最終話 世界大会終戦
最終話 世界大会終戦
「まだ世界大会は終わっていない。勝負の最中に立ち話をしている僕たちを不審に思う観客も現れるかもしれない。そろそろ決着といこうか」
ホワイトナイトはそう言うと、ゆっくりと白銀の長剣を抜刀する。
「我は汝に全力を尽くさん。この神殺しの特殊能力『ホワイトアウト』により。ゆえに我が命ここに尽きるとも、我に一片の憂いすら残るまい」
ホワイトナイトは白銀の長剣を天へ向け、絶叫する。
「私も、あなたに全力を尽くそう。あなたが安らかに天に召されんように。そして、私は、今、あなたを超える」
蔵人も叫ぶ。
その瞬間、新国立競技場は大きな白い閃光に包まれた。同時に、新国立競技場を大きな青い閃光が支配する。あまりに激しく強い2つの閃光による鬩ぎ合い。その圧倒的な光量は、真夏の昼間の太陽に匹敵するものであり、決して肉眼での直視に耐え得るものではない。観客たちは眩しさの余り誰もが目を開けていられなくなる。
ホワイトナイトの神殺しの特殊能力『ホワイトアウト』。そして《HYPER CUBE》界に君臨せし絶対的序列第1位『隻眼の使徒』人色蔵人の特殊能力『集極の波より来たりし闇』。2つの最強の特殊能力が発動された。
2つの閃光はやがて収束する。観客たちは次第に、視界を回復する。
観客たちは見た。
そこに『隻眼の使徒』人色蔵人のみが立つのを。
『集極の波より来たりし闇』。その特殊能力を受けて再び立ち上がった者は歴史上存在しない。
1度めはバビロン事件において、バビロンの塔最上階で100人を人質にとったラスボスが。
2度めは重装のNPC『騎士の亡霊』が。
3度めは『奇跡の林檎』の使い手、世界屈指の《HYPER CUBE》プレイヤー矢沢京介が。
4度めは近接戦闘戦闘家として世界最巧と謳われた矢沢月乃が。
5度目は元グリーンベレーにして特殊能力『Unlimited Knife Phenomenon』の使い手、伝説の英雄サンダース大佐が。
そして、今、世界屈指のプレイヤーからなる最強ギルド「最前線」のメンバー相手に連勝した神殺しの特殊能力『ホワイトアウト』の使い手、ホワイトナイトが、わずか一撃で敗れ去ったのだった。
審判員からの勝ち名乗りがされる。
「優勝者、人色蔵人・二神時雨ペア!」
ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
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ウアアアアアアアアアアアアアアアアアァァ
新国立競技場を観客たちの割れんばかりの熱烈な大歓声が支配する。
泉と粟山さんは、泣きながら抱き合って勝利に安堵する。
「「よっかったね。本当によかったよね」」
お互いに涙を浮かべながら何度も繰り返す。
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観客たちの大歓声はやがて満場の『隻眼の使徒』コールへと変わる。
その日、観客たちによる『隻眼の使徒』コールは、いつまでも、いつまでも鳴り止まなかった。
そして駅前のファーストフード店センタッキー。《HYPER CUBE》世界大会が終戦した直後から、世界大会の中継を観て感動した多くの者たちが、フライドチキンを求め、日本中からこの店へと殺到した。
そんな客たちによる長蛇の列は、どこまでも、どこまでも続いていた。
Pure Sublimity White編 完
ハイパーキューブ《HYPER CUBE》のうちのPure Sublimity White編は完結です。
最後までお読み下さったことに、心よりお礼申し上げます。
もっとも、 ハイパーキューブ《HYPER CUBE》において、Pure Sublimity White編というものは、ヒカルの碁でいうとヒカルはまだプロになってませんし、デスノートでいうと月はまだ東応大学の入学式へ行ってない段階にすぎません。つまり、佐為と塔矢行洋はまだ戦ったことがないですし、月とLは直接、顔を会わせたことすらありません。
すなわち、ハイパーキューブ《HYPER CUBE》での、人類とビグースの本当の戦いは、これからということです。
そんな人類とビグースの本当の戦いは、次編であるVivid Edged Black編、そして次々編であるTrue Gentle Blue編で描かれていきます。これらは、これまで同様、作者である西木野樹生Tのマイページに投稿される予定です。
次編であるVivid Edged Black編の開始時期は諸般の事情により未定です。これらについては決定ができ次第、作者である西木野樹生Tのマイページの活動報告にて、報告させて頂きます。
また皆さまと《HYPER CUBE》世界でお会いできるのを、楽しみにしております。
【追記】Vivid Edged Black編の開始は一定の条件が成就した後と決まりました。詳細は西木野樹生Tのマイページの活動報告(2015年3月18日付)をご覧下さいませ。




