30.再会の火種
翌朝、カイルたちは隠れ家からの報告を胸に、サラの行方を探して森を進んでいた。緑深い木々の間を歩きながら、緊張した空気が漂っている。
「本当にここにいるのか?」
アリが辺りを見渡しながら砂を操る準備を整える。
「ファントム使いは惹かれ合う。それが理由なら、俺たちがここにいること自体おかしくない。」
ケンが刀の柄を握りしめながら答える。
「でも、どうやって近づいているかなんて分かるわけじゃない。」
カイルがぼんやりと左手の甲の紋様を見つめながら呟いた。
そんな時、森の奥から微かな物音が聞こえた。
「待て、何かいる。」
ミゲルが杖を握りしめ、全員が身構えた。
音の方向から現れたのは、ブラウンの髪を揺らしながらこちらをじっと見つめる女性――サラ・リオだった。
「……やっぱり、あなたたちだったのね。」
サラが軽くため息をつきながら歩み寄る。
「サラ!」
カイルが思わず声を上げると、ケンも険しい表情を浮かべた。
「ここにいるっていう報告は本当だったか……でも、なんでこんな場所に?」
サラはカイルとケンを交互に見つめながら、小さく笑みを浮かべた。
「あなたたちに言われる筋合いはないけど……私だって色々あってここにいるのよ。」
アリが興味津々の表情で前に出た。
「これがサラか……噂の通り美人だな。」
「ふざけないで。」
サラが冷たい目で睨みつけると、アリは肩をすくめて一言だけ返す。
「悪かったよ。」
ケンが呆れたように突っ込みを入れる。
「お前、軽口叩いてる場合じゃないだろ。」
ミゲルが静かに笑いながら、仲間たちを落ち着かせる。
「で、どうしてここにいるのか教えてくれるのか?」
サラは少し考え込むような表情を見せた後、答えた。
「エクリプスを追っているの。あいつらが私の家族を壊した……それだけの理由。」
その言葉に、カイルは真剣な表情で頷いた。
「俺たちも同じだ。サラ、もしよかったら、俺たちと一緒に来てくれないか?」
だが、サラは冷たく首を振る。
「無理よ。私は一人で動くのが性に合ってる。それに、あなたたちを巻き込みたくない。」
サラが去ろうとしたその時、森の奥から低い機械音が響いた。
「この音……スレイヴか?」
ケンが即座に刀を構えた。
「それだけじゃない、もっと数が多い!」
アリが砂を操りながら周囲を警戒する。
サラも緊張した様子で辺りを見渡した。
「くっ……仕方ないわね。一人じゃ対処しきれない。」
カイルが盾を構え、冷静な声で言った。
「なら、今だけでも協力してくれ。」
「分かったわ。でも、これが終わったら私はまた一人で行く。」
サラが力強く頷き、全員が戦闘態勢に入った。
次回予告
スレイヴの襲撃を前に、共闘することになったカイルたちとサラ。戦いの中で彼女が見せる本当の力とは――。
第30話「再会の火種」をお読みいただき、ありがとうございます!
サラとの再会が描かれ、彼女の意志や過去が少しずつ明らかになりました。共闘の可能性が見えてきた彼女との関係が、今後どのように展開するのかご期待ください!
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