2ー10 責任をとってくれ!
2ー10 責任をとってくれ!
「それは、もう用意してある。お前が帰るときにとらせよう」
ライディアが言うのをきいた俺は、きっぱりと言い放つ。
「じゃあ、もう帰るぞ、リリウス!」
俺が立ち上がるとライディアの表情がさっと曇った。
「もう、帰ってしまうのか?クロージャー」
「ああ」
俺は、素っ気なく答えた。
「ここには、褒美とやらをもらいに来ただけだし」
俺は、リリウスのことをきっと睨み付けた。
リリウスが口の中でモグモグしていた菓子を慌ててぐっと飲み込むと立ち上がる。
部屋から出ていこうとしている俺にライディアが声をかけてきた。
「また会えるか?」
「いや、もう、会うことなんかなさそうだけどな、たぶん」
俺があっさりと答えるとライディアが俺に駆け寄ってきてぎゅっと腕を掴んだ。
「頼みがあるんだ、クロージャー」
なんですと?
俺は、ライディアの必死な様子を見て驚いていた。
かりにもこの国の王子ともあろうお方がこのトカゲもどきに頼みがあるんですと?
なんか、俺は、嫌な予感がしていた。
できれば、このまま何もきかずにここから去りたい。
でも、あまりにもライディアが必死すぎて、きかずにはいられなかった。
「なんだ?」
「頼む!私の臣下になってくれ!」
はい?
俺は、ハトマメ状態でしばらく立ち尽くしてしまった。
「なんで?」
やっと声が出るようになった俺がライディアに問いかけた。
「なんで、俺、なんだ?てか、なんで俺があんたの部下にならなくっちゃならないんだよ?」
「お前が私を助けたからだ!」
ライディアが叫んだ。
どういうこと?
俺は、ますます意味がわからなくなった。
ライディアは、俺の腕を掴んだ手に力を込める。
「お前がいなければ、私は、あそこで死んでいた。父上や兄上の望む通りにな。なのに」
ライディアの青い瞳から涙がポロポロと溢れ落ちる。
「お前が私を助けたりするから、私は、望まれもしないこの世界で生き長らえなくてはならなくなったんだ!」
ライディアは、俺にすがり付いた。
「責任をとってくれ!」
マジですか?




