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結衣と月夜と不思議な四つの世界  作者: 氷華 桜梨
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敵?

 授業が終わり私は帰ろうともらった教科書を鞄の中に詰めているとキャロリンちゃんが私の方を振り向いた。


「学校初日、どうだった?楽しかった?」

「うん、初めてやったけど授業も分かりやすかったから楽しかったよ。

「そっか!よかった……正直言うとなかなか転校生なんて来ないから初めてで緊張してたんだ」


 キャロリンちゃんは心底ほっとしたような感じで、ふにゃっと笑った。

 その時、私の隣の席の一樹君は若干耳を赤く染めてキャロリンちゃんから目を逸らした。

 もしかして一樹君キャロリンちゃんの事……でも絶交とか言っとったし。どうなんやろ?もし好きなんやったら協力できたらええな。


「わたくしのコハク様の妹がこの学校にぃ!」


 突然教室のドアの方から怒鳴り声があがると、長いくるくるの薄黄緑色の髪の毛をなびかせた大人っぽい女の子は教室を入ってきた。そしてつかつかと若干ヒールのある靴をリズムよく鳴らして私の席にやって来た。


「あなたかしら? わたくしのコハク様の妹とおっしゃる方は」


えっと……まあ一応はねぇ。


「はい、そうですけど……」


 女の子は私をじっくりと上から下まで見ると、ふっと鼻で笑った。


「あなた、本当にコハク様の妹なのかしら? 見たところどっっっこも似たようなところがないのですが」


 まあ確かに私は本当の妹ではあらへんのやけど、ちょっとその言い方は傷つくな。

 何とも言えず、ぼけっとどや顔で仁王立ちしている女の子を見つめていた。女の子は初め私を見つめ返していたが、だんだんと恥ずかしくなってきたのか目が泳ぎ始めた。


「えっと……お、おぼえておきなさい! コハク様の妹!」


 あっ、行ってしもうた。竜巻みたいな人やったな。そういえば名前聞いてへん。聞けばよかったな。


「結衣ちゃん、大丈夫? 私あの子苦手なんだよね。ずけずけ言ってくるから」


 キャロリンちゃんはそう言うとさっきの女の子が出て行ったドアの方を見て、潜めた声で言った。

 そんなに悪い子ではないと思うんやけどな……どうなんやろ?


「なんかあったら言ってね。あの子に関しては苦手だけどそれ以外だったら助けられるから」


 そう言ってキャロリンちゃんは視線を私に向け、私の両手を握った。


「おまえ、今では本当にあいつの事嫌いだよな。昔は気持ち悪いぐらい仲良かったのに」

「は、はぁ? なんでそこであんたが出てくるの? あんたには昔の事なんか関係ないでしょ」


 キャロリンちゃんは突然一樹君から言われて、一瞬悲しそうな表情をした。でもそれを打ち消すように一樹君にあたっていた。


「……ま、まぁそうだけどよ」

「なんか文句でもあるの? 私は言っておくけど、ココルとはやり直すつもりはないから」

「おまえは本当にそれでいいのか?」


 バシッ……


 一樹君はうつむいたキャロリンちゃんの顔を見ようと覗き込むと、キャロリンちゃんは思いっきり一樹君の顔をたたいた。


「一樹になんか私の気持ちが分かるわけないじゃない。忘れようと思っているのに、忘れられない。忘れたくない。そんな気持ち、一樹に分かるわけないじゃん。なのにずけずけと人の心に入ってきて、なんなの? もう訳が分からない」


 キャロリンちゃんは一息で一樹君に向かって泣き叫ぶと逃げるように教室から出て行った。


「……見てたら分かるよ」


 えっ? 一樹君……やっぱり。

 私が思わず一樹君の顔を見ると何事もなかったかのように教科書を片付け、キャロリンちゃんの鞄を手に取った。


「しゃあねぇな……」


 ……やっぱ、キャロリンちゃんの事ほっておけないんやねぇ。優しいな。

 一樹君は自分の鞄とキャロリンちゃんの鞄を持つとじゃあなと言って教室を出て行った。

 早く仲直りしてくれるとええなぁ。キャロリンちゃん、ココルさんとはどういう関係だったのやろうか? 聞いてる限り友達やったっぽいけど。

 ココルさんはどう思うてるんやろうか? 色々聞きたい事が出てきてしもうた。コハクさんは知っとるかな? 後で聞いてみよかなぁ。


 私は鞄を持って立ち上がると懐かしいにおいがした。ふっとその匂いのする方へ目をやると、そこにはコハクさんが私の教室の前をうろうろとしているのが見えた。そして、私の方をチラチラとみていた。

 これは結構待たせてしまったかもしれへん。早よ行かな。

 私が教室から出ようとすると突然目の前に人が現れた。


 ドスッ


「あらぁ? コハク様の妹ではないですのぉ? いったいそんなに急いでどちらに行かれるのですかぁ?」


 ……ココルさん。めっちゃ頑張ってる。


「……」

「なっ……なんですの?」

「めっちゃ頑張ってるなぁって」

「そ、そんなことありませんわ。これがふっ、普通ですのよ……」


 めっちゃ噛むやん。なんで私に突っかかってくるんやろうか?


「……そういえば、ココルさんでいいんですよね?」

「はっ、えっ……はい。いやっ、そうですわ!」


 無理しとるな……あくまで勘やけど。


「わかりました。私は用があるんで失礼させていただきますね」


 私はそうココルさんに少し頭を下げると、横を通りぬけてコハクさんのところに小走りでかけて行った。



「コハクさん、ごめんなさい。めっちゃ待たせましたよね?」

「大丈夫ですよ。では行きますか」

「ありがとうございます」


 私はコハクさんの斜め後ろを歩くような感じで後をついて行った。

 校門にやってくると、ハンク君とアクアちゃんとあともう一人、男の子と一緒に前を歩いているのが見えた。

 あの男の子、だれやろ? 若干ハンク君に似とるような気いする。


「アクアの横にいる男子はハンクの弟なんですよ。似てますよね」

「やっぱ、そうやったんですか。さっきから似とるなって思うてたんですよ。ちなみに名前はなんです

か?」

「リンクですね」


 リンクか……ハンクと人文字違いやね。いかにも兄弟らしい。


「他にもハンクには兄弟が確か5人ほどいるんですよ」

「えっ、5人もですか?! 大家族ですね……」

「だからあいつは幼い子を相手にするのが得意というか……本音を引き出すのがうまいんですよ。僕には到底できないことです」


 確かにアクアちゃん、ハンク君とめちゃくちゃ楽しそうに話しとったな。すごい。ってか幼い子を相手にするのがうまいって、一番年上なんか……すごいなぁ。


「そんなことないと思いますよ。アクアちゃんコハクさんの事大好きやないですか」


 前にアクアちゃんの髪の毛を結っていた時にコハクさんの話になって、ものすごく楽しそうに話していたのを覚えとる。あんなにキラキラとした目で話してたのに嫌いなわけがない。


「そうだといいですね」


桜梨です!

ごめんなさい(*_ _)

投稿がだいぶ遅れました……


今回はココルちゃんという新たな子を登場させました~

ココルちゃんは敵なのか味方なのか私にもまだよくわからない状態です

頻繁に投稿できるように頑張ります


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