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神が作る国  作者: 鏑矢月
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第一話 神アモール

―〇〇〇年前 某所―


暗い室内に一人の男がたくさんの男に囲まれている。

「これはどういうことだ!」

「まだ分かんないのか。馬鹿な奴で助かったよ。」

「馬鹿な奴って…まさか、僕を騙したのか!」

「いまさら気づいたのかよ。そうだよ、馬鹿なお前を騙したんだよ。いや〜、ここまで

騙されやすい奴がいるとは思わなかった。ありがとな。馬鹿で。」

「この…。」

「ハッハッハッ。お前のその顔、傑作だな!安心しな。殺しはしねーよ。お前を奴隷として売るだけだ。お前ならそうだな…、大分高値で売れるだろうな。

ヒッヒッヒ」

「お前を…、信じてたのに…。もう、お前なんか、人間なんか嫌いだ!こんな動物、滅びてしまえ!」


―天界 女神の間―


「アモールちゃん。ちょっとお願いがあるんだけど…。」

「母上、頼みとは…。」

「それはね…。地上に行ってくれないかしら?」

「地上!?母上、僕が人間たちにされたこと、忘れたとでも言うんですか!」

「アモールちゃんが反対するのも仕方ないと思うわ。けど、お願い。地上に行ってくれない?」

「絶対嫌です!死んでも行きません。あんな、人間なんて言う種族なんか…、視界に入るだけで吐き気を催します。」

「アモールちゃん、一つ勘違いしているようね。」

「勘違い?」

「これは、命令よ。」

「だとしても…、僕は行きません!」

「あなたは、私の子であり部下でもある。天界では上の命令は絶対よ。それくらい、あなたも知ってるでしょ。」

「だとしても…。」

「アモール、行きなさい。」

「…はい…。ご命令のままに…。」

「いい子ね。」

母上はそう言い僕の頭を撫でた。

「それで、なにをすればいいんですか。」

「私があなたに求めることは二つあるわ。1つ目は人間と獣人の争いを止めなさい。二つ目は人間と獣人が共存できる国を作ることよ。」

怪しい…。あまりに簡単すぎる。

「それだけですか?それだけなら、母上の力でどうにでもなると思いますが…。」

「そうね…。もう一つあるわ。」

「なんですか?」

「人間を、そして愛を…知りなさい。」

「人間と愛を…知れ…、ですか…。」

「そうよ。」

「母上、それはお受けできません。たとえ、命令だとしても…。」

「わかったわ。できればでいいわ。さぁ、早くお行きなさい。」

転送位置まで背中を押してくる。

「ちょ…ちょっと、母上。」

「そうそう、着くまでの間、暇だと思うからこの本読んでおきなさい。それじゃあ…いってらっしゃーい」

体が光に包まれる。そして、天界と地上にある各世界とをつなぐ転送空間に入る。

「母上の話では着くまでに4時間か…。人間…、恨んでも恨みきれない…。見かけたら…、殺しそう…。」

憎しみに支配されそうになるがギリギリで正気を取り戻す。

「ダメだな…。これは任務、これは任務、これは任務。」

これは任務、神である以上避けれない道。そう自分に言い聞かせる。

切り替えよう。着くまでの間、母上に渡された本でも読んで時間潰すか。」


―4時間後―


うっ…うぅん。

目が覚めると教会の祭壇の上で寝ていた。

周りにいる修道女と思われる女たちとその中にいる神父と思われる男が口をポカーンと開けてこちらを見ている。

「人間!?」

無意識的に殺気を顕にし、懐から武器を取り出し戦闘態勢に入る。

「落ち着いてください。私たちは無害ですから…。」

神父らしき少し年をとった男がこちらに話しかけてくる。

「黙れ、人間は…、殺す。人間は…、悪。神力、世界を破滅させる者。」

神力、世界を破滅させる者。それは僕が使える攻撃用の神力の中で最も強い神力で文字通り世界を滅ぼすことができるほどの力を持つ神力だ。

これを発動すれば人間どもは滅びる。

ハッハッハッ、ハッ?

なぜだ…、なぜ、神力が発動しない…。

はっ…。まさか、ここに来るまでに使った転送装置は…。

この世界の転送装置は無、弱、中、強と4つの種類がある。それぞれ、無は神力を地上で満足に使える。弱は一部の強力な神力は使えないが大体の物は使える。中は一般的な神力は使える。強は攻撃用の神力はほぼ使えず防御用の神力や、身体強化系の神力も大幅に規制される。つまり、戦闘はほぼできないということだ。そして、母上が用意していた転送装置はおそらく、強。

「母上、よくも…。」

そんなことを考えていると先ほどの神父が話してくる。

「失礼ですが、名前は?」

「あぁん?人間の分際で話しかけるな。と、言いたいところだが今回は事情が特殊だ。特別に言ってやる。

僕はアモール。美の女神、ヴェヌスの息子だ。」

「ヴェヌス様の…息子?」

「そうだ。それよりここはどこだ。」

「ここはリネンの教会ですが…。」

リネン。ここに来る前に母上に渡された本に書いてあった町だ。ヴィラネ帝国(憎たらしい人間どもの国)の南端に位置する中規模の町、らしい。

「リネンか…。」

「はい。そうですが…。」

「一つ頼みたい。」

「なんでしょうか。」

「この国の王に会わせろ。」

神は神力という特別な力を持っている。また、地上の生物に比べ、身体能力がかなり高い。

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