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馬鹿と天才は紙一重


 妹矯正計画、三日目の今日はチアキのターンである。

 チアキは賢者様だが、魔法使いと言うよりは研究者と言った意味合いが強い。

 彼女が今まで作成してきたものは、この国の魔法技術を10年は先取りさせたとも言われている。

 反面、彼女は自分の研究のためであれば法に触れることも厭わない。

 遵法精神が全くないのである。

 人体実験など当り前で、自分への実験も普通に行う。


 つまり、彼女は狂気のマッドサイエンティストなのだ!!

 言っておくが、中二病ではないぞ……。


「兄様、何の用かなっ?」


 チアキはニコニコと嬉しそうに俺の製麺所に入ってきた。

 その顔は見るものが見れば一瞬で虜にしてしまう様であったが、チアキの本性を知っている俺には通用しない。


「わざわざ、来てもらって悪いな」

「兄様の呼出なら、うちは世界の果てからだって一瞬で来るよっ」


 チアキはチハルとは違う方向で愛が重い。

 多分こいつは俺が欲しいといえば、全てを投げ打ってでもそれを手に入れて来ようとするだろう。


「今回来てもらったのは他でもない」

「チフユさんの事だねっ?」


 そして頭の回転が速いので、一しか話さずとも全てを理解するのだ。

 ちなみに、この技能は自分の興味あることにしか発揮されない。


「うちは兄様が好きだっていうから、色々と研究をして自分の耳をエルフ耳に改造したんだよっ? そんなうちを捨ててまで、他の女の所に靡くなんて兄様はしないって信じてるよっ」

「いや、それはだな」

「だって、兄様に『エルフ耳になったらうちの事を貰ってくれる?』って聞いたときにそうだって言ってたよねっ? 兄様がうちを裏切らないって信じてるよっ」


 人の考えを先読みして、次の会話に繋げる高等テクニックである。

 くっ、恐ろしい技術だ

 一々発言しなくても会話が進んでいくので、楽とも言えるが反論する隙もない。

 と言うか、俺はチアキに口で勝てたことがない。

 そもそも一人で挑もうとしたことが無謀だった……。


「つまりお前は、俺にチフユとの婚約を破棄してチアキと結婚しろと言いたい訳だな」

「流石兄様だねっ。その通りだよっ」


 満面の笑みである。


「ちなみに、そんなことは出来ないって言ったらどうなるんだ?」


 ちょっと興味本位で聞いてみる。


「決まってるよっ。兄様から必要な量の精子を抜いた後、ホルマリン漬けにして兄様と幸せな結婚生活を送るんだよっ!!」


 それで幸せになるのはチアキだけだと思うが……?

 というか、俺は完全に不幸だと思うんだが……?

 俺の幸せとは何だ?

 幸せについて本気出して考えてみる必要があるのか?

 そんな哲学的なことが求められているのか?


 色々と疑問は尽きないが、完全に藪蛇であったことは確かであろう。


「ちなみに俺の精子って何に使うんだ?」

「兄様のクローン作ったり、うちと兄様の子供作ったり色々出来るよねっ。作ったクローンをチハル達の所に送り込んで爆発させれば、時間も稼げるだろうしねっ」


 ちょっと考え方が卑劣過ぎない?

 後、時間稼ぎって何の?


「まぁ、落ち着け。そんなことをしたら、法律違反でお前捕まるぞ? 俺はお前にそんな目に遭って欲しくないんだ」


 ちょっとイケメンボイスを心掛けてチアキを制止する。

 と言うかチアキの危険思考をこれ以上浴びるのは良くない。


「兄様……。そう言うのは、格好をつけないで言うから格好良いんだよ?」


 チアキに呆れた声を出されてしまった。


 なん……だと……?

 チハルとチナツには効くのに、無効化されたというのか?

 話を変える為に、わざわざ慣れないことをした意味はなかったということか……。


 いや、よく見ろ!!

 奴の耳は赤くなって凄いピクピク動いている。

 めっちゃ嬉しそうだ!!


「しかし兄様はチハル達にも同じこと聞いてたみたいだけど、そんなにうち達を追い出したいの……?」


 色々と一段落が付いたら、チアキにそんなことを言われてしまった。

 と言うか、やっぱり盗聴していたのか……。


「いや、そういう訳じゃないんだ。この国では重婚は出来ない」

「そうだよっ。だから兄様の隣にいるのが、うちで在りたいって思うのは間違ってるって言いたいの……?」


「そうだ」


 チアキには冷たいかもしれないが、ここはハッキリと言う必要がある。

 男である以上、ハーレムを作りたいという願望は確かにある。

 しかし、それで一番の好きな娘を悲しませるわけにはいかない。


「俺とチフユは婚約しているんだ。浮気なんてしたらチフユが悲しむ。それだけは出来ないんだ」


 だから、俺はチアキにそう言って説得するのである。


「兄様は別にうち達が嫌いって訳ではないんだよね?」

「当り前だろ。お前達が大事だから、俺はお前達にも幸せになって欲しいんだ」

「そういう事なら仕方がないね……」


 そう言ったチアキの目には覇気が戻っていた。


「チアキ、分かってくれたか」

「うん。やっぱり、兄様は魔王の魔力に中てられて、真面な判断が出来なくなってるよっ」


 えーーーーーーーー!!

 そっち方面で勘違い始めるの!?


「兄様、安心してっ。うちが絶対に兄様を正気に戻して見せるからっ!!」


 チアキはそう言って製麺所から出て行ってしまった。


 チアキ、勘違いヤロウは嫌われるぞ……。


 三人の説得に失敗し、俺はそう虚勢を張る事しか出来なかったのだ。


チアキが予想以上にヤバいキャラになってしまった気もしますが、兄様を愛しているだけなので仕方ないですね。


いつもブクマ・評価等有難うございます。

昨日の後書きのおかげか、日刊ランキングにまた戻ってくることが出来ました。

ブクマ・評価入れていただけた方には大変感謝しております。

引き続き頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。

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