芸術を探す旅
真央学院の週末の朝は、だいたいだらけた睡眠やゆったりとした朝食、あるいは自発的に計画した気楽な活動に費やされる。
だが、生徒会予備部に無理やり入れられたダイクにとって、週末の早朝はたいてい高空体験を意味する。
今、彼は「秩序の塔」最上階の広大なプラットフォームにいる——憎くてたまらない、同時に恐ろしい場所だ。
魔法で調整された強烈な気流が四方八方から押し寄せ、まるで見えない巨大な手が彼を包み、支え、投げ飛ばす。
ダイクは歯を食いしばり、四肢を伸ばして体勢と重心を調整しようとする。腹筋と尻尾の動きを利用し、荒れ狂う気流の中で少しでも均衡を見つけようと試みる。
「悪くないな」
だるそうな声が下から響いた。
竜人会長のドラゴ・ドラキがプラットフォームの端に立ち、熱い湯気の立つ飲み物を手に持っている。巨大な竜翼は背後でゆったりと羽ばたき、まるで朝のストレッチをしているだけのようだ。
「だいぶ慣れてきたみたいだな、ダイク。少なくとも、前ほど凄まじい叫び声を上げなくなった」
ダイクの心に喜びが湧き、尻尾は思わず得意げに跳ね上がる。確かに、この苦しみに満ちた「適応訓練」を重ねたおかげだ。
高空への恐怖は残っているものの、この「風に遊ばれる」状況に対しては、体を少し制御できるようになり、完全にパニックに陥ることはなくなった。
もしかしたら、少し才能があるのかも?
「ちょっと自慢し始めているな」
ドラゴは彼の心を見透かしたように、口角を悪戯っぽく上げる。コップを置き、ゆっくり立ち上がった。
ダイクの警戒心が一気に高まる!
ドラゴの背中の竜翼が勢いよく羽ばたく——強風を生み出すのではなく、奇妙な収束動作を見せた。
プラットフォームに人工的に作られていた強風が瞬く間に止まった!
風の支えを失ったダイクは、たちまち落下し始める!
「わあっ——!」
だが落下は一秒も続かない。暗金色の鱗に覆われた力強い竜の爪が、的確に彼の後首皮(豹人はここの皮が厚くて助かった)を掴み、空中に吊り上げた。
「か、会長?」ダイクは宙に浮き、四肢を硬直させ、訳が分からない様子だ。
「調子に乗るなら、難易度を上げてもいいってことだ」
ドラゴの声は相変わらずだるいが、金色の竪瞳には悪意のある光が煌めいている。
「いつも『雛鳥の飛翔練習』レベルの風じゃ、つまらない。『だいぶ慣れた』と思っているなら……」
彼は一瞬止まり、口を大きく開けて白い鋭い牙を見せ、にっこり笑う。
「なら、幼竜クラスに、少・し・だ・け強化してみよう!」
「えっ?待って!会長、まだ俺は……」ダイクの懇願の声は唐突に途切れた。
ドラゴは聞く耳を持たず、腕を振り上げ、槍を投げるように、プラットフォーム外の広大な空へ彼を勢いよく放り投げた!
同時に、ドラゴの竜翼がまた激しく羽ばたいた。今度は支えたりからかったりする風ではない。竜族の威圧を帯びた、さらに狂暴で凝縮された恐ろしい気流が後から追いつき、投げ出されたダイクを一気に呑み込む!
「ああああああ——————!!!!!」
ダイクの叫び声は瞬く間に嵐の轟音に飲まれる。今回の風力は、これまでどの訓練より三倍以上激しい!
均衡を取る練習などではなく、まるで体を引き裂き、吹き飛ばそうとしているかのようだ。暴風雨の中の枯葉のように体の制御が完全に利かなくなり、視界がぐるぐる回り、内臓が位置を変えそうな感覚に襲われる!
