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虹魔学院の紅と蒼  作者: なまこ
ダンジョン攻略試験

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ダンジョン攻略試験(第三層・後編)



■反撃する三人

蒼紫たちの特訓した連携魔法は、いとも簡単に防がれてしまった。


蒼紫「……切り替えよう」

玲奈「そうね……」

紅莉「うん!」


連携魔法が通用しないと判断した三人は、

それぞれが動きながら弱点を探る作戦へと切り替えた。


玲奈「私に合わせて!」

玲奈が前へ駆け出し、クリスタル・ケルベロスの注意を引きつける。


紅莉と蒼紫はその動きに合わせて攻撃に転じた。

紅莉は右の青い結晶へ向けて炎の魔法を放ち、

蒼紫は左の赤い結晶へ水魔法を叩き込む。


二つの首に、かすかなヒビが走る。


続けざまに玲奈が白、青、赤の順に拳を叩き込む。

白い結晶には確かな手応えがあったが、

青と赤には拳が弾かれるような感触しか返ってこない。


玲奈「……白には効いてるけど、赤と青はダメかも」


蒼紫「なるほど……白は魔法に強くて、赤と青は物理に強いってところか」

玲奈「そういうことね!」

紅莉「さすが、蒼紫くん!」


蒼紫たちが攻撃を終えると再び、赤い結晶が脈動する。


蒼紫「来る……防御は厳しいぞ」

紅莉「分かった!」

玲奈「私には余裕ね!」


左の赤い首が口元を赤く光らせ、炎のブレスを吐き出す。


──狙いは、玲奈。


蒼紫「玲奈!」

紅莉「玲奈ちゃん!」


迫りくる炎の奔流を、玲奈はひらりと舞うようにかわした。

熱風が通り過ぎる中、彼女の動きには一切の無駄がない。


その直後、青い結晶の口元から、広範囲の氷ブレスが吐き出される。


蒼紫「玲奈!」

玲奈「任せて!」


玲奈は蒼紫の片手に触れ、魔力を流し込む。

蒼紫は即座に広範囲の水の膜を展開し、迫る冷気を受け止めた。


氷の奔流は水の膜にぶつかって一瞬で凍りつき、砕け散る。


その直後、白いクリスタルの口元の光がじわりと強まった。


玲奈「ねえ、真ん中……光ってない?」

紅莉「強力な攻撃が来るかも……」


蒼紫「畳みかけよう。玲奈、敵を引き付けてくれ。俺と紅莉は連携魔法だ」


玲奈「おっけー!」

紅莉「分かった!」


玲奈がクリスタル・ケルベロスの前へ飛び込み、三つの首の注意を引きつける。

その隙に、蒼紫と紅莉は素早く連携魔法の構えを取った。


まずは青い結晶へ向けて紫炎を放つ。

紫炎が直撃すると、青い結晶は鋭い音を立てて砕け散った。


その瞬間を逃さず、玲奈が白いクリスタルへ拳を叩き込む。


続けざまに、紅莉と蒼紫は、赤い結晶へ紫炎を放つ。

赤い結晶も爆ぜるように破壊され、

玲奈はさらに踏み込み、渾身の一撃を白いクリスタルへ叩き込んだ。


玲奈「いっけぇぇー!」


玲奈の拳が深くめり込み、白いクリスタルもついに砕け散った。


紅莉「やった!」

蒼紫「よし」


三つの首がすべて破壊されると、

黒曜石のような胴体はひび割れ、ボロボロと崩れ落ちていった。


蒼紫「なかなか手強い相手だった」

玲奈「私たちにかかれば余裕ね」

紅莉「うん! 今の連携、完璧だったね!」


三人は軽く息を整え、クリスタル・ケルベロスが守っていた扉へと向かう。

重い扉を押し開けると──


そこは見慣れた実技演習室だった。


灰原「神崎、黄瀬、湊──第三層突破!」


三人の帰還と同時に、灰原の声が響き渡り、

演習室にいた生徒たちから大きな歓声が上がった。


■そして、これから

こうして、生徒たちはダンジョン攻略試験を終えた。

余程の失敗がない限り、基本的には全員が合格となるらしい。


第二層を突破できれば十分な成果とされ、

その中でも第三層まで到達し、突破できたチームはごくわずかだった。


蒼紫たちの班のほかに、夜宵の班、白馬の班──

第三層を突破したのは、この三組だけだった。


生徒たちがそれぞれの結果に安堵したり、悔しがったりする中、

灰原は静かに全員を見渡した。


灰原「今回のダンジョン攻略は試験として行ったが……外の世界では、常に危険と隣り合わせだということを忘れるな」


生徒たちが静かに耳を傾ける中、灰原は言葉を続けた。


灰原「お前たちの虹魔学院生活は、まだ始まったばかりだ。一年で学ぶことなど、ほんの入口にすぎない。二年に進めば、もっと厳しい現実と向き合うことになるだろう」


灰原はそう言い残して講評を終えた。


張りつめていた空気がふっと緩み、生徒たちの間にざわめきが戻る。

それぞれが結果を語り合いながら、仲間のもとへ歩み寄っていく。


そんな中、蒼紫たちのところへ土屋たちが駆け寄ってきた。


土屋「蒼紫たちも第三層突破したか!」

玲奈「当たり前でしょ! あんたこそ、よく突破できたわね」

夜宵「土屋が意外と頑張ってた……」

澪「敵、強かった……でも、みんな無事でよかった!」

紅莉「これで、チーム蒼紫全員第三層突破だね!」

蒼紫「……いつから俺のチームになったんだ」


そのやり取りに、蒼紫たちの表情に自然と笑みがこぼれる。


蒼紫「灰原先生の言うように……俺たちの学院生活は、まだ始まったばかりだな」


そう言って、蒼紫たちは二年生へ向けて、ゆっくりと前へ歩き出した。

その背中には、確かな成長と、これから始まる新たな日々への期待が宿っていた。

最後までお読みいただきありがとうございます!


面白かった、続きが読みたいと思っていただけましたら、

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今後は、短編の続きや、虹魔学院の二年生編も考えています。

これからも応援していただけると嬉しいです。

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