現実時間4日
んっ?誰かに見られた気がしたんだけど?
「やばっ!経済史遅刻する!あの教授来るの早いだよー!」
バタバタ走りながら私は慌てて経済史の教室へと足を向けた。
ガラガラ
少し古びたスライドドアを開けていつもの定位置に腰を下ろすと同時に友達が遅かったね。と話しかけてくる。それに答えながら再び扉が開けられる音にふとそちらに視線を移した。
「あっ!廣瀬くんだ!」
女友達が呟いた言葉に、あれがうちの学校のイケメン君の一人かと認識する。
(そういえばいつもチラチラこっち見てくる人だよね?)
なんて、疑問を浮かべながら私は視線を黒板へと戻し授業の準備をする。
「廣瀬くんっていつもあの辺座るよね?」
「そういえば朝比奈さんの近くが多い気がする。」
「もしかすると…。」
なんて、女の子たちが話してるのを耳にしながら、まさかねと思いながらやはり、授業チャイム前にきた教授の意識を向けた。
授業が終わってからざわざわするとふと思った時に彼から声をかけられた。
「あっあの!朝比奈さん!少しいいですか?」
「えっ?あっうん。」
声をかけられたことに驚きながらチラリと友達に視線を向けると
「先いってるねー!」
と、気をきかせてなのかさっさと教室から出ていってしまった。
「あっ、すみません。友達先行かせちゃって」
すまなさそうにいう彼に大丈夫と告げ私は本題にはいる。
「えっと、廣瀬くんだよね?何か私に用事かな?」
すると彼は、頬を何故か赤く染め
「僕の名前知ってたんだ」
と、嬉しそうに呟いた。
「あの、友達から名前聞いてて。違ったらごめんなさい!」
「あっううん。やっぱりそうだよね。(ぼそっ)朝比奈さんが僕のことなんて知るわけないよね。」
彼があまりにも後半ボソボソしゃべるので全く聞き取ることができなかった。
「実は、朝比奈さんに聞きたいことがあって。」
彼は、とりあえず質問を優先にしたようだった。
「聞きたいこと?」
「うん。朝比奈さん。ナイトオブパーティー~我が王よ…~ってゲームやってる?」
「えっ?なんで知ってるの?」
「あっ!それは、そのとっ友達から!そう!友達から聞いたんだ!」
私はそれに、おおかた顔が色んな意味でひろーいアイツから聞いたんだろうなと、検討をつけそうなんだ!と当たり障りない返事をする。
「そっそれでね。僕初心者だから。朝比奈さんに色々教えてほしくて!」
そして、あわよくばフレンド申請させて欲しいなと。
ダメかな?というような目で私を見てくる廣瀬くんを前に私は了承の変事しか返すことができなかった。
最後まで読んでいただきありがとうございました。