豹人の朝は、またも空中の恐怖劇で幕を開けた。
午前九時半、見慣れた自習室。
扉が力なく引き開けられ、ダイクがほとんど「這うように」入ってくる。毛はぼさぼさ、目はうつろ、足元はふらつき、今にも崩れそうだ。
くたくたの体を引きずり、いつもの椅子のそばまで移動し、「どさっ」と座り込んで、血の涙を含んだ長いため息をついた。
「……人が……少ない……」
硬直した首を回し、自習室を見渡す。
今日はとても閑散としている。窓から陽光が差し込み、空を舞う塵を照らすが、活気はほとんどない。
現在「骨折り損小隊」のメンバーで到着しているのは三人だけ——自分、格賀、そしてカフイ。それに、見知らぬ人影が一人?
その人影は窓際に座り、入口に背を向けている。柔らかい濃栗色の長髪を一本のヘアバンドで後ろに束ねている。
おしゃれなサングラスをかけ、シンプルで着心地の良い亜麻シャツにズボンを身に着けている。今、スケッチブックと炭筆を持ち、目の前のものに集中して描いていた。
目の前ではカフイが陽だまりの中に立ち、わざとらしいポーズを取っている。片手を腰に、もう一方の手で頬に触れ、頭を少し上げ、明るく少し誇らしげな笑みを浮かべる。まるでミスコンかファッション撮影でもしているかのようだ。
「他の連中は?」ダイクは力のない声で尋ね、見知らぬ描き手とカフイの間を視線で行き来させる。
カフイはポーズを保ったまま唇だけ動かし、気声で答える(表情を崩さないように)。
「爪原は犬人同好会の週末合同追跡訓練に行ったの。校外の森でやるんだって。
マッシュルは、ここに着いた瞬間、植物同好会の興奮しやすい花妖の部長に『誘拐』されちゃった。『週末胞子採集の絶好期』だって。
ウォフは強健同好会の訓練場で一日中過ごすって」
格賀はいつもの席に座り、分厚い典籍や複雑な図面を広げ、魂火が穏やかに燃えている。話を聞いて顔を上げ、平板な骨の声で補足する。
「魔研同好会の予定していた核心実験室が、古代ルーンを再現しようとしていた先輩たちによって……不慮の『一時的空間再構成』を起こしたため、場所の修復が必要になった。そのため今日は暇だ」
ダイクは口角を引きつらせる。真央学院のサークル活動重視ぶりは尋常ではなく、サークル活動の評価点が成績判定に大きく影響すると聞いたこともある。
週末にこうして「ぶらぶら」自習室に集まれるのはむしろ少数派だ。
「カフイ……」ダイクはポーズを続ける鳥翼族の少女を見る、「お前はどうしてサークルに入ってないの?」
自分が予備部に強制加入させられた悲惨な経験を思い出す。
カフイはようやく「モデルタイム」を終え、体の力を抜いてぴょんぴょんと席に戻り、菓子を一口食べながら曖昧に話す。
「私、サークルに入ってないよ」
「え?」ダイクはぽかんとする。
「生徒会から最終通告の書類は受け取ったけど、届け出に行かなかったの」カフイは肩を竦め、ピンクのアホ毛が揺れる。
「そしたら……誰も追ってこないの。多分目立たないと思われたか、忘れられたのかな。とにかく面倒をかけられないから、気楽に過ごしてる~」
ダイク:「……」
なぜ?!どうして?!ヴィグのような「特権階級」(あるいは忘れられた幸運児)を目の当たりにした気分だ!あまりに不公平だ!心の中では叫んでいるが、体が疲れすぎて、叫ぶ力も残っていない。
「まあいい……」自棄っぽく手を振り、尋ねる。「あ……あいつは誰?新しい顔?」
ダイクの質問を聞いたらしく、背中を向けた描き手が炭筆を置き、低く磁気のある笑い声を上げた。
「ふふふ……この前芸術の殿堂で会ったばかりなのに、もう忘れてしまったのか。悲しいことだよ、ダイクくん」
この声……
ダイクの耳が勢いよく立ち、尻尾の毛が少し逆立った!信じられないと目を見開く!
