9
9
気が付くと朝になっていた。
亜衣は目を覚ますと、すぐに腕時計を見た。時刻は七時半である。まだ眠かったが、男の子二人が起きる前に、先に身支度を済ませて、コーヒーでも飲んでいようと思い、亜衣はベッドから起き上がる。
着替えを済ませて、洗面所でメイクを済ませようと思い、部屋の扉を開けようとした時、亜衣は扉の下の床に一枚の紙が落ちているのに気づいた。
「何これ?」
亜衣は不思議に思ってそれを拾う。見ると、それはみゆきや瞬太郎、香奈が受け取ったのに似た手紙であった。
「うそ!?」
思わず唾を呑み込む。そして、亜衣は恐る恐るその手紙の文面を読んでみた。
そこにはこう書かれていた。
『亜衣へ 外で話したいことがある。外で待ってる。 瞬太郎より』
亜衣はその手紙を見て、驚いた。その手紙は、死んだはずの瞬太郎からであった。
「うそ……。瞬太郎が……?」
そんなはずはない、と亜衣は思った。
しかし、その後、もう一つのことを思いつく。
いや、もしかしたら。本当は、本当は瞬太郎が生きているかもしれない。
ねえ、瞬太郎。話って……?
亜衣は化粧も忘れてすぐに自室の扉を開け、外へ出ていった。
「瞬太郎! どこにいるの? 瞬太郎!」
亜衣がそう呼ぶが、どこにも瞬太郎らしき人物がいなかった。
いや、いないことはない。瞬太郎の死体は地面に倒れて毛布に隠されているのだ。
その後、亜衣はすぐに昨日、貴紀や壮介と話していたことを思いだした。
その手紙を書いたのは、おそらく貴紀か壮介のどちらかであろう。亜衣は騙されたと思った。一体、どちらが書いたのだろう。そして、瞬太郎や他の皆を殺した犯人は誰なのだろうか。
そう考えていると、亜衣はとある人物に目が留まった。亜衣たちの別荘から見て右側の別荘に一人、金髪の男性がこちらを睨んで見ていた。亜衣にとって見覚えのない男だった。
亜衣は彼を見て、目を見開いた。彼が拳銃を突き付けてきたのだ。
亜衣は怖くなり、そのまま硬直してしまう。
その瞬間、その男が拳銃を発砲した。
すると、その弾が亜衣に命中し、彼女はその場に倒れてしまった。




