1話
親父たちは、愛から割らず俺のことを無視するな。
まあ、学校の成績も悪くないし、このままでも進学は問題ない。
ここまで育ててくれた恩はあるから、大学ぐらいは進むが、その後はやりたいようにやる。
予定…
「おい、ムネ」
「なんだよ、タク」
「もうすぐ、本番だぞ、ぼっとするなよ」
「分かってるよ」
子どもの頃みた、あのロックバンドの輝きは今でも忘れられない。
親の言うことを聞き、レールの敷かれたところを歩いていた俺に、夢を与えてくれた。
まあ、そのレールを歩いていくのも難しいのは、周囲が脱落していくのを見ていると甘くはないと感じたけど。
「ムネ、また、おじさんたちの事を考えていたでしょ」
「うっさいな!」
「アヤ、ほっとけ、何時まで経ってもおこちゃまなんだよ」
「うるさいぞ、ジン!」
「お前ら煩い」
「ヨウジ!」
「はぁ、お前は本当に進学校に通ってるほどの頭があるのか?」
「うるさいぞ!」
「お前の方が進学校言ってる言われる方が通じるな」
「ジン、てめぇ」
アヤはみんながじゃれ合っているのを見て、微笑んでいるな。
このまま続けば良いと思うけど、多分、無理なんだろうな…
まあ、まずは今を楽しむしかないか!
「よし、時間だ!いくぜ!」
「はいはい」
「よ!大将!」
「はぁ!」
「タク!ジン!ヨウジ!なんだよ!」
そう言いながら手をたたき合いながら会場に向かっていく。
これから始まるんだ!
何曲か歌い終わったが、盛り上がっている!
ドカン!?
何なんだ!?
何かぶつかったのか、地震か!?
はっ、照明が落ちかけている!
「アヤ!」
「ムネ!」
「がっ!?」
く、くそ、頭に当たったのか?
背中に当てるつもりだったが、二つも一緒に落ちてくるなんてついてねぇ。
い、意識が…
「ムネ!」
「おい!ムネ!」
「冗談だろ!?」
「そんな演技要らないぞ!」
おお、みんな集まってくるな。
「アヤ、タク、ジン、ヨウジ、ありがとうな。俺の夢に付き合ってくれて」
「馬鹿野郎!」
「ムネ!ムネ!」
「アヤ、親父たちにはごめんと言っておいてくれ、親不孝な息子でって」
「い、いやよ!」
「お前が助かって良かったよ。ジン」
「なんだ」
「頼んだぞ…」
「何言っているんだよ!?」
ジンはアヤが好きなんだろう?
口には出さんぞ。
「ヨウジ」
「…」
「お前は歌が上手い、ボーカル頼んだぞ」
「馬鹿を結うな」
歌がうまいのに、俺にボーカルを任せる。
ぶっきらぼうだけど良い奴だったよ。
「タク、みんなを頼む。解散するのも仕方ないけど、納得するまで行ってくれ」
「お前が居なくて、このバンドが成り立つわけないだろ」
「そんなことはない」
「ないがだよ!」
「だって、俺が選んだメンバーだぞ?」
「はっ!?今何を言っているんだよ」
お前はリーダーシップがあるからな。
実際のリーダーはお前だよ
「ムネ、ムネ!」
「アヤ、幸せになれよ」
「いや、嫌よ!」
「泣くなよ…」
ああ、力が入らない…
皆の顔が見えなくなる…
ロックに神さまがいるなら、こいつらを頼むぞ。
そう思っていたら、此処は何処なんだよ!?
高橋宗茂…ムネ 楽器:ボーカル 担当:作曲、作詞 学校:進学校
鈴木綾香…アヤ 楽器:ベース 担当:作曲、作詞 学校:進学校
田中卓也…タク 楽器:ギター 担当:編曲 学校:工業高校
二階堂仁…ジン 楽器:ドラム 担当:なし 学校:普通高校
佐川洋司…ヨウジ 楽器:キーボード 担当:作詞 学校:普通高校