その人物はゆっくり振り返り、手を上げる。
優雅にサングラスを外し、頭後ろのヘアバンドをそっと引き抜く——濃栗色のかつらとヘアバンドが一緒に外れ、溶けた金のように輝く金色の長髪が現れた。長髪がばらりと広がり、立ち上がる動きに合わせて揺れる。
顔には、計算し尽くされた「美しさ」と「魅力」を最大限引き出す笑みが浮かび、宝石のような瞳がダイク、格賀、カフイをなぞる。
「ははは、そう——ホセだ!」両腕を広げ、大げさな登場ポーズを決める。まるで見えないスポットライトが自分に当たっているかのようで、自習室まで彼の存在で「輝きだす」ようだ。
「(魔界の上品な罵り文)!」ダイクは思わず悪口をつぶやき、思わず手で目を覆う、「まぶしい!魔力電球でも食べて育ったのか!自発光エフェクト付きじゃん!」
「これは生まれつきの美しさ、内面から滲み出る芸術の光だ」
ホセはこの遠回しな「褒め言葉」を素直に受け取る。
かつらとサングラスをそばに置き、昨夜の「芸術大師」の風格に戻る。簡単な私服を着ているのに、オーラは満ちている。
「それで……」ダイクはズキズキ疼くこめかみ(高空訓練の後遺症に、目の前の男の刺激が加わった)を揉み、嫌そうな顔で問う。「一体誰が、こいつをここに入れたの?」
昨夜の「裸身芸術展」の衝撃のせいで、ダイクのホセに対する評価は最低ラインまで落ちている。
格賀の魂火は穏やかに燃え、下顎を動かし、事実を述べる。
「自習室は学院の公共エリアだ。基本ルールを守る限り、どの生徒でも利用する権利がある」
言外に、ホセがここにいるのは正当で合法だ、という意味。
ダイク:「……」反論できない。
ホセはダイクの嫌がる様子を気にせず、画板を持ってダイクの前まで来る。「芸術の分からない凡人たちの審美眼を少しでも高めよう」という使命感を顔に浮かべる。
「私がここにいる理由を考えるより、そちらに注目したらどうだ」
ホセは炭筆で画板を軽く叩く。
「私はここで、間近で観察し、感受し、君たち——特にダイクくん——救いを待つ貧相な審美観を高めようとしているのだ」
「男の体なんて見たくない、特にお前のなんて」ダイクは白目をむき、顔をそむける。
「ふふ、浅はかだな」ホセは頭を振り、金髪が揺れる。「私が研究している『魅力の究極芸術』という課題は、表面的な認識に留まっている君たち凡人には、まだ早すぎ、難しすぎる」
「だが——」話を転じ、顎を上げる。「真の芸術家として、音楽や絵画といった伝統的な芸術表現なら、当然自在に扱い、造詣も深い。昨夜のパーティーに飾られていた絵の多くは、私自身が描いた傑作だ」
ダイクは思い返す。昨夜は「魅魔のお姉さま」への期待、その後の衝撃で頭がいっぱいで、壁の絵などまったく見ていなかった。
「……昨日、絵なんて全然見てなかった」素直に認める。
「信じないのか?」ホセは眉を上げ、挑発されたような様子。画板を裏返し、ダイクに向ける。
「見ろ、さっきカフイくんのために描いた速写だ。どうだ?」
ダイクは渋々一瞥した瞬間、目を大きく見開いた。
画用紙の炭筆の線は滑らかで正確、明暗の処理も絶妙だ。
絵の中のカフイは、さっきのわざとらしいポーズを取っているが、芸術的に加工されると、その不自然さが軽やかで愛らしさへ変わる。陽だまりの羽の質感は繊細に描かれ、表情も生き生きとしており、画面全体が軽快で喜びに満ちた美しさに包まれている。
画風は少し華やかだが、否定できない——とても上手い!生き生きとしている!
