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6/6

おまけ:キーラ・ナイトレイ主演の映画版『プライドと偏見』(2005)を見てみました

 先日、たまたま同僚と話してて、同僚が昔ジェイン・オースティンどちゃくそハマってたのが発覚、キーラ・ナイトレイ主演の映画版はマストやぞ〜! ジュディ・デンチがキャサリン夫人やし!とめっちゃ推されて、見てみました。


 BBCドラマ版(1995年)は55分*6話で、6時間弱、映画版は2時間ちょいなので、1/3…

 ちゅうかこの話を2時間はキツいやろと思ったら、まあまあ端折ってきてる感ありましたが(特に終盤。登場人物もちょいちょい削ってる)、面白かったです。


 ただ、エリザベスが友人シャーロット&コリンズ牧師のおうちに招かれて向かう時、原作&ドラマ版では、シャーロットの父親と妹と一緒に行くんですけど、エリザベスが一人で行く感じにしてあったんですよね。

 これ、当時、紳士階級の女性の一人旅って絶対ないことなので、ここは父親出してほしかったなと思いました。

 男性の付添がいないと旅行もできない時代だっていうのが大事なことなので。


 というわけで、BBCドラマ版と比較しつつ、以下、感想をつらつらと。


【良い点】美術にお金かかってる

ベネット家(家畜飼ってる描写もコミ)、キャサリン夫人の館、ダーシーの館、規模も違いますし、内装も違いますし、家具のレベルも全然違います。

召使いも金持ち組(ダーシー、ビングリー、キャサリン夫人)はロココなかつらをつけた従僕、ベネット家はそのへんの農家っぽい感(住み込みもいるでしょうけれど)と、描き分けがしっかりされていました。

このへん、ドラマ版でもやられたはいたんですが、映画の予算でやるとくっきりはっきりですね…

 風景描写もめっちゃ綺麗でした!


【良い点】

・エリザベスのエリザベス度がめっちゃ高い

 ドラマ版のジェニファー・イーリーもトータルではすごくエリザベス度高かったのですが、正直第一話ではこの人アラサーですやん??感が強かった…

 んが、今作のキーラ・ナイトレイはちゃんと20歳くらいに見える!

 そして言動がマジエリザベス! 魅力的!

 これはダーシーも陰キャシールドを解除して全力で来ますわ…ってなりました。


・ウィカムがちゃんとイケメンだった!!

 ドラマ版は、「イケメンとは…??」ってなったので。

 これはベネット姉妹もコロコロですわ…


【びみょー…】

・コリンズ牧師が結構違うな…

 尺が短い分、コリンズ牧師もそんな出てこなかったのですが、コリンズ牧師はBBCドラマ版の方が圧倒的に原作感ありました。

 原作では、背が高いという描写がはっきりあるんですが、なんでか低身長の役者が演じてるんですよね。

 エリザベスより背が低くて、アレ?て思いました。

 確認したらキーラ・ナイトレイが170cm、コリンズを演じたトム・ホランド(『キングスマン ファーストエージェント』でジョージ5世・ウィルヘルム2世・ニコライ2世を演じてる人)が165cmなんですが。

 コリンズ牧師って謎の自己肯定感のバカ高さが面白いところでもあり、うざいところでもあるんですが、映画版のコリンズ牧師は、ウザ面白さがほとんどなくて、なんかコンプレックスをこじらせてる痛ましい人(痛い人、ではなく)になっていたように思います。

 エリザベスが求婚を断るのはしゃーないとして、妹達やジェーンまでそれを笑っちゃうのは、ちょっといかがなものか…感がありました。

 いうて、この演技でロンドン映画批評家協会賞の助演男優賞とってるんで、評価されてるんですよね…どゆこと。

 解釈違いが大発生の予感です。


・ジェーンがなー…ちょっとなー…

 ロザムンド・パイクが演じているんですがががが…

 ロザムンド・パイクというと、『007 ダイ・アナザー・デイ』(2002:ブロスナン主演で、マドンナ出てきて、ハル・ベリーがボンドガールで氷上カーチェイスが凄いやつ)とか、『ゴーン・ガール』(2014)の周囲を食い荒らす承認欲求モンスター役のイメージが強くて、要は私の中では「悪役が巧い人」なんですよ。

 特に『ゴーン・ガール』はエグかった。

 そこで勝手にうううむ?となってしまったのもアレなんですが、圧倒的なピュアピュアしさ&当時の流行顔だったんだろうな感は、ドラマ版のスザンナ・ハーカーの方が嵌っていたように思います。

 ビングリーと出会う舞踏会の場面は良かったですが、その後がなー…

 特に終盤は、そこまで良いと思わんかったです。



 てな感じでございますが…

 ついでに言うと、ベネット夫人がBBCドラマ版と同じ人!?て一瞬なったくらい似ててびびりました。

 確認したら違う方が演じてました\(^o^)/

 リディア、キティの陽キャうざ妹組&陰キャ妹メアリーもわりと似てる…

 メアリーはあんまり出てこなかった分だけ、アホがそこまでバレてなかったですが。

 リディアのウザさは鉄板ですね!

 あと、ジュディ・デンチのキャサリン夫人。

 普通にまんまな上、怖さはBBCドラマ版を凌駕しておりました。

 ダーシーは悪くはないんですが、コリン・ファースと比べたらあかんですね。


 ドラマ版と似てるシリーズで言うとビングリーもそうで、ドラマ版(クリスピン・ボナム=カーター)、映画版サイモン・ウッズともにふわふわな髪型&眼が離れ気味の人の良さそうな顔立ち(顔立ちだけだと日本で言うたら香取慎吾)の人が演じていて、日本で『高慢と偏見』の舞台をやるなら、ビングリー役はぜひ香取慎吾でお願いしたいと思いました。


そんなこんなで、原作厨としては、やっぱ原作再現度は圧倒的にBBCドラマ版やな…と思いますが(ウィカム除く)、19世紀初頭のイギリスの地主階級のあれやこれやを履修しつつ、キーラ・ナイトレイの魅力を堪能するには良い作品だと思います!


ちなみに、ジェイン・オースティンにハマりすぎて、2022年秋の公式企画に合わせて、

「ジェイン叔母様の『手紙』──作家ジェイン・オースティンの秘めた恋にまつわる『手紙ではない』手紙と、手紙ではない『手紙』の物語──」

https://ncode.syosetu.com/n2648hw/

という作品を書いてしまいました。

よろしければぜひ!

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― 新着の感想 ―
[一言] お邪魔します! すごく頷けるところが多くて(笑) オースティンもちょっと皮肉を混ぜ込むような感じで書いているっぽいですが、いろいろと心で突っ込みながら読むのが楽しいですよね。 現代人の感覚…
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