魔女
話がまとまって来たので頑張って書いてます。
ヒロインをどんな感じの子にするかすっごい迷いました。明日明後日と予約投稿します。
街道に馬車が行き交い、人でごった返す街。
あちらこちらに露店が開いており、呼び込みの店員が大声を上げている。
そんな帝国の活気ある街にある大きな建物。
剣と盾の大きなシンボルを掲げている、ここが冒険者ギルド。
王国では、学校で基礎技術を学び、卒業後冒険者ギルド所属となる。
それ故に最低限の知識と技術を持った者が冒険者となり、身分も保証されるわけだ。
しかし帝国の冒険者とは・・・。
一言で言うと、完全実戦主義である。
「冒険者ギルドに入りたいって?」
コクリと頷くレン。カウンターにデルから貰った紹介状を置く。
それを手に取り、乱暴に封を切ると、中の紹介状をみる男性。
「なるほど・・・お前喋れないのか。字は書けるか?」
コクリと頷くレン。
「それじゃあここに名前と天啓職、種族、性別を書いてくれ」
カウンターに1枚の羊皮紙を置かれ、羽根ペンでサラサラと書いていく。
レン 剣士 ヒューマン 男
「よし!それじゃあ・・・ようこそ!荒くれ共の集まる冒険者ギルドへ!デル爺の紹介状によるとランクDから始めろと書いてある。普通は例外なくGランクからコツコツ信用を積上げるもんだが、この紹介状があるって事は、それだけの事をしたんだろう」
首を傾げるレン。木の板にナイフで文字を刻み、カウンターの男に見せる。
`別にGからでもいいんですけど’
「そうはいかねぇ!この紹介状は無視するには重すぎるもんだ!とは言え・・・試験は受けてもらうぜ。普通なら青のダンジョンで薬草採取だが・・・Dならそうだな・・・最近赤のダンジョンの第1層にゴブリンが巣を作りやがった。それの殲滅でどうだ?」
コクリと頷くレン。ゴブリンは徒党を組むと厄介な魔物ではあるが、所詮低級の魔物。1匹ならその辺の村人でも狩れる。
王国の冒険者ならばルーキーでも駆除できるレベルのクエストだ。
「いやー助かるぜ。うちのルーキーどもも困ってはいたんだが、何分報酬がしょぼくてな・・・誰も受けねぇでやんの
っと!忘れちゃいけねぇ。ちゃんとお前さんがクエスト達成したか見届ける役を連れていかせる」
ええっとーっとカウンターの下をゴソゴソと何かを探す男。
「あった!こいつを連れて行って欲しい。名前はマリー。最低限だけ稼いだら基本家に引きこもってやがるからな。家の場所はここだ。魔女なんて呼ばれてはいるが、気にすんな!」
家の場所までの地図を手に取り、お辞儀をして去っていくレン。
冒険者ギルドから出ていったのを確認した男は、ポツリと呟く。
「あいつとマリーを引き合わせろね・・・デル爺まだ引きずってんのかね・・・」
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レンがたどり着いたのは、見るからにボロボロの平屋。外壁のレンガは所々剥がれ、扉もボロボロ。マリーと書かれた表札も傾き、強い風でも吹けば倒壊するのではないかと思うほどだった。
レンは扉についていたノッカーの使って扉を叩く。ボンボンと鈍い音を立てて辺りに音が響く。
少し待っても中の人が出てこないので、再びノック。
ボンボンボンボンボンボンボンボボボンボボボンボボボボボンボッボッボンボンボボボンボン
レンは楽しくなってきたのかリズミカルにノックする。ボルテージが上がり、曲はどんどんテンションを上げ、ついにクライマックス・・・・。
「うるさいです!!!人の家のドアで曲を奏でるなです!!!!」
という所で、バンっ!とドアがひかれ、少し残念そうな顔をするレン。
現れたのは白い髪を腰まで伸ばした少女だった。真っ黒なワンピースを着て、仁王立ちをしていた。
身長は140cmほどだろうか、まるで小さな子供だ。怒っているからか目は吊り上がり、せっかくの可愛い顔が台無しになっていた。
「何の用ですか?用がないならさっさと立ち去るです!」
レンはさっき男に渡された資料を渡す。物欲しそうにドアを見ながら・・・。よっぽどこのドアの音が気に入ったようだ。
「・・・はぁ・・・めんどくさい仕事を押し付けやがりますね・・・ひとまずは入れです!」
レンは彼女に誘われ、ぼろ屋の中に入る。
中は小奇麗にしており、しっかりとカーペットが敷かれ、机も綺麗だった。
椅子に座れと顎で指されたのでおとなしく座るレン。
‘あなたが魔女のマリーさんですか?’
既に書いておいた木の板を彼女に見せる。
「魔女なんて言うのは勝手に言われてるだけです。マリーは私で合ってるです」
ボケーッとレンがマリーを見つめていると・・・。
「子供じゃねえです。歳はお前と同じくらいです」
目を見開き、マリーを見つめるレン。
「私が魔女と呼ばれる所以です。天啓の儀から人の心を読むスキルを得たです」
「何喜んでるですか。こんな厄介なスキル、捨てたいです」
「そうですか。そんな事よりクエストの件です」
感動しているレンをよそに、仕事の話をし始めるマリー。
「確かにあのダンジョンの1階層に魔物はいなかったはずですが・・・いつの間に巣なんて作ったんですかね・・・うるさいです。無駄な話をするんじゃねぇです。クエストが終わったら質問に答えてやるです。さっさとこのクエストを終わらせないとルーキーたちの仕事がないです。今すぐ?わかったです。準備するのでちょっと待ってるです」
マリーはワンピースの上から皮の軽装備をつけ、レガースと手甲、胸当てを装備していく。
「魔女だったら魔術師じゃない?うるせぇです。外野が勝手に言ってるだけで、私は斥候です」
腰にタガーナイフを二本差してマントを装備する。
「マントは意味ない?かっこいいからつけてるです。ってさっきからうるせぇです!!心の声を止めろです!!!」
傍から見ればマリーが一人で騒いでるだけのように見えるが・・・。少し楽しそうなレンは浮足立っていた。
久しぶりの人との会話に浮かれているレンであった。