「(魔界の上品な感嘆)!」ダイクは思わず声を上げる。「すごい……いや、本人より雰囲気がある!」ホセには確かに絵の腕前があると認めざるを得なくなった。
ホセは得意げに鼻を鳴らす。「だろう~これが芸術家の目と筆さ」
ダイクは画板に近づいてもう一度見、疑問を抱く。
「でも……これ、本当にカフイなのか?」
絵の中のカフイは体の比率が少し「最適化」されており、より細長く優雅に見える。本人の飛び跳ねるような幼さは薄れ、夢見がちな雰囲気が増している。
カフイも寄ってきて絵を見ると、目が星になる。
「うわあ!完璧な私……ホセくん、すごく綺麗に描いてくれた!大好き!」彼女は自分が芸術的に手直しされたことを全然気にしていない。
「私の目に映るカフイくんは、こんなに可愛く輝いた存在だよ」ホセは穏やかに微笑む。嘘のないような口調だ。
ダイクは「美を捉える芸術家」然としたホセの姿と、喜ぶカフイを見て、どう評価すればいいのか分からなくなる。
こいつは審美観が風変わりでナルシスト全開だけど……ある面では本物の実力を持っているのか?
「よし、雑談はここまで」ホセは画板を片付け、再び濃栗色のかつらとサングラスをかける(瞬く間に控えめな描き手に変装)。
「週末の暇な時間だ。私はこの学院で、本当に『芸術の薫り』を理解していると思う先生を訪ねるつもりだ」
言ってから一同を見渡す。
「どうだ、一緒に見に行かないか?君たちの俗事に汚れた感覚を少し洗い流せるかもしれない」
ダイクは即座に首をブンブン振る。
「い・や・だ」
冗談じゃない!この「裸身芸術家」と一緒に、彼が認める「芸術の先生」に会うなんて!
想像するだけで、まともじゃないに決まっている。今日だけで十分刺激を受けた、これ以上心臓に負担をかけたくない。
カフイはすぐ手を挙げ、ピンクの翼をわくわくばたつかせる。
「行きたい!行きたい!面白そう!」
ホセは格賀に視線を向ける。
「格賀くんはどうだ?君の気質は……とても特別だ。違う芸術の火花が散るかもしれない」
格賀の魂火は穏やかに燃え、少し思考した後、目の前の本を閉じて立ち上がる。
「暇だからだ。異なる『芸術認識』の表現形式を観察するのは、論理と感性が衝突する社会学的サンプルとして扱えるかもしれない」
「なので、行ってもいい」
ホセは満足げに頷き、ダイクを見て三本の指を出す。
「賛成三票、反対一票。ダイクくん、民主主義の原則、多数決だ。さあ行こう~」
ダイク:「はあ……」諦めのため息をつく。抵抗しても無駄だと分かっている。
こいつらはいつも、簡単に俺を訳の分からない事態に引きずり込む。
まだ疲労の残る体を引きずり、渋々立ち上がる。
変装したホセに続き、三人は自習室を出た。
週末で静かな学院の廊下や庭を抜け、二十分ほど歩くと、奥まった古風な別棟の前に到着する。普通の教室の扉の前で足を止めた。
ホセは扉の前で立ち止まり、振り返って三人(特に嫌そうな顔のダイク)に話す。
「ここだ。入ろう」
教室の扉は閉まっており、ブラインドが下ろされて中の様子はうかがえない。
札にはブランブル絵画同好会と書かれている。
外見は普通、ただのサークル室か教室に見える。
だがダイクの心は緊張する。ホセが高く評価する「芸術の先生」が、中で何をやっているか誰にも分からない。扉を開けたらまた裸男だらけ?それとも、もっと想像できない芸術装置が待っているのか?
深く息を吸い、また芸術に衝撃を受ける準備を整える。
ホセは穏やかに微笑み、扉を押し開けた。
部屋の中で待っているのは、また「骨折り損」な予期せぬ出来事なのか、それともホセの言う通り、感覚を洗い流す芸術の薫りなのか?




