……?」
「嫌どっちかだろ? 二人同時はないでしょ?」
と興奮気味に囁いていた。
店内が一瞬、静かになったような気がした。
みよりは少し照れくさそうに健太の腕をぎゅっと握り、ゆかりは落ち着いた様子ながらも頰を少し赤らめていた。
健太は苦笑いしながら、
みよりが「健太君 みんな見てる恥ずかしい!」
と言うとゆかりが「気にしないの、変に気にすると余計疑われるわ、変なトラブルを避ける為にも堂々としてなさい」
そう言って更に健太の腕にギュッと抱きつく。その瞬間先程のカップルは「マジか! 両方!」
「キャー凄くない? 大金持ちかな? 今からあの人の所に行こうかなぁ」
と言う声が聞こえる。
酔い止めを買い、堂々として店を後にした。
主人公宅の画像に関しては誠に申し訳ないのですがやっつけ適当です。仕事終わりにそんな作業できませんので、参考程度にって事で
皆様に大変申し訳ないのですが、ちょこちょこ誤字脱字修正や最新話の編集によりボリュームアップを行いますので、前回読んだところも少し変わっている可能性があります。大元は変わりません、あくまで微調整です。